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レーヴァティン

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第八話 神殿にてその十

「本当にな」
「そうだな、ではだ」
「これからもだな」
「大事にしろ」
 英雄はほんの少しだけ笑みを浮かべて久志に告げた。
「いいな」
「そうするな」
「俺はあちらの世界で戦う」
「それで十二人集めてか」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「ばらばらの島をだ」
「そっちの島を統一するか」
「そうする、そして御前もだ」
「こっちの島を統一してか」
「魔神を倒せるだけの軍勢を備えろ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「わかったさ、それからだな」
「どちらの島も言語と貨幣、度量衡は同じだ」
「ああ、そうだな」
 久志はこの世界の現実の話にもだ、すぐに答えた。
「この島はそうだな」
「あちらは違うがだ」
「あの島はそうらしいな」
「しかしだ、あの島は島でだ」
「言葉も貨幣も度量衡もな」
「全部同じだと書いてあったな」
「となると楽だな」
 何が楽かもだ、久志は言った。
「政治がな」
「そうだ、統一もしやすくてだ」
「統一してからもな」
「まとまった政策を行いやすい」
「そうしたものが一つだとな」
「しかも二つの島の言語は同じだ」
 島同士でもというのだ。
「貨幣と度量衡は違うがな」
「文字も同じでな」
「だからだ」
 それでというのだ。
「二つの島同士でもだ」
「政治が楽そうだな」
「そうだな、このことも頭に入れておこう」
「それも政治だしな」
「それとだ、国といっても様々だ」
 英雄は島々の中の国々の話もした。
「いい国もあれば悪い国もある」
「ピンからキリまでって感じだな」
「王国もあれば領邦国家に都市国家にな」
「自由都市もあるな」
「どちらの島にもな、中には酷い国もあるな」
「民に重税を課して餓えさせな」
「領主だけ贅沢をしている国もある」
 そうした非道な国も存在しているというのだ。
「こうした国は攻めやすい」
「民心が離れているからか」
「そうだ」 
 その通りという返事だった。
「そうした国はな」
「乗っ取ることもだな」
「その場合も攻めるというならな」
「攻めやすいか」
「そうした国からはじめるといいかも知れない」
「統一はか」
「まずは出来ることからしている」
 最初はというのだ。 
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