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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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363部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十四


第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十四

 それを見てだ。劉備と関羽はこっそりと話した。
「見ないようにとの配慮ね」
「その前にの人形は本当に動くのか?」
 関羽はそもそもその時点から疑問であった。
「まさかとは思うが」
「だって程昱さんが言ってるから」
「いや、あれは」
 関羽にはもうわかっていた。
「おそらくは」
「おそらく?」
「それは」
 だが言う前にだ。曹操が言ってきたのだった。
「劉備殿と関羽も一緒なのね」
「はい、そうです」
「貴殿が呼んでくれて招きに応じたが」
「わかったわ。それじゃあ五人でね」
「はい、お願いします」
「お風呂を馳走になる」
 こうしてであった。五人で湯舟の中に入る。そこでだった。
 曹操はだ。郭嘉と程昱に問うた。だが当の郭嘉は。
「ああ、曹操様」
「どうしたの?郭嘉さん」
「いえ、曹操様があまりにも御奇麗なので」
 湯舟の中の曹操の見事な裸身を見ながら恍惚となっているのだ。
「素晴しいです、本当に」
「それでなの」
「はい、そうです」
 また話す郭嘉だった。
「まさかこうしてお傍で見られるなんて」
「そうですよね。曹操さんって奇麗な人ですよね」
「あら、お世辞かしら」
 曹操も劉備の賞賛にはこう返す。ただし彼女は冗談が入っている。
「それは」
「いえ、本当に」
 劉備は嘘を言わない。こう返すのも真剣だった。
「曹操さんの御身体も」
「手入れは欠かしていないけれどね」
「そうなんですか」
「最近都ではかなりの美人が出て来たそうだし」
「ああ、あの人ですね」
 程昱が曹操のその言葉にすぐに反応を見せた。
「聞いた話によると絶世の美女だとか」
「司馬慰仲達。一度会ってみたいわ」
 こう言う曹操だった。
「是非ね、色々と話したいこともあるし」
「そうなんですか」
「ええ。まあその話は置いておいて」
 曹操は劉備の言葉に応えて顔に出ていた剣呑なものをすぐに消した。
「それで二人は私に何の用で来たのかしら」
「は、はい。それはですね」
「お仕えしたく参上しました」
 二人はすぐに曹操の問いに応えた。
「それで、あの」
「軍師としてお仕えしたいのです」
「そう。軍師に」
 曹操は程昱のその言葉に目を動かした。
「私に軍師として、なのね」
「そうです」
「なら聞くわ」
 曹操はその程昱にすぐに問うてみせた。
「今の世についてどう思っているのかしら」
「は、はいそれですが」
「落ち着いてね」
 劉備は緊張して顔を真っ赤にさせてしまっている郭嘉にそっと囁いた。
「落ち着いて言えばいいよ」
「落ち着いて、ですか」
「ええ、そうよ」
 優しい笑みも向けての言葉だった。
 
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