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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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201部分:第十七話 孔明、推理をするのことその十


第十七話 孔明、推理をするのことその十

「それでいいと思います」
「そうか」
「蓮華様はとてもお優しくて真面目な方ですし」
 それが彼女の長所である。
「それに器の大きい方ですから。御心に余裕を持たれますと」
「さらにか」
「そうです。頑張って下さいね」
「うむ、それではな」
 こう話してであった。皆で笑顔でいた。孫尚香も何だかんだで笑っていた。
 陸遜は港から帰ってからすぐに周瑜のとことに来た。そうしてだった。
 一礼してからだ。報告するのだった。
「皆さん無事に船に乗られました」
「そうか」
「はい。北に向かわれました」
「わかった。それにしてもだ」
「孔明さんですか」
「そうだ、あの娘だ」
 周瑜の方からだった。孔明について話すのである。
「あの娘は。かなりな」
「知識や知恵だけでなく。それに」
「度胸もあるな」
「思春さんとあそこまで渡り合うなんて」
「そうはできるものではないな」
「しかも凄い向上心もありますし」
 見ていたのだ。孔明のことを。
「このままいかれたら」
「私や御前に並ぶ軍師になるか」
「そう思いますう」
「それ以上かもな」
 しかしであった。周瑜はここでこう言うのあった。
「あの娘は」
「それ以上ですか」
「然るべき主を見つけたならば」
 その時のことを話し。周瑜のその目が光った。
「その時はだ」
「そうですね。一代の、いえ」
「この国を救うだけの者になる」
 真剣な顔での言葉だった。
「間違いなくな」
「この国をですかあ」
「そうだ。それだけの英傑だ」
 周瑜は言った。
「あの娘はな」
 彼女は孔明をそう見ていた。その孔明はだ。
 今は船の上にいた。そこで仲間達と共に北に進みながらだ。河を見ながら言うのだった。
「事件は終わりましたけれど」
「どうしたのだ?」
「何か本を読んでいるみたいでしたね」
 こう張飛に話す。
「どういう訳か」
「本をなの」
「はい、誰かが筋書きを書いたみたいな」
 馬岱に対しても言うのだった。
「そんな感じだったような」
「筋書きなのだ?」
「そういえば曹操さんと袁紹さんが襲われたお話も」
 孔明はこのことも話した。
「筋書きが書かれていたような」
「そうした感じなのね」
「黄忠さんのことも」
 その黄忠を見ても言うのだった。
「気のせいですかね」
「考え過ぎじゃないの?」
 舞はこう述べた。
「幾ら何でもそこまでは」
「考え過ぎでしょうか」
「そうよ。怪しい事件が多いのは戦乱の時代だからでしょうし」
「こんな事件は何処でも起こっているしね」
 キングもこう言う。
「だからそれはね」
「そうでしょうか」
「考え過ぎるのもよくないですよ」
 ナコルルもそこまでは考えていなかった。
「ですから。今は」
「今は?」
「お茶でも飲みましょう」
 そうしてはというのだった。
 
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