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大阪オリーブ

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第二章

「やっぱりオリーブいいわよね」
「やれやれね」
「本当にオリーブ好きよね、瑠璃子って」
「部活の料理部でもオリーブオイルやたら使うし」
「それも大量に」
「美味しいし身体にいいし何にでも合うから」
 それで使っているというのだ。
「駄目かしら」
「いや、駄目じゃないけれど」
「たこ焼きにも使う?」
「お好み焼きにも」
「下にひく油もそうだし」
「かけて食べてもするし」
「マヨネーズみたいにね」 
 瑠璃子にとってはマヨネーズがオリーブオイルなのだ。
「何か違うんじゃ」
「というか瑠璃子からオリーブオイルの匂いする様な」
「そんな感じさえするわよ」
「あっ、それそうかもね」
 自分からオリーブオイルの匂いがすると言われてかえって笑って言う瑠璃子だった。
「私はね」
「そこでへこんだり怒らないの」
「かえって喜ぶの」
「そうなるの?」
「だってオリーブ好きだから、だからね」
 それでというのだ。
「そう言われて嬉しいわ、それでオリーブオイルを見てね」
「それで?」
「それで何かあるの?」
「オリーブオイル見て」
「それで」
「種類とかね、あと新しいか古いかも」
 そうしたこともというのだ。
「舐めただけでわかるわよ」
「オリーブオイルの目利き?」
「というかソムリエ?」
「オリーブソムリエなの」
「そうでもあるの」
「色々なオリーブオイル使ってきてね」
 これまでというのだ。
「そうしててね」
「それでなの」
「一口舐めただけでオリーブオイルの種類わかるの」
「あと古いか新しいかも」
「そうなの」
「それでどの料理にどのオリーブオイルが合うか」
 そうしたこともというのだ。
「わかる様になったわ」
「それ凄いわね」
「お酒の目利きみたいじゃない」
「ソムリエみたいよ」
「そうした能力も備えたの」
「そうなの、好きだから」
 それでいつも食べているからだというのだ。
「わかるわよ」
「じゃあ今度大阪の料理部でね」
 友人の一人がここで瑠璃子にこう言った。
「パスタの大会あるわね」
「ええ、そうよね」
「それにうちの料理部も出るの?」
「それで私も出ることになってるの」
 料理部員であるからだ。
「部長さんにあんたは絶対に言って言われて」
「パスタ得意だから」
「あとオリーブオイルのこともガーリックのことも詳しいから」 
 実は瑠璃子は大蒜も好きでこちらを使った料理もよく作ったり食べたりいているのだ。ただしオリーブオイル程使いはしない。
「だから言われたの」
「ご指名受けたのね」
「そうなのよ」
「じゃあそっちもね」100
「ええ、頑張るわ」
 そのパスタ大会をだ、瑠璃子は友人に笑顔で答えた。そして実際に大会に部員の一人として出た時にだ。
 瑠璃子は部活で用意されたパスタ、スパゲティのその袋を見てだった。部長にすぐにこう言った。
「このパスタにはこのオリーブオイルです」
「それなの」
「はい、これが一番合います」
 そのオリーブオイルを出しての言葉だ。
「何といっても」
「そうなの」
「他のオリーブオイルよりもです」
「それなのね」
「はい、これを絡めて下さい」
「それでないと駄目なの」
「はい」
 瑠璃子は強い声で言い切った。
「ですから」
「そのオリーブを使うのね」
「パスタの種類はカルボナーラですし」
 このことはもう決まっていた。
「そのスパゲティでカルボナーラなら」
「そのオリーブオイルね」
「それでお願いします」
「わかったわ、それじゃあね」
 部長は瑠璃子のその言葉に頷いて答えた、そしてだった。
 実際に瑠璃子が言ったオリーブオイルを使ってスパゲティカルボナーラを作って出した、するとだった。 
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