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レーヴァティン

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第十四話 森を進みその十三

「赤ワインがぶ飲みするか」
「ワインか、いいな」
 智も話に入ってきた。
「赤ワインで焼いた肉をか」
「ああ、塩と胡椒を効かせたな」
「それいいな、シンプルにステーキでな」
 智がここで思う肉料理はこれだった。
「どんどん焼いてもらってな」
「それを赤ワインと一緒に食うか」
「それどうだよ」
「スペアリブとかどうだよ」
 久志が言うのはこれだった、豚肉の場合が一番多い骨付きの部分だ。
「じっくり焼いたか煮るか」
「ああ、それもいいな」
「あとこっちの世界羊も多いだろ」
 所謂マトンやラムがというのだ。
「脛肉とか胸の部分な」
「それも塩と胡椒で味付けしてだな」
「それもどうだよ」
「いいな、俺羊も好きなんだよ」
「俺もだよ」
「あの匂いがかっていいよな」
「食欲をそそるな」
 日本人は羊の肉特にマトンのその匂いに抵抗がある場合が多い、それでこの肉への馴染みが薄いのだ。
 しかしこの二人は違ってだ、その匂いについても好意的に話すのだった。
「じゃあマトンかラムか」
「そっちにするか」
「マトンならです」
 順一も話に入って来た。
「香草で味付けをした焼いたものが」
「自分も羊好きか」
「はい、大学に入ってからです」
 それからとだ、久志に笑顔で話した。
「食べる様になりました」
「そうか、三人共羊いけるんだな」
「そうですね、いいことですね」
「八条大学の食堂って羊料理多いしな」
「それで食べる様になりました」
 順一もというのだ。
「高校までは殆ど食べませんでした」
「ジンギスカン鍋位か?」
「いえ、ラムチョップです」
 こちらの料理だというのだ。
「それをたまに食べる位でした」
「そうだったんだな」
「嫌いではなかったですが」
「積極的には食わなかったんだな」
「はい」
 まさにという返事だった。
「そうでした」
「じゃあ三人で食うか」
「お仕事が終われば」
「そうしような、まあそれもな」
 肉料理にワインを楽しむその時はというのだ。
「ドラゴン退治してな」
「それからですね」
「領主さんのところに行ってな」
 そうしてというのだ。 
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