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レーヴァティン

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第八話 神殿にてその九

「やっぱり倒さないと駄目だな」
「倒さないとこの二つの島もだ」
「どうなるかわからないよな」
「俺達はまだ会っていないが巨人達もいるな」
「急に出て来て暴れ回るってな」
「何でも巨人達とも関係があるらしい」 
 魔神はというのだ。
「それを考えるとだ」
「この世界を何とかする為にも魔神は倒さないとな」
「そしてその為にはだ」
「二つの島のそれぞれの統一か」
「それをする必要がある」
 島の力を一つにしてその軍勢で以て魔神の軍勢と戦ってそして勝つ為にである。
「だからだ」
「そんなこと言っていられないか」
「現実としてな」
「そうなんだな」
「この世界の現実ではな」
「やるしかないか」
「そして為せば成るだ」
 英雄はこの言葉も出した。
「いいな」
「そういうことか」
「俺もそうだ」
「ああ、御前も偉くなることはなかったか」
「屑を殴り飛ばしたことはあるがな」
 先程の輩である。
「しかしな」
「それでもか」
「なったことはない」
「やっぱりそうか」
「なるつもりもない」
 最初からという返事だった。
「そうだった」
「そうだった、か」
「わかるな」
「今は違うか」
「俺は威張った奴が嫌いでだ」
「魔神もか」
「どんな奴か知らないが俺達がいる世界を脅かすならだ」
 この世界にしてもだ、本来の世界と同じく。
「迎え撃つ」
「そうするからか」
「そして倒す為にだ」
「東の島を統一するか」
「そうする、刀と馬を持って行ってな」
 その天羽々斬をというのだ。
「東の島に行く」
「そうするか」
「驢馬は御前のものだ」
「ああ、パンシャな」
「あいつは御前が買ったからな」 
 だからだというのだ。
「御前のものだ」
「このまま連れて行っていいか」
「そうしろ、大事にしろよ」
「正直あいつがいてな」
 パンシャ、驢馬である彼がとだ。久志は英雄に語った。
「随分助かってるしな」
「荷物持ちとしてな」
「あんな頼りになる奴いないさ」
 それこそというのだ。
「あいつがいないとな」
「ここまでこれだけ楽には来られなかったな」
「ああ」
 実際にとだ、久志は英雄に答えた。 
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