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星河の覇皇

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第六十五部第三章 連合の元首その十六

「何も出来ない」
「ですから」
「貧困と差別は出来る限りなくしていくが」
「完全にはですね」
「なくなりそうにもないのがな」
「人間の社会ですね」
「連合にも差別や貧困がある」
 大衆社会であり豊かな連合でもというのだ。
「サハラからの難民に対する差別がありだ」
「マウリア系に対する冷遇も言われていますね」
「それも」
「民族問題は独立先を提供出来ますが」
 新たに開発、開拓する星系を中央政府が提供しそこに移住してもらい新国家を建国してもらうのだ。これで連合は実際に多くの民族問題を解決してきてもいる。
 しかしだ、それでもなのだ。
「差別はなくなりませんし」
「貧困もまた」
「完全にはですね」
「消え去りませんね」
「低所得でいたいという人もいる」
 今度は価値観の相違であった。
「金銭ではなく他の事柄に要点を置いている人がな」
「生活のですね」
「そうした人もいてな」
 そして所謂スラム街に残っているのだ、実際連合では失業しても再就職は楽だ。それこそ新たな開発、開拓地に行けばいいのだ。そうでなくとも経済成長が続いているので人手が常に足りない社会であるのだ。
 そしてだ、高所得を得たければだ。
「開拓地に行き牧場や農園を経営するとだ」
「中央政府、各国政府も援助しますし」
「それも積極的に」
「他の仕事についてもです」
「大規模に斡旋しますし」
「だからですね」
「低所得から抜け出る方法もあります」
 開発、開拓地に行く以外にも方法はある。わりのいい仕事というものが多い社会でもあるからだ、連合は。
「問題は抜け出たくても抜け出せない人ですね」
「そうした人達を助けるのが重要です」
「それが我々の仕事でもあります」
「政治家の」
「そういうことだな、差別も貧困もな」
 政治家の仕事はというのだ。
「そうしたことをしていくべきだな」
「抜け出そうとする人の為に働く」
「最大限の最大幸福ですね」
「それを実現させる」
「それが政治家の仕事ですね」
「そういうことだな、その政策を進めていくことはだ」
 低所得者層、社会的弱者の救済政策はだ。
「連合では普通だしそうしたことを援助する機関や組織、企業も充実している」
「エウロパでは中央政府の存在が大きいですが」
「連合は政府は小さくだ」
  この場合は中央政府もい各国政府もだ、所謂小さい政府というのが連合の政治の考えに強くある為だ。
「様々な機関や組織があるから」
「企業もありますし」
「そうした組織がエウロパ以上に多いですから」
「だからですね」
「中央政府だけではないですね」
「連合は分権国家だ」
 これは中央政府や各国政府のことだけではない、そうした様々な勢力が存在しているという多層かつモザイクな社会であるという意味でもなのだ。
「中央集権国家とは違う」
「だからですね」
「非常にですね」
「政策としても複雑になる」
「そこが違いますね」
「他の国とはな」
 エウロパとは違いというのだ。
「だから政策もな」
「連合独特のものになります」
「我々の」
「そこも踏まえて」
「この政策も進めていきましょう」
「そうしていこう」
 キロモトは委員達とも話をした、とかく彼は多忙であり仕事の合間にもこうした話を持ったりしていた。そしてだった。 
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