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GOD EATER STUDIUM

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第一部 少年たち
第四章
  再会

 
前書き
前回の続きです。やはり王道がいいなって思います。
第一接触禁忌種のスサノオに対して健闘するが……。ピンチを乗り越えることはできるのか。 

 
スサノオが男の子を喰らおうとしたその時、スサノオの目の前に神機が刺さる。スサノオは虚をつかれて男の子から後方に距離をとる。改めて状況を確認し、目の前に好物の神機が刺さっていることに把握し、それに近づくもその神機から放たれている禍々しいオーラに生存本能が反応し、さらに距離を置き、神機に対して威嚇をする。その禍々しきも神々しい神機にルイは覚えがあった。それは彼が愛用している神機であった。ルイはすぐさま周囲を確認する。ある少年の姿を確認する。その少年はあまりにもボロボロであちらこちらに包帯が巻いてある。
「どうして、なんでここにいるの」
衝動的にも叫んでしまう。そこにいる筈の少年はボロボロでこの戦場でいるべき姿ではない。攻撃を受けることもすることも難しい姿だ。しかし彼はここにいる。そしてルイからはどうしても勝てない。最悪死んでしまう彼の姿が頼もしくて、安堵してしまう。彼がいればこの戦場でも生き抜くことができる気さえもする。
「遅くなってごめん。ちょっとリッカさんや支部長に止められて」
彼は痛みを堪えながらゆっくりと神機に近づく。そして禍々しき神機を手にする。その瞬間、神機が放っていた禍々しさが消えていく。スサノオは攻撃を仕掛けることなく、彼の動向を観察している。彼は神機を引きぬき空に向ける。神機を引き抜いた時、辺りに心地よい風が吹く。その風は暖かく私たちを包み込んでいく。この暖かさはまさに普段の作楽サキだ。
「まさに救世主じゃの」
「おじいさん、救世主よりヒーローでお願いします」
サキは笑ってから神機を引き引きずりながらスサノオに切りかかる。スサノオは高く飛び上がり攻撃をかわす。そのまま先目掛けて落ちてくる。サキは装甲を展開して攻撃を受ける態勢に入る。
(駄目だ。今のサキの体力じゃあの攻撃を耐え抜けない。それに体がボロボロで行動が制限されている)
私は、サキの元へ飛び込む。神機の銃口を地面に向けて爆発系のバレットを放つ。爆発の勢いを利用してスサノオののしかかりを避ける。
「昨日の傷がまだ癒えてないんだから、真っ向から攻撃受けないの。私が注意を引くから、援護をお願い」
「いやー、足手まといで申し訳ない。わかったけど先行はおれがする」
サキはそう言ってスサノオに向かっていくが私も一緒に同じように行動していた。スサノオは自分に近づく二人のゴッドイーターに向かって神機を使い応戦する。私もサキもその攻撃をジャンプして避ける。そのままお互い言葉を交わすことなく捕食形態にしてスサノオの顔を喰らう。左右に分かれて着地する。私はスサノオの右側から神機、前足、後ろ足と剣技を浴びせる。同じようにサキも剣尾、口周辺に剣技を浴びせる。スサノオは二人を振り払うため体を回転させて剣尾で周囲の一周を薙ぎ払う。私は後方に避けると同時に銃モードにして顔面付近に弾丸を数発当てる。サキは装甲を展開してガードする。そのまま刀身で尻尾の付け根に切りかかる。スサノオはゴッドイーターから距離をとり光のたまを複数つくり各自を狙う。私とサキは互いに光の弾丸を避ける。
「それなりに攻撃しているはずなのになんでこいつ」
「サキ、身体は大丈夫なの? 動かすだけで辛いはずなのに」
「いやー、それがなぜかわからないけど、今は痛みを感じないんだ」
(スサノオの動きに二人とも今は辛うじてついていけるけど、このまま長引くと二人がかりでもきつい。最悪、応援が間に合うまで堪えられれば)
「そういえばさ。唐突で悪いんだけど、なんか作戦ない? このままだとじり貧でこっちがやばいから。おれ、戦闘経験少ないし、神機も基礎中の基礎しかつかえないから」
サキは銃モードに変形してバレットを放ち、スサノオをけん制する。スサノオは神機を目の前で組み、攻撃を守る。
「わたしだってあのアラガミの弱点ぐらいしかわからないよ」
(剣尾には全体的に攻撃は効くけども、すぐに攻撃に転じるから深追いすると致命傷になりかねない。かといって口周辺に貫通の攻撃を与えるにしても神機を使って守られたら効果は薄い。でも今の様に攻撃してもスサノオに大打撃を与えることは無理。勝つには弱点にこっちの最高出力の攻撃をくらわせるしか)
「弱点っておれにでもつける? このままけん制していてもオラクルが尽きるし」
「サキはスナイパーでしょ。なら、口周辺には神属性の貫通弾が有効みたい。後はあの剣尾かな」
わかった。と返事をすると剣モードに変えてスサノオに向かって走り出した途端、倒れる。
「サキ! 大丈夫」
サキに駆け寄る体を起こす。サキに触ると異常なまでに体温が上がっているのがわかった。
「すごい熱。よくこんな状態で」
「…ルイ、大丈夫。一人で立てる」
「ダメだよ。ここは私が引き付けるからサキは休んで」
私はサキを担いでスサノオの射程圏内から離れるように後方に移動する。その間も片手でスサノオの口周辺に貫通弾を撃ち込む。スサノオは動きを止めて守りに入る。
(よし、この距離なら)
スタングレネードを使いスサノオの視線を奪おうとするがスサノオは神機で目を隠し、目つぶしを回避する。
「嘘。スタングレネードが効かないなんて」
貫通弾を打とうと引き金を引くもオラクル切れで弾がでない。更にスサノオを捕食したことによって活性化していたオラクル細胞もバースト時間が切れて、通常通りに戻る。
「急に身体が重い。これじゃ退避することもままならない」
サキを抱えたまま膝をつく。スサノオは好機到来とみるや猛スピードで走る。サキを下ろし、重たい身体を起こし臨戦態勢に入る。
「まだ死ぬわけにはいかないの!」
雄叫びをあげてスサノオとの距離を詰める。
(この一撃にもてる力のすべてを込めて)
神機を真っ直ぐに構えて、地面を目一杯踏み込み勢いをつける。神機を槍のようにしてスサノオを貫く。スサノオは神機で応戦する。神機と神機の衝突が起きる。
「うぉおおおおおおおぉぉぉおっ」
更に神機に力を注ぐ。激しい衝突の末にスサノオの神機をはじきスサノオの口を貫く。スサノオの口は結合破壊され、よろめき後退する。
「はあ、はあ。……やっと。…破壊できた」
息を整える。立っているのもままならない。全身から力が抜ける。スサノオは口に神機をあてて悶えている。
(…まだ立っていないと、口を壊しただけで相手は討伐できてない)
腕に力を入れるがうまく力が入らない。視線を動かし辺りを確認する。サキはついに気を失ったようで全く動く気配がない。老夫婦と男の子は固唾をのんで見守っている。
(あっ、急に視界が霞んで……)
ルイは態勢を崩し倒れこむ。これは気のゆるみから来たものではなく、ルイの限界を表していた。つまり彼女はこのタイミングで気を失ってしまった。それをみた男の子が岩陰から飛び出し、彼女にかけよる。老夫婦も慌てておいかける。スサノオは勝ちを確信したように咆哮をあげる。


「………こちらリンドウ。問題児を発見」

ルイを喰らうために神機を振り上げる。男の子はなんとか助けようと走るもおじいさんに腕を掴まれる。スサノオの神機は振り下ろされた。おばあさんは男の子の抱え目線を逸らす。男の子は大声で泣き叫ぶ。男の子はおばあさんを振りほどきルイを見て唖然とする。ルイを食べようとしていた神機は切り落とされ、スサノオは威嚇をしている。そこには黒髪で上下ともに白い衣服を身にまとい。背中にはあのフェンリルのマークがある。男の左腕は金色に輝くガントレットをしている。神機を切り落とされたスサノオは傷口をかばいながら威嚇を続ける。
「あー、あー、うるせぇな。ちょっと待っていろ。もうすぐ点くから」
男は煙草を取り出して吸う。
「さてと。さっさとやりますか」
次の瞬間、男の腕が黄金色の神機へと変わり、目にもとまらぬ速さでスサノオを一刀両断する。スサノオの身体は左右に裂ける。男は一息つきコアの回収を行う。
「さてと、この問題児はどうすっかな」
男は神機を肩に担いでもうひと休憩する。
 
 

 
後書き
リンドウさんやっと登場させられました。次はサキの過去に少しだけ触れていきたいと思ってます。後は本当に戦闘の描写を分かり易くかつ緊張感のあるものにしたいです。こればっかりは頑張らないとって思います。 
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