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Blue Sea 『空と海の境界線』

作者:03-Moonlight
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Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
  Mission17「TRANS-AM」

 
前書き
機動戦士ガンダム00好きの作者がとうとうやりやがりました。

まあ、ゆっくり楽しんで。

あと前回名前伏せて出したキャラの名前を出しました。

※キャラの関係でINTERVIEW FILE01の後ろに投稿しました。 

 
0227 合流ポイント

「レーダーに反応、高度2000、偵察機らしき機体が2、そして艦隊らしき反応が6か」
機械の扱いに長けていない私ですら、ここまでわかりやすいとは。ノースポイントの技術力には恐れ入った。
すると通信が入る。
『そこの少女、お前がウィッチで正解か?』
聞いたことのない男の声。鬼神だろうか。
「ああ、正解だ。今からそちらに降りる」
機体の出力を調整し艦隊の方へ降下し、空母だと識別された艦へ向かい急減速によるストールを用いて着艦する。
『全く、無茶をする女は多いとやら……』
「誰だ?」
不意にかかってきた無線。あの鬼神にも聞こえてる筈だが、鬼神は声を上げない。オープンチャンネルではないようだ。

「まあ無理ないわね、この空母にいるとなれば艦娘以外にも人がいるっていうのも、それも鬼神じゃない人が」
その女性は物陰から姿を現す。軍服ではあっても軍人らしくない口調にハイヒール。軍人かと疑いたくなったがそこを我慢する。

「あら、貴方艦娘?驚いたわ。まさか空を飛ぶ艦娘なんて」
「いや、私はウィッチだ。艦娘とは違い普通に空を飛んでいるが」
艦娘と間違えられる。ここ最近の襲撃などで新しい艦娘が出ている可能性も否定できない。
だが、私ははっきりとウィッチである。それを証明させているのは自分のストライカーと両手に持つMG42だ。

「あらごめんなさい、艦娘じゃないわね。まあ私の名前は湾月葱。中佐だけど階級なんてどうでもいいからなんとでも呼んで」
階級を無視してもよいと話す彼女――――――湾月中佐は中々ぶっ飛んでいる人だと実感できる。
階級の重圧感を感じさせず軽く話し挙句の果てに階級無視して何とでも呼べとお達しする。そこまで平然と話す軍人などいるのか。

「あ、そうそう。この艦を管理してる艦娘にはまだ話してないの?」
「ああ……まだだ」
すると艦橋から突如誰かが飛び降りてきたが、そこからうまく着地する。

「Hello、私は装甲空母Saratoga Mk.Ⅱです。サラと呼んでください」
Saratoga、通称サラと呼ばれる女性。
包容力のあるボディを持っているお姉さんタイプの女性……私とかぶってるのでは?と思ってしまったが胸の大きさなんて関係ないと考え自己紹介をかけた。
「私はゲルトルート・バルクホルン。元第501統合戦闘航空団『STRIKE WITCHES』所属、現サンド島鎮守府ウィッチ部隊所属だ。よろしく頼むのと、鬼神はどの船に乗っているか知っているか?」
「ちょっと待ってくださいね」
Saratogaはインカムで通信を入れ誰かと話す。
その間に湾月中佐は私の事に興味深々で、じーっとストライカーを見つめている。まあ、アレはオーバーテクノロジーの結晶(セレンが言うには)らしいから、簡単に渡すわけにはいかないが。

「通信が終わりました、今から吹雪の方へ移動してください」
するとSaratogaの甲板から吹雪と思われる駆逐艦の甲板まで彼女が生み出した階段が既に存在していた。勿論、艦隊が前進しながらだが。

「これに従って進んでいけばいいんだな?ストライカーと武装は預ける。そこの中佐が触らないようにしておけ」
「わかりました」
中々流暢な喋り方で了承してくれると私はその階段を進む。

何か重大な秘密を知ろうとしている気になりそうで仕方ない。
リラックスしよう、そう言い聞かせながら歩んだ。



同時刻 吹雪甲板

『そちらに合流したウィッチが移動したいと言っていますがどうします?』
「許可する。ただし変な真似はさせるな」
『ラジャー』
Saratogaからの通信が切れると階段が現れ、しばらくするとあのウィッチが現れてきた。
あれがウィッチの服装か?と思わせながらではあるが。

「吹雪、出迎えに行くぞ」
「わかりました」
艦の管制をしている吹雪に呼び掛け出迎えに同行させる。
降りてきたウィッチは吹雪の甲板に降り立った。真剣な眼差しだ。
「此方初見となる、ニューフィールド島第2鎮守府の提督を担当している。軍の関係で名前など様々な情報は公開できない。まぁ、名称として『イーヴォ』と呼んでくれ」
「了解した。私はゲルトルート・バルクホルン。元第501統合戦闘航空団『STRIKE WITCHES』所属、今はサンド島鎮守府ウィッチ部隊所属だ。よろしく頼むぞ」
お互い海軍式の敬礼で返す。



まだこういう事には慣れていないが所属が所属だ。慣れていくしかないと考え教えてもらったものだが……
「まさか、こうしてセレンの手でお前と逢うとはな」
「私も存外驚いてる。セレンがなぜ私を出撃させたのかわからない」

中々話が合うものだ。セレンについて、のことが特にだが。
どうやらあちらも臨時編成らしく、空母以外の大型艦がいないのは「省エネでなおかつ護衛しやすいメンバーを選んだ」らしい。

『意外だったな。まさかこんなにも司令とすんなり話が進むウィッチだとは』
『ま、磯風がそう言うなら相当なウィッチだろうね。私は妙高姉さんの方が怖いけれど』
吹雪の通信(というよりか艦娘固有の通信機能)で磯風、初風と続けてそう呟く。無線が丸聞こえだろうか。私にも聞こえた。

「……そうだ、照月の事、知っているか?」
「ああ……あの照月か」
イーヴォ提督は何かを思い出す。
まさか、照月の過去について知っているのか……?いや、鬼神だから必然だとは思っていたが……

「吹雪、例の照月のデータを表示するのを任せる」
「了解です」
そう言うと艦娘のシステムでデータにあった照月の船体データが表示される。

一見すれば全く問題ない。ごく普通の艦艇と一緒だ。が……私にも理解できない項目があった。

「システムデータの中に1つ、自分にも分らないものが搭載されていた。それの起動テストをしたときには、危険分子になりかねないことから封印された物だ。セレンが追っていた男も知っていることで、希望にも絶望にもなりうる物だ」
イーヴォ提督はデータを閉じるように吹雪に指示する。
そう、気付けば例の海域まで接近していたからだ。肌寒く感じる。

「全滅していなければいいが……」
そう私は呟き、空を眺めていた。

日の出が少し近い。





0320 装甲空母『大鳳』周辺

「まだ来ます!」
宮藤はシールドを張り続ける。魔力供給を大鳳のシステムから若干拝借した結果何とか保ち続けているが、もう危険ラインだ。
ミーナや美緒は既に後退し航行ルートを決めているところであり、エイラとサーニャは戦闘休止状態である。例のウィッチである星奈は回復し戦闘に加わっているが、中々思うように攻撃を阻止できない。

『救難信号をセントアークに送った!もう少し耐えて!』
星奈はそう叫ぶ。本気だ、私はその本気で私を奮い立たせ防衛をし続ける。

しかし、突如深海棲艦は攻撃をやめ、動かなくなった。
コアも生きているのになぜ動かないのか、どうして動かなくなったのかわからない。
早く来て――――――救援を待ちつつ深海棲艦を見る。

なぜ動かないのだろうか。恐る恐る敵を見つめ、状況を探る。
何かを待っている……?しかし何ら変わりもしない深海棲艦。だが、そう思った瞬間だった。

「トランザム!」

すると深海棲艦のシステムがトランザムたるシステムを動かし始める。
『宮藤さん!敵がトランザム起動――――――あの艤装は――――――!』
「星奈さん!無理しないで離脱を!」
『私はここで耐えきる!早く救難信号を出して!』



「あの艤装は――――――!」
一度見たことのある深海棲艦。TRANS-AMが起動されると例の艤装が見え、専用武装が装備されていく。コードネームを持つ深海棲艦の1隻、「憎破棲姫」。私は目を疑った。なぜあれを使用できるのか、それの存在自体も疑った。

専用艤装として装備されたのは、レーザーライフルにスナイパーライフルと遠距離特化にも見えるが、それを打ち消す実体剣「叢雲」が目立つ。
すぐさまスナイパーライフルで此方を狙ってくる憎破棲姫に対して回避する一方だったが、TRANS-AMの機動力には流石に追いつけず、幾度かシールドで防衛する羽目になった。

それに、相手の攻撃力の高さも目立つ。
私はその隠された攻撃を知らないまま回避行動を続けた。



0325 セントアーク

「……っ」
照月がふと苦しめの表情を見せる。
「どうした?照月」
「……………セレンさん、提督と一緒に…………作戦エリアまで…………転送……を……」
謎のか弱い声が、船内に響く。セレンは気付くと驚愕の顔を浮かべる。相当キレてるような気がしなくもないが、何故照月が突然そんな事を云うのだろうか。自分にも理解できない。

「まさか……お前と同じ例外が使うものに反応するとは、な」
すぐさま冷静さを取り戻したセレンは船外に出て固有魔法を使用し始める。
照月はそれに気付き自分の服の袖を引っ張った。「目をつぶって」という口元のかすかな動きで判断した自分は目をつぶる。

徐々に体が何か超次元のような、どこかに持って行かれそうになったが何とか持ちこたえてその持って行かれそうな力に抵抗し続ける。

そうか、空間転移っていうのはこういうことも可能なのか――――――

そう思いながらふと意識を落とした。



0345 Saratoga甲板

「ストライカーの準備よし、弾薬よし、装填よし、カタパルト問題なし……」
私はいよいよ出撃の準備を整える。あの後しばらく情報交換を行い問題がなかったところでSaratogaの甲板に戻ったが、やることがなく整備を続けた。
暫くして出撃してほしいと言われたためストライカーを動かし、最終確認を終えて発艦可能かチェック。
サラが制御してくれているのだろうか。自然とカタパルトが準備を終えていたため、ストライカーの魔導エンジンをフル回転にさせた。

「ゲルトルート・バルクホルン、出る!」
私はそう叫びカタパルトによって得た推力で機体を急加速、一気に装甲空母『大鳳』まで接近を試みることにする。
機体の最高速度が2500km出てるあたりでずっと飛び続けると思った。その刹那、何かの長距離攻撃が飛んでくる。それを躱したが、身の危険を感じてしまった。

「あれは……イーヴォ提督、わかるか?」
「間違いない……あれはトランザムだ!」
やはりか、と思い敵のTRANS-AMの情報を解析する。稼働時間こそ長いが、TRANS-AMを使う事による特殊攻撃があることが判明した。情報はわからないが、少なくとも空母ですら耐えられない可能性のある攻撃の確率が高い。
しかしそれに思考を巡らす暇はない。TRANS-AMを得た敵はもう1人のウィッチを翻弄するくらいの速さで此方も翻弄しようとしてきた。ここでやられるわけにはいかない、と判断し『大鳳』まで接近することにした。

一気に機体を急加速させて振り切る。そこに危うくレーザーが飛んでくるが、私はストライカーを動かしぎりぎりで躱した。

(これは、とんでもないものを相手にしているかもしれない――――――世界を破滅させてしまうような、そんな力を持つ相手と)
心の中で、そう呟いた。



0355 作戦エリア

「照月、空間移転に成功しました」
『良かった……これが失敗したら、どうなることか』
セレンはため息をつく。
私はすぐにシステムを少し改変した。これで、私が隠し持つ1つのシステムを明かせられる。

『……おい、照づ』
無線はいらない。ただ、提督と2人で居たかった。そう考えながら通信を切断し、提督を起こす。

「起きて……」
「……っ」
提督が無事目を覚ます。空間転移を初めて体験した提督のことを心配したが、無事に目を覚まして何よりだ。
すぐにレーダーを起動し、深海棲艦の情報を確かめる。
其処にはやはり、特殊なシステムを起動している深海棲艦が引っ掛かった。これで間違いない。
舵を取り、深海棲艦の方へ向ける。最大戦速で、それに向かう。私は私のことを隠し持つことがあまり好きじゃない。そして、私のことを知ってほしい。
そう考えながら、深海棲艦の方へ進む。不意に来る警告音、それをシールドを駆使して攻撃を防ぐと、提督は私に顔を向けていた。

「手を……つないでくれる?」

それは、私にしか分からない事。TRANS-AMのことはまだ隠してそれを伝える。
そっとではあるが、戸惑いながらも手をつないだ提督を見つつシステムの解除を進める。
これで、私の封印を完全に断つ。そして、すべてを晒し出す。

(システム解除……100%、システム稼働による影響計算を完了……)


そして私は叫んだ――――――

「トランザム!」


艤装が装備され、全てがTRANS-AM専用武装に入れ替わる。艦を防御機構で全てリソースを使い、私の方にかかるリソースをすべて艤装につぎ込む。

艤装の稼働は問題なし。TRANS-AM稼働限界……180秒。大丈夫――――――

「提督――――――隠してて―――――――――ごめん」
提督の手を離して、私は艦を飛び立った。





「その力で――――――わたしは―――多くの人を守る」
専用武装の1つである「星明」を強く握りしめ、そう呟いた。
敵を捉える――――――「憎破棲姫」。そんなことはどうでもいい、戦う。

接近して正確に憎破棲姫を捉えるが、やはり同じ実体剣で相殺される。動きを変えて長10cm砲によるゼロ距離射撃。被弾し傷はつくがすぐ直る。ネウロイと一緒だ――――――そこに私は蹴りを加える。


一瞬ひるんだ様子で私を見つめた憎破棲姫。すかさず艤装の砲撃を正確に撃ちながら、高速移動で此方に正確な近接戦闘を持ちかける。
「何か」を隠し持ってる――――――?同じTRANS-AMとはいえ、ここまで差が出るという事は何かを隠し持っている。その答えは、レーザーブレードが赤く光っていることから分かった。
使わせない――――――それを考えつつ星明で率先して攻撃。やはり、ダメージはなかなか通らないがこれだけでも十分相手に張り合える。


私を切り裂かんと実体剣で迫る憎破棲姫。それを私は星明で受け止める。
そこに発生した火花は非常に目立つように飛び散り、周りに衝撃波を発生させていた。




「何アレ……」
シールドで衝撃波を防いで宮藤は、眼前に広がる光景を理解できなかった。
片や味方、片や敵。どっちがどっちなのか、もう分からなくなってきてしまう。星奈も、その光景に絶句していた。
この事実は、他に知る者がいるのだろうか……?



0400 救援艦隊

「この反応は……いったい何なんだ」
吹雪のシステムから眼前に広がる光景。それはTRANS-AM反応を示す2つの艦を持つ反応のデータを示していた。

片や深海棲艦。もう片方は、本来隠されて封印されたシステムのはずだった照月が、それを解いて発動した。
本当の意味で、恐ろしいという感情を抱く。
救世主か、はたまた殺戮者なのか。それは誰も知りえることではないのだ。
艦娘のTRANS-AM発動は非常に危険な行為であるのに、何故照月はTRANS-AMを発動したのか。何が彼女の心を突き動かすのだろうか。
一体なんだろうか。彼女の心に芽生えているものは何だろうか――――――


――――――何がともあれ、現状を把握した。
まず先に、大鳳の救助に向かわなくては。
そう考え、艦娘への命令として大鳳へ向かうよう指示をした。
既に時間が何時間も経過している。そろそろウィッチの戦闘も不可能になるだろう。収容の為だ。 
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