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誘拐篇

作者:Gabriella
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2 思い立ったら、全力で急げ

 
前書き
 アンナは、ボスの命令で「任務」を完了しに、ホテルへ男を殺しにきた。
 が、しかし、そこで待っていたのは、高杉だった。
 急な展開の中に隙を見つけた彼女は…
  

 
 
  _「俺も随分と鈍くなったものよ。まさかお前に、隙をつかれるたぁな。」


  _え? 今の攻撃は、確実に彼にヒットしたはず。
   なのに、彼の体が 離れない。


  _「でも、危なかったなァ。あともうちょっとのとこだった。」


  見ると、私の足は、彼の足に封じられている。

  _「…高杉…貴様…!どうやって…!?」

  _「おいおい。それはないだろ?」


  そう言って彼は、じりじりと迫ってくる。

  _「やめ…やめろ! 放せ、私を愛しているならな…」



  もうこうなったら、心理戦に持ち込むしか、道はない。
  私の長年の勘が、そう伝えていた。

  だが彼は、そんなものでは通用しなかった。


  _「愛しているからこそ、お前と一緒にいたいんだァ。あとな、
    お前の中の『獣』は、オレじゃないと 止められない。
    それはお前が1番、知ってることだろ?」

  高杉の舌が、首筋に触れる。
  意識が、遠のいていく。



  次々によみがえる、血塗られた過去。
  「獣」に支配されていた、私。


  必死で映像を追い払い、「自分」を取り戻す。


  _「だからこそ……はぁ…はぁ…私は、『そいつ』に抗うって……ふぁっ……決めたんだ。」

  _「お前に、そんな力が? あるとは思えないがな。」


  彼はそう言って、口を私の耳のそばに持ってきた。

  _「黙れ、もうその手には…乗らんぞ」


  そして、また囁く。「狂気」への道を。

  _「お前がオレの仲間になる ってんなら、オレはいつでもこんなこと、やめるがァ…」




  彼の手が、私の胸に伸びる。その拍子に、彼の体が引きあがる。
  そのすきに、全身の力を込めて、枕の方にずり上がった。
  そして、枕の下に隠してあった銃に、手を伸ばす。

  だが、時は少し 遅かった。

  _「やめ…やめろ… ひゃ!」

  手は後ろで縛られていて、自由に使えない。
  それをいいことに、彼はゆっくり…まるで、1つ1つ確かめていくように、もみほぐしていく。


  意識が吹き跳びそうになるなかで、手探りで銃を探した。

  あった!だが、腕の力が抜けて、指に力が入らない。


  _「どうした? 何を考えている?」

  良かった。まだ気づいていないらしい。

  _「…今 少し、お前の仲間になろうかっ…はぁっ……と考えていた…ところだ…」

  _「…ほぅ…やっとその気になったか…
    ならば、今ここで宣言しろ。」

  彼の手が、止まった。今だ、
  一回、銃を離した。

  _「宣言させる前に、この縄を解け。
    この状態で、宣言など…できんだろう?」


  _「…そうだな。ならば、ほどいてやろう。」



  その言葉通り、彼は持っていた刀で、腕の縄を斬った。

  _「さぁ…宣言しろ」

  じりじりと後ずさりしながら、時間を稼ぐ。

  _「ああ。宣言しよう。
    私は…私は、高杉…お前の仲間となることを…」


  高杉も一緒になって迫ってくる。
  だが、そのおかげで、銃を握れた。

  _「誓わない。」

  そして、持っていた銃を、彼に突き付けた。

  
  _「…そうか…。ならば、力ずくでも連れていく。」

  そう言って、彼も銃を構えた。

  こちらが撃とうとしたとき、彼が先に撃った。 

  何かが、私の首に当たる。
  そして私は、意識を失った。
 
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