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レーヴァティン

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第十四話 森を進みその三

「どうでしょうか」
「運べないだろ」
 微妙な顔になってだ、久志は順一のその提案に答えた。
「干し肉とかにするんならともかくな」
「そちらは適度な距離で火に照らせば」
 炙るのではなくだ。
「そうして水分をなくせば」
「干し肉に出来るな」
「若しくは木の煙でいぶせば」
「ああ、燻製に出来るな」
「それが出来ます、数時間かかりますが」
 それだけの時間は必要だがというのだ。
「燻製も作ることが出きます」
「そっちは持っていけるけれどな」
 微妙な顔のままでだ、久志は順一にさらに話した。
「毛皮まではな」
「無理ですか」
「ちょっとな」
 こう言うのだった。
「やっぱりな」
「言われてみますと」
「荷物は軽い方がいいだろ」
「はい、ドラゴンが相手です」
 順一はこのことは慎重な面持ちで述べた。
「ですから身軽に動けるのなら」
「身軽な方がいいな」
「やはり」
「だったら余計にだよ」
「毛皮まではですか」
「戦う時に荷物下ろしてもいつも出来る訳じゃないからな」
 だからだというのだ。
「毛皮はな」
「止めておいて」
「肉だけ持って行こうな」
「まあそれがいいな」
 智もこう言った。
「熊の毛皮ってでかいからな」
「だろ?だからな」
「肉は取ってな」
「それで食おうぜ、干し肉なり燻製なりも作ってな」
「それじゃあな」
 こうした話をしてだ、三人で森の中に入ってその熊かなり巨大なそれのところに行って現場で解体してだった。まずは内臓を食うことにした。
 そしてだ、智は火で炙った熊の心臓や肝臓を食べつつ言った。
「やっぱり内臓はな」
「最初に食わないとな」
「栄養があるしな」
 焼いた肝臓、木に刺したそれを食いつつ久志に応えた。
「内臓は」
「ああ、しかも腐りやすいからな」
「こうしてな」
 肝臓独特の苦みを楽しみつつ言う。
「最初に食うんだよ」
「俺もそれは知ってるぜ」
「私もです」
 腎臓を食う久志と胃を食う順一も言う、当然胃液を出してから焼いている。
「獣はまず内臓から食べる」
「それからだよな」
「そうだよ、肉は後でいいんだ」
 身体のそれはというのだ。 
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