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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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200部分:第十七話 孔明、推理をするのことその九


第十七話 孔明、推理をするのことその九

「私は別に大きくなくても」
「普通にあれば」
「巨乳じゃないと駄目なのよ」
 さらにムキになる孫尚香だった。
「それはね」
「何か話が無茶になってるな、向こうは」
 関羽はそんな話を聞きながら言うのだった。
「何を話しているのだ?全く」
「小蓮は相変わらずね」
 孫権はそんな妹を見て優しい苦笑いを浮かべていた。
「本当にね」
「昔からあんなのなの」
「そうなのか」
「困った娘よ」
 しかしその顔は優しい。
「母様も一番手が掛かるって仰ってたら。けれど」
「けれど?」
「素質は一番いいのよ」
 こう言うのだった。
「武も文もね。人を惹きつけるものもね」
「それもか」
「雪蓮様と蓮華様のいいところをバランスよく受け継いでおられてるんですよ」
 陸遜がここでこう話してきた。
「ですからとても」
「雪蓮姉様と小蓮がいて」
 孫権はさらに話す。
「それで皆がいてくれて。私は充分過ぎる程幸せよ」
「ではその幸せを守っていくのだな」
「ええ、それが私の夢よ」
 こう関羽にも話す。
「姉様が築かれたもの、そして小蓮が受け継ぐべきものをね」
「蓮華様ならできます」
 呂蒙がここで後ろから言ってきた。彼女もいたのだ。
「絶対に」
「有り難う、亞莎」
「孫家は御三方あってですから」
「私達三人が」
「はい、蓮華様も必ず」
 こうだというのだった。
「果たされます」
「そうさせてもらうわ。じゃあ関羽」
「うむ」
「また会いましょう」
 別れの挨拶は微笑んでいた。
「それじゃあまたね」
「再会の時を楽しみにしている」
 そしてだ。孔明と陸遜も最後の話をしていた。
「じゃあまた御会いしましょう」
「はい、楽しみにしてますう」
 別れの時も穏やかな陸遜だった。
「それでまた本を読みましょうね」
「はい、是非」
「あの曹操さんが書かれた本もありますよお」
「孟徳新書ですね」
「あと孫子の注釈も」
 それもだというのだった。
「あるますよお」
「うわあ、曹操さんの本がそんなに」
「袁紹さんのところの陳琳さんの本もありますよ」
「あの人のもですか」
「はい、ありますから」
 だからだというのだった。
「ですから是非」
「楽しみにしていますね」
 こんな話をしてであった。それぞれ笑顔で別れた。彼等を見送る孫権の表情は。
「何か奇麗ですよお」
「えっ!?」
「今までよりもずっと奇麗になってますよ」
 陸遜の言葉である。
「大きくなられましたね」
「大きくか」
「はい、なられましたね」
 主を温かい目で見ての言葉だった。
 
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