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レーヴァティン

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第十四話 森を進みその十二

「私的には紅茶が一番好きです」
「だからわざわざ持ってるのか」
「はい、葉を」
 紅茶の葉、これをというのだ。
「節約して飲んでいますが」
「好きなんだな」
「そうしています」
 実際にというのだ。
「そうしています」
「そうなんだな」
「あと甘いものも」
 順一はさらに話した、己の嗜好を。
「好きです」
「甘党か」
「お酒はワイン派です」
 飲むことは飲むというのだ。
「そちらです」
「ワインか」
「はい、そうです」
「だから甘いものもいけるんだな」
「ワインですと」
 この葡萄から造る酒ならとだ、順一は久志ににこにことして話した。
「甘いお菓子と一緒に飲んでも美味しいので」
「ケーキとかとか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「ワイン派なのです」
「こっちの世界じゃビールもよく飲むけれどな」  
 もっと言えばこの世界でもだ。
「自分はそっち派か」
「ビールはあまり飲みません」
「そうか、デルフォイの神殿じゃビールもよく飲んだな」
 久志は英雄と共にいたこの神殿のことも思い出して言った。
「まあそこそこの味だったな」
「神殿のビールですか」
「ああ、あそこで造ってたんだよ」
 ビール、それをというのだ。
「ワインもな」
「修道院ではビールを造っていますしね、この世界でも」
「それでデルフォイじゃよく飲んでいたぜ」
「そうでしたか」
「味はそこそこでな」
「普通ですか」
「量はよく飲んでたな、それで酒癖が悪い時は」
 ついつい飲み過ぎてそうなったときはというのだ。
「神官さん達に怒られていたぜ」
「暴れて、ですか」
「いや、飲め飲めって他の人に言うんだよ」
 絡み酒の一種だ、久志はそちらの酔い方をするのだ。
「それでよくだよ」
「後で怒られたのですか」
「いや、後でな」
「酔いが醒めてから」
「二日酔いになった頭に大声でな」
「それは厳しいですね」
 二日酔いの激しい頭痛の頭に大声は効く、神官側もこのことをわかっていてあえてやったのだ。
「しかしそれはです」
「自業自得だっていうんだな」
「飲み過ぎはよくありません」
 絡み酒は言うまでもなくだ。
「それも当然です」
「その時の相方にも言われたぜ」
「確か英雄さんですね」
「あいつにな、しかしそれもな」 
 今はだ、冒険で水の確保のことから考えている状況ではだ。
「仕事を終わってからだな」
「はい、お酒はドラゴンを倒してです」
「領主さんにそのことを言ってな」
「それからお祝いで飲みましょう」
「肉じゃんじゃん食ってな」
 久志はその飲む時のことを考えて述べた。 
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