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レーヴァティン

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第十四話 森を進みその四

「まずはな」
「こうして内臓食ってな」
「それから肉になりますね」
「そうだよ、ただ熊の内臓にはな」
 智は肝臓を食い続けつつ目を光らせた。
「まあ他の獣もだな」
「虫ですね」
「それがいるからな」
 こう順一に返した。
「こうしてじっくりと火を通して」
「そうしてですね」
「食わないとな」
「はい、それとですが」
「それと?」
「この熊ではないですがホッキョクグマは」
 この熊の話もするのだった。
「この島にはいない様ですが」
「あの熊がどうしたんだよ」
「肝は毒です」
 それだというのだ。
「ビタミンAが多過ぎて」
「ビタミンはいいだろ」
「いえ、あまりにも多いので」 
 ホッキョクグマの肝臓にあるそれはというのだ。
「薬も毒になりますね」
「ああ、場合によってはな」
「そのビタミンAが多過ぎるので」
 だからだというのだ。
「毒になるのです」
「だから食ったら駄目か」
「生は論外ですが火を通しても」
「それでもか」
「口にすると下手をすれば死にます」
「おい、凄いな」
「そうしたものです」
 ホッキョクグマの肝臓はというのだ。
「だからお気をつけを」
「この世界にその熊がいたらか」
「はい、非常に危険です」
 その肝臓を食べることはというのだ。
「肉にはほぼ確実に虫がいますし」
「何かあまり食いたくないな」
「肝臓以外は火を通せば」
 しっかりとだ、そうすればというのだ。
「食べられます」
「そうなんだな」
「あとは冷凍にするなり塩漬けにするなり」
「冷凍もあるか」
「はい、そのやり方も」
 寄生虫を殺すにはというのだ。
「あります」
「成程な」
「まあこの熊は大丈夫です」
 肝臓を食ってもというのだ。 
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