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提督はBarにいる。

作者:ごません
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秋を先取り!鮭レシピ特集・その3

「あぁ……サーモンからいい香りがします」

「桜をベースに何種類かチップを混ぜてスモークしたからな。自信作だ」

 夢中で冷製パスタを食べている神威とそんな会話を交わす。

「このスモークサーモン、提督のお手製なんですか?」

「材料さえ揃ってればそんなに手間の掛かるモンでもねぇしな。ほら、そんな事よりもっと鮭の消費に協力してくれよ」

「では、白いご飯に合うおかずをお願いできますか?」

「OK、任せときな」

 簡単で美味しい『鮭の揚げだし』にするか。


《簡単、美味しい、和食上手!鮭の揚げだし》※分量2人前

・鮭の切り身:2切れ

・塩:少々

・片栗粉:適量

・大根:5~10cm位

・万能ねぎ:2本くらい

・だし汁:100cc

・酒:25cc

・みりん:大さじ1

・醤油:大さじ1.5

・砂糖:大さじ1




 さて、作っていくぞ。鮭は大きい骨を取り除いて厚さ1.5cm位、大きさ3~4cm位の塊になるように削ぎ切りにして、塩を振って馴染ませておく。塩が馴染んだら片栗粉を両面に振り、余分な粉ははたいて落としておく。

 大根はすりおろし、万能ねぎは小口切りにする。鮭を揚げたら仕上げまでは早いから、この辺りで大根おろしも準備しておこう。

 フライパンに油を張り、鮭を揚げていくぞ。170℃位の温度でカラッと揚げる。揚がったらしっかりと油を切っておく。

 鍋にだし汁、醤油、みりん、酒、砂糖を入れて温めていく。沸騰してきたら揚げた鮭を入れ、すかさず大根おろしを加えて1分程煮る。あんまり煮込むと鮭の衣が溶けちまうからな、短時間でいいぞ。

 皿に盛り付けて、ねぎを散らせば完成だ。




「『鮭の揚げだし』と、白飯のお代わりな」

「美味しそう……いただきます」

 程よく汁を吸った衣をかじれば、ジュワッと口に広がる出汁と醤油の旨味と味醂や砂糖の甘味。それらが絶妙なバランスで混じり合い、鮭そのものの味を引き立てる。そしてその味はたまらなくご飯が欲しくなる代物だ。

「美味しいですぅ……♪」

 幸せそうに白飯を頬張る神威。なんともまぁ落ち着く光景だねぇ、こりゃ。





「わ~、凄く美味しそう!」

 神威の食べている揚げ出しを、横から覗き込んでいる娘が一人。

「そんなに美味そうならお前も注文したらどうだ?子日」

「でも、子日あんまりお魚が得意じゃなくて……」

 そう言って俯いてしまったのは初春型の子日だった。どうやら出撃からの帰りで昂っていて、寝付けないから寝酒を煽りに来たらしい。

「子日が魚嫌いとは初耳だ、姉ちゃんの初春とか大好物だろう?」

 初春は何というかこう……好みがジジ臭い所がある。他の連中が好むような物を好きがらず、どちらかと言えばジジババ好みな物を好む。食べ物の好みも同様で、洋食よりも和食、それも煮魚やお浸し等の落ち着いた味の物をよく食べている。それに自炊する事が多いと聞く初春型の面々なら、長姉の好みに合わせて魚料理が多くなるだろう。

「だからだよぅ……子日、お魚ばっかりで飽きちゃったの。たまにはハンバーグとかステーキとか、お肉食べたいの」

「なら頼めばいいだろ、別に毎日初春の好みに合わせてやる必要もねぇだろうし」

「でもそれを言っちゃうと、お姉ちゃんの事だから気を遣ってお魚料理を作らなくなる気がして……」

 成る程、初春も我が強そうに見えて周りに気を遣うタイプだからなぁ。子日も姉に似て気を遣うからお互いに気を遣い過ぎて面倒な事になってると。なら解決法は簡単だな。

「要するにアレだ、子日も食べたくなりそうな魚料理があればいいわけだろ?」

「う、うん。そうだけど……」

「なら、丁度鮭もある事だし久し振りに『鮭ハンバーグ』でも作るかな」

「えっ!?鮭でハンバーグが作れるの!」

「楽勝楽勝、お茶の子サイサイってね」


《Wソースで頂く鮭ハンバーグ!》※分量4人前

・鮭の切り身:4切れ

・玉ねぎ:1/2個

・卵:1/2個

・パン粉:1/3カップ

・牛乳:大さじ2

・塩:適量

・黒胡椒:適量

(照り焼きソース)

・醤油:大さじ4

・酒:大さじ4

・味醂:大さじ4

(マヨソース)

・マヨネーズ:大さじ2

・レモン汁:小さじ2




 さて、作っていくぞ。鮭は皮と骨を取り除いて、フードプロセッサーでミンチにしていく。フードプロセッサーがない場合は、包丁で叩いてミンチにしてくれ。玉ねぎはみじん切り、パン粉は牛乳に浸してふやかしておく。卵は溶き卵にしておくと半分にしやすいぞ。

 鮭のミンチ、玉ねぎ、パン粉、溶き卵、塩、胡椒を混ぜて練っていく。挽き肉で作るハンバーグ同様、粘り気が出るまでよく練って、纏まって来たら4つに分けて、成形して空気抜きをしておく。

 ハンバーグのタネが出来たらソースの準備もしておくぞ。照り焼きソース、マヨソースの材料それぞれを混ぜ合わせておく。

 さぁて、焼いていくぞ。フライパンにサラダ油大さじ1を引いて熱し、成形したハンバーグのタネを並べて中火で焼いていく。挽き肉のハンバーグより若干焦げやすいからな、強火でなく中火でじっくりと焼くといい。表面に焼き色が付いたら、蓋をして蒸し焼きにするのもいいだろう。

 ハンバーグが焼き上がったら、余分な油をキッチンペーパー等で拭き取り、照り焼きソースをフライパンに入れて強火にする。ソースを煮詰めながらハンバーグに煮絡めつつ、ハンバーグにかける分位残るまで煮詰めていく。

 出来上がったら皿に盛り付け、フライパンに残った照り焼きソースを均等にかける。仕上げにマヨソースもかけたら完成だ。




「ホラよ、『Wソースの鮭ハンバーグ』だ」

「やっほい!ハンバーグだぁ♪」

 子日はウキウキとした様子で箸を取ると、大きな口を開けてかぶりついた。

「不っ思議~!ハンバーグなのに魚の味もするよ!?」

「そりゃ挽き肉不使用、鮭100%なんだから魚の味に決まってるだろ?」

「ですが、食感や見た目はハンバーグなので、頭が混乱してきそうです」

 クスクスと笑う神威も、美味しそうに頬張っている。しかし……鮭のミンチ、中途半端に余っちまったな。さてどうしたもんか。あ、コロッケにすっか。


《揚げずに作る鮭じゃがコロッケ!》※分量2人前

・鮭の切り身:2切れ

・ジャガイモ:大きめの1個

・塩コショウ:少々

・塩:少々

・水:適量

・マヨネーズ:大さじ2

・薄力粉:大さじ2

・パン粉:適量

・サラダ油:大さじ6強



 さて、作っていくぞ。通常のレシピだと鮭は切り身を使うんだが、今回は余った鮭ミンチで代用だ。ジャガイモは皮を剥き、細かく刻む。鮭も切り身を使う場合には細かく切って塩コショウで下味を付けておく。

 耐熱ボウルに鮭とジャガイモを入れ、ふんわりとラップをして500wの電子レンジで3分加熱。一旦ザルに上げ、水気を切ったら再びボウルに戻して塩を振り、ラップをして500wで5~6分加熱。

 ジャガイモが柔らかくなったのを確認したら、フォークやマッシャー等で鮭の身をほぐしつつジャガイモを潰していく。今回は鮭が既にミンチだから楽でいいな。潰しながら全体が混ざればOKだ。

 イモが潰れて混ざったら、マヨネーズを加えて更に混ぜる。マヨネーズが全体に馴染んだら、今度は薄力粉を加えて混ぜる。

 よく混ざったら幾つかの塊に分けて成形し、パン粉を付ける。フライパンにサラダ油を入れて、菜箸を付けて細かい泡が立つようになるまで加熱。油が温まったのを見計らって、パン粉を付けたタネを並べて揚げ焼きにしていく。

 焼き色が付いたらひっくり返し、両面がこんがりするまで焼いていく。衣の中身は加熱済みだから、衣さえ揚がってしまえばOKだぞ。

 バットで油切りをしたら盛り付け。お好みでソースやケチャップをかけて召し上がれ。



「うん、美味い美味い」

「あっ、提督だけ美味しそうなのたべてる!ズルい~!」

 ハンバーグを食べきったのか、俺がコロッケを食べているのを目敏く見つけた子日が騒ぎ出す。

「バカ言え、これは俺の賄いだ」

「提督、私にも下さい」

 真剣な眼差しの神威がこちらに視線を送ってくる。ってかまだ食うのか。神威って意外と大食いなのか?結構スリムなのに。ギャアギャア喚く子日の口にコロッケを押し込んでやりながら、ふとそんな事を考えた。ガンちゃんにゃ悪いが、騒がしい方がやっぱりウチらしいぜ。 
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