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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0155話『お風呂でのひと時』

 
前書き
更新します。 

 




……とある時間に一人のいたずら好きの少女がとある部屋の前でなにかが書かれている紙をテープで張り付けていた。

「うぷぷ~……これでいいぴょん」

少女は憎らしい笑みを浮かべながらも誰にも悟られないようにその場を立ち去っていった。
紙にはこう書かれていた。

『今回の作戦で鎮守府に入ったものは今日ここで集まりましょう』……と。





同時間に今回の作戦で仲間になった者達の部屋に一枚の紙が届けられていた。

まずは狭霧が部屋に届けられている紙に気づく。

「……あれ? この紙、なんでしょうか?」
「おーい狭霧。あ、お前の部屋にも届いていたか」

そこに天霧がやってきて同じく狭霧が持っている紙に気づく。
それで二人は不思議そうな顔をしながら、

「あ、天霧さん。天霧さんの部屋にもですか?」
「ああ。一体誰だろうな……?」
「わかりません……とにかく指定された時間にこの場所へと向かえばいいんでしょうか?」
「そうみたいだな」

それで狭霧と天霧は二人でその場所へと向かっていくのであった。
二人がその場所へと到着してみるとそこには他には旗風、松輪、ルイージ・トレッリ、リシュリュー、アークロイヤルの五名も揃っていた。

「む? サギリにアマギリも来たか」
「アークロイヤルさんに皆さんもこの紙で呼ばれたのですか……?」
「うむ。なにかのイタズラかなにかなのか、これは? しかもこの場所は……」
「amiral専用のバスですね」

そう、みんなが集まった場所は提督専用のお風呂の前だったのだ。
それで松輪が少し顔を赤くさせながら、

「その、司令はこの事を知っているんでしょうか……?」
「Ammiraglioは多分知らないんじゃないかなー?」

松輪の不安にルイがそう言って腕を頭に後ろで組んで適当に流している。

「そうですわね……神姉さん達にも話さないで来てしまいましたから少し不安ですわね」
「それにしても、本当に大丈夫なのでしょうか……? この紙には『この時間は誰も入らないからお風呂を満喫してください』とだけ書かれていますけど……」
「疑ってかかった方がいいと思うぞ狭霧。提督がまさかのぞきをするためにとかはまずないだろうしな」

それで七人はそれぞれ提督に対しての現在の評価を話し合う。

「Admiralはそのような事はしなと思うが……中身は男性だというのは知っているがこの鎮守府に配属されて少し経つがAdmiralは真面目な方だ」
「そうね。amiralは誠実な方だから……」

アークロイヤルとリシュリューが二人とも提督に対しては信頼の言葉を述べていた。
それは狭霧と天霧、旗風、松輪も同様のようで、

「はい。私も提督はそんな事はしないと思います」
「そうだな。あの人は榛名さん一筋なところがあるからな」
「松輪もそう思います……」
「そうですわね。はい、旗風も春姉さん達が信頼している司令の事を信じたいです」

概ね提督に対しての評価はいい方だった。
だけどそこでルイが意地悪い笑みを浮かべながら、

「わからないよー?Ammiraglioだって中身は立派な男性なんだから秘めているビーストを解き放つかもしれないし~」

それでいやんいやんと体をくねらせているルイの姿がそこにあった。
それに六人は思わず「確かに……」と意識を誘導されてしまっていた。

「いかんいかん! こうしていてもAdmiralに不安を感じていては騎士としてあるまじき失態だ。今回は誰だか知らないがご厚意に甘えて貸し切りバスに入らせてもらおうとするか」
「「「異議なし」」」

それで七人は提督専用のお風呂へと入っていく。
だけどそれを見ていたある子が「にひひ♪」と笑いながらも入る前にアークロイヤルが差していった『使用中』という札を裏返して誰も使用していないように見せかけた。
そしてまたしても誰にも見られないように隠れていくのであった。







場所は変わって執務室。
そこでは今日の任務をやっていた提督に対して金剛が一緒にいて、

「テートクー! お風呂に入りに行きましょうヨー!」
「ん? もうそんな時間か?」

それで提督は時計を見ると確かにいい時間だった。
それなので、

「そうだな。それじゃお風呂に入りに行くとするか」
「イエス! ワタシも一緒に入ってもいいデスカ?」
「あんまり羽目を外すなよ?」
「分かってマース!」
《金剛お姉様。榛名も信じていますからね?》
「オー……ハルナもあまり信じてくれないデース」

それで三人は笑いながらもお風呂へと着替えを持って向かっていくのであった。
そして到着してみて提督はまずは誰も入っていないかをチェックする。

「テートク? どうしたデスカ?」
「いや、たまに私専用の方で入っている子達がいるから油断ならないんだよな。それでチェックをしていたんだ」
「なるほどー。行けない子達デスネ」
「金剛もその一人だからな……?」
「………、テヘ♪」

可愛らしくポーズを取って誤魔化す金剛。
そんな金剛に少し呆れながらも可愛い奴めと頭を撫でてやりながらもお風呂へと入っていく。

「さて、それじゃお風呂へと入るとしようか」
「そうですネー。テートク、あまり見ないでくださいね?」
「分かってるよ。まったく……このやり取りはもう何回もしたからもうドキドキを感じられないのは悲しむべきか……?」
「また、その感覚を感じたいデスカ……?」

金剛はもうタオルを巻いただけの姿となってわざとらしく提督に背後から胸を押し付ける。
それに対して提督は顔を赤くさせながらも、

「金剛……あまり、そのだな……そう言う行為は控えた方が……」
「えー? いいじゃないデスカー。ワタシとテートクの仲デース。ワタシは気にしませんよ? むしろ……」
《金剛お姉様! 提督を誘惑しちゃダメです!》
「オー……いいところでしたのに。ハルナ、空気を読もうヨー?」
《読んだからの結果です!》
「榛名……助かった。少し理性が飛びそうだったから……」
「飛んでしまって結構デース!」

それでわいわいと騒いでいると何やら浴室の中からガタッと音が聞こえてきたので二人は思わず二人は身構える。
そして少し浴室の扉が開かれて、

「もしかして……Admiralか?」

そこから少しアークロイヤルの顔が見えたので、

「あれ? アークロイヤル、お風呂に入っていたのか?」
「そうだが……。その、使用中という札を差しておいたと思うのだが……」
「えっ? さっき入る前に確認したけどそんなものはなかったぞ。なぁ金剛?」
「イエス。アークロイヤル、間違えたんじゃないデスカ?」
「そんなわけは……」

その時だった。
入り口の扉が突然開かれて外からカメラを構えた青葉と卯月が入ってくる。

「司令官! 現行犯ですよ!」
「逮捕するぴょん!」

その二人の乱入に提督はすぐに事態を察したのかすかさず二人にアイアンクローをかます。

「いだだだだだっ!?」
「ぴょーんッ!!?」
「お生憎だったな、二人とも。おそらくのぞきの現場を撮りたかったんだろうがタイミングが悪かったなぁ……」

それで二人はその後に提督と金剛にこってり絞られて逃げ帰っていった。

「ふぅ……まったくこりない奴らだな」
「まったくデース」

それで溜息をつく提督と金剛。
だけどまだ事態は収束していない。

「それでアークロイヤル。他には誰が入っているんだ……?」
「そのだな。今回の大規模作戦で仲間になったメンバー全員だ」
「そうか……。さて、どうするか?」
「テートクー。この際ですから新規の皆さんと裸のお付き合いでもシマセンカー? これから一緒に過ごしていく上で皆さんが慣れておくのも大事デース」

金剛のその言い分に提督は少し困った表情を浮かべながらも、

「だ、そうだが。そっちは大丈夫なのか? 私は襲わないという事は事前に誓っておくけど……」
「ちょっと待ってくれ」

それでアークロイヤルは中へと入っていってみんなに説明をしていた。
それで少し時間が経ち、

「みんなはいいそうだ。Admiralの事を信頼しての決断だからな?」
「分かっているよ」

その後に提督、金剛を含めた一同でお風呂に一緒に入るのであった。
提督の見た目は榛名なのでみんなもそこまで抵抗はなかったらしく次第に慣れていったようだ。
その後に、

「その、司令……?」
「なんだ、松輪?」
「司令は、その……艦娘の皆さんとよく一緒にお風呂に入るんですか?」
「一緒に入ると言うより乱入してくるというのが正解かもしれないな。自慢じゃないけど金剛を筆頭に私と一緒にお風呂に入りたがる子が結構いるから」
「そうなんですか……もしかして択捉ちゃんも?」
「択捉とはまだ入っていないけど時間の問題じゃないかなぁ……? 国後と占守がよく入ってくるから」

それを一緒になって聞いていたみんなは「提督はお風呂でも安全」という認識を頭に学習したのだった。


 
 

 
後書き
今回は新規艦娘と金剛を一緒に書いてみました。
さて、明日はいよいよ宴会です。どう書こう?



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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