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星河の覇皇

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第六十五部第三章 連合の元首その十七

 真夜中まで仕事が決まっていた、だがその中で秘書の一人に問うた。
「アッディーン大統領だが」
「はい、あの方ですね」
「やはり多忙だな、あの方も」
「何でも八条長官とです」
「彼とか」
「会われることを楽しみにされているとか」
 こう話すのだった。
「どうやら」
「英傑同士ということだな」
「そうですね、八条長官はあくまで政治家ですが」
 軍人でもあるアッディーンとはそこが違っていた。
「しかし」
「その政治家としての戦略がだな」
「サハラでも評判なので」
 それで、というのだ。
「アッディーン大統領もです」
「あちらから会談を申し出てだな」
「楽しみにされています」
「明日だったな」
「はい、明日にです」
 まさにその日にというのだ。
「会談となります」
「そうだな」
「今回の歴訪でオムダーマンも多くのものを得て」
「あの大統領もな」
「各国の首脳と会談され」
「この中央政府でもな」
「閣下とも」
 中央政府大統領であるキロモトとも、というのだ。
「会われて」
「そしてだ」
「八条長官とも」
「彼は私が国防長官に任じた」
 キロモト、彼自身がというのだ。
「彼こそはと思ってな」
「この連合の政治家で、ですね」
「傑出していたからな」
「軍事を政治として動かせる人材として」
「彼しかいなかった」
 そう見たからだというのだ。
「初代国防長官に任じたのだ」
「そして見事果たしてくれていますね」
「国防省、中央政府軍は動いてくれている」
「それも予想以上に」
「これまで連合の軍事はだ」
 キロモトはこれの話もした。
「お世辞にも整っているとは言えなかったか」
「確かに中央政府大統領は軍を動かせますが」
「中央政府に軍はなかった」
「そして国防省も」
 危急の時に各国軍を集めてだったのだ、そして指揮をすることになっていたのだ。それで連合には長い間中央政府に軍事関係の分野はなかったのだ。
「そうした状況でしたね」
「長い間な」
 千年もの間だ、連合という国家が成立してから。
「そうだった、だが」
「それはですね」
「変わった」
「国防省が出来て」
「そして中央軍もある」
「それを八条長官が動かされていますね」
 国防省が軍を管轄するがその長官としてだ、八条は見事に政治家として動かしているというのである。秘書もこう言うのだ。
「それがアッディーン大統領、シャイターン主席からも」
「英傑とな」
「判断されたのですね」
「連合でも英傑とみなされている」
 連合も八条をそう見ている、しかしなのだ。
「だが軍事的英雄というのでは」
「連合においては」
「意識されない、あまりな」
「どうしてもですね」
「我が国は英雄はいるがだ」
 そうした風に呼ばれる人物は確かに多い、この国にも。
 だがそれでもなのだ、英雄といっても様々な種類があってなのだ。
「政治的、文化的、経営的なな」
「そうした英雄が多いですね」
「スポーツでもだ」
「英雄はいますね」
「偉人と言っていいな、そうした存在は多いが」
 しかしというのだ。 
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