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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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173部分:第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその十


第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその十

「今ここにあるのか」
「はい、ここに」
 こう言って何枚かの絵を出してきた。その中にある一枚の絵を見てだ。孫尚香が言ってきた。
「えっ、これって」
「どうしたのだ?」
「あの店の親父じゃないかしら」
 こう張飛に言葉を返す。自分の手で絵を持って見せながらだ。
「これって」
「んっ、そういえば」
「その通りだな」
「はい、間違いありません」
 孔明もそれを見て言う。
「それならここはまずは」
「まずは?」
「おじさんのところに戻りましょう」
 こう一同に言うのだった。
「あそこに古い建物がありました。娘さんは多分あそこにいます」
「よし、馬だな」
 馬超がここですぐに決断を下した。
「あそこなら馬だったらすぐだ」
「そうだな、よし今はだ」
「すぐに行くぞ」
 関羽と趙雲が席を立ってだ。すぐに外に向かう。
 その時にだ。孔明が黄忠に話す。
「黄忠さんはここで待っていて下さい」
「ここで」
「はい、街にも私達の仲間達がいますので」
「馬岱やキング達が他の賊をやっつけているのだ」
 彼等がそうしているというのである。
「だから安心するのだ」
「はい、それでは」
「行くぜ、皆」
 馬超がこう言ってだ。全員で部屋を出る。そうして馬で親父の場所に戻った。そうして親父にそのことを話すのだった。
「あの中にかよ」
「そうだ、それでだ」
「ああ、それで?」
「貴殿に協力してもらいたい」
 関羽がこう話す。
「少しだ。いいか」
「俺がか」
「シャオが一肌脱ぐわよ」
 孫尚香が言ってきた。そうしてであった。
 まずは一同隠れた。そして孫尚香が店の前で親父と向かい合うのだった。
 建物の中には三人いた。古ぼけ今にも崩れ落ちてしまいそうな部屋の中で紫の短い髪に同じ色の服を着た幼女を囲んでいた。幼女は俯いている。
「おい、何かよ」
「何だ?」
「店の方が騒がしいぜ」
 それぞれこう言うのだった。そして隙間から店を見るとだ。
「だから御前だろうがよ」
「何よ、疑うっていうの!?」
「ああ、そうだよ」
 親父が孫尚香に対して言っていた。
「御前この前だってな」
「この前はこの前よ」
「それで今もだろうがよ」
「今は違うわよ」
 こんなやり取りをしていた。そうしてだ。
 親父はだ。孫尚香に対してこう言ってみせた。
「それならだ」
「それなら?」
「見せてもらおうか」
 孫尚香を見据えての言葉だった。
「今からな」
「証拠をってこと?」
「そうさ、証拠をな」
 まさにそれだというのであった。
「見せてもらおうか」
「ええ、わかったわよ」
 演技で売り言葉に買い言葉をやっていた。そうしてだ。
 まずは上着を威勢よく脱いでみせたのだった。そこから白地に横に薄い赤のラインが入ったストライブのブラが出て来た。やはり胸は小さい。
「これでどう?」
「お、おい」
「ああ。脱いでるぜ」
「これはいいな」
 三人はそのやり取りを見ながら神経を娘から離していた。
 
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