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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0219話『先日の続きの出来事の鶴姉妹の回想』

 
前書き
更新します。 

 




瑞鶴と翔鶴は先日の鳳翔さんの進水日のお祝いについて話をしていた。

「ねぇねぇ翔鶴姉。昨日の鳳翔さんっていつもより可愛かったよね!」
「そうね、瑞鶴。もう皆さんからお祝いされて涙を流していたからね」
「そうだよねー。まださっきの事のように思い出せるよ」

そして瑞鶴は昨日の騒動を色々と思い出していた。






サラトガがいの一番に、

「ホウショウ、Congratulations on your birthday!」

と言って鳳翔に抱きついて熱い抱擁をしていたり、

「ホーショウさん、Congratulazioni per il tuo compleanno!」

アクィラからもイタリア語で誕生日を祝われてたりしていた。
それで鳳翔は少し照れながらも、

「なんとなく言っている事はわかります。サラトガさん、アクィラさん、ありがとうございます……」
「まだまだこれからだぞホウショウ!」

そこにまだ続けと言わんばかりにグラーフが色々とかくし芸などを披露していた。
実際はゲルマン忍法を披露したのだけどかくし芸で済んでいるのはグラーフの普段の行いゆえなのか。

「まぁグラーフはいいとしておこうか。ホウショウ……あなたにこれからもご加護がありますように」
「まぁ……」

わざわざアークロイヤルは片膝をついて鳳翔の手を握っていた。
それを見て龍驤が、

「女騎士の見せ場やんか! ええなー……」
「龍驤には似合わないよなー」
「なんやと!? もういっぺん言ってみ隼鷹!」
「わわ! 龍驤さんが切れてしまいました!」
「あははー!」

軽空母組が騒ぎ始めたので提督が鳳翔を少し静かな場所へと案内していた。
案内したのは雲龍たちの場所だった。

「ここなら鳳翔さんも落ち着けるでしょう」
「提督、ナイス判断ね! ささ、鳳翔さん、赤城先輩たちが作った料理がありますからお皿に乗せますね」
「ありがとうございます、葛城さん」

葛城がそう言って色々と鳳翔の面倒を見始めたのを合図に雲龍と天城も鳳翔さんに声をかける。

「鳳翔さん……おめでとうです」
「おめでとうございます!」
「ありがとうございます。雲龍さん、天城さん」
「はい♪」
「うん……」

と、そこに瑞鶴が翔鶴を連れてやってきて、

「ね。鳳翔さん、せっかくのお祝いなんだから翔鶴姉と一緒にケーキを作ったんだ。食べてほしいな」
「はい。ぜひいただいてみてください」

持ってきたケーキには『鳳翔さんおめでとう』と文字が書かれていたのでそれがさらに鳳翔さんの涙を誘ったのかもう目が潤んでいるではないか。

「もう……みなさん、ここまでしてくださらなくてもよいですのに……でも、嬉しいです」
「「「はぁー………」」」

満面の鳳翔さんの笑顔にみんなは顔がにやけていたのを隠し切れないでいた。
提督もそれで少し見惚れていたのは内緒であったが後で榛名に問い詰められたとかなんとか。

「さぁ鳳翔さん! 壇上に上がって!」
「はい。シャンパンも用意しましたのでコップに注いで乾杯の音頭をお願いします」

千歳と千代田がそう言って鳳翔さんにシャンパンの入ったコップを渡す。
みんなもそれに習ってジュースやお酒などを各自手に持つ。
鳳翔さんは顔を赤くさせながらも壇上に立つと、

「みなさん……私のためにここまでしてくださりなんと言葉を残せば困ってしまいます……でも、これだけは言えます。みなさん、私は皆さんの事が大好きです!」
「「「うっ……!」」」

鳳翔さんのその言葉で何名かが感激のあまり胸を抑えて倒れたとかなんとか。
そしてその言葉を言い終わったと同時にふすまがいきなり開かれてそこには金剛と大和が立っていた。

「ま、間に合いましたデース……」
「鳳翔さん! 進水日おめでとうございます!」
「金剛さん! 大和ちゃん!」

いきなりの二人の登場に鳳翔さんはさらに驚きの表情をする。

「ヘーイ、鳳翔! ワタシからもプレゼントデース! 受け取ってクダサイネ!」
「私からも鳳翔さんに日ごろからもお世話になっているお礼でプレゼントを持ってきました。受け取ってください」
「私も!」
「あたしも!」

と、そんな感じで褒章の足元にはどんどんと贈り物が置かれていくのを見て鳳翔は困り顔で、

「まぁまぁ……こんなにくださるなんて……もう私、感無量です……本当にありがとうございますね」

またしても満面の笑みを浮かべてさらに撃墜数を増やす鳳翔だった。






……そんな事を瑞鶴は思い出しながらも、ふとある事を思い出す。

「そういえば、進水日のお祝いが終わった後に鳳翔さんと提督さんの二人でまたどこかに行っちゃったけど……どこに行ったんだろうね?」
「それは分からないわ。でも、きっともう一人のところに行ったんだと思うわ」
「もう一人……? あ、そう言う事ね。提督さんって本当にみんなの進水日の事はチェックは欠かさないんだよね」
「そこが提督の優しいところよ。見習わないとね瑞鶴」
「そうだね、翔鶴姉」





提督と鳳翔は宴会が終了した後にとある部屋へと向かっていた。

「提督? 私にもこんなに盛大に祝ってもらったんですから彼女の事も祝わないとダメですよね?」
「そうですね。まだこの鎮守府に来て半年も経っていないけどもう大事な仲間ですから」

そしてある部屋の前に到着するとノックをする。

『あ、はーい! どちら様ですか?』
「私だ択捉。中に松輪はいるかい?」
『いますよ。今ドアを開けますね』

択捉がドアを開けると中には二人だけで祝っていたのだろうケーキを食べている松輪の姿があった。

「あ、司令……どうしたんですか?」
「うん。松輪、今日は君の進水日でもあるから祝いに来たよ」
《提督は松輪ちゃんのためにプレゼントを買ってきてくれたんですよ!》
「本当、ですか……? 鳳翔さんも?」
「はい。私はもうみなさんに祝ってもらいましたから今度は松輪さんを祝いに来ました」
「よかったね松輪!」
「うん、択捉ちゃん! 司令、榛名さん、鳳翔さん……その、ありがとうございます!」
「うん」
《はい》
「はい」

それから五人でささやかだけど進水日のお祝いをしたのであった。
松輪はまさか祝ってもらえるとは思っていなかったらしくやはり涙を浮かべていたのは言うまでもなかった事である。


 
 

 
後書き
先日に続いて回想な感じで鳳翔さんと松輪も祝いました。
松輪の進水日を取りのがすところでしたので危なかった……。




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