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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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164部分:第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその一


第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその一

              第十五話  黄忠、思わぬ仕事をするのこと
「アチャ、アチャチャチャチャ!」
「ピギャーーーーーーーーッ!」
 長安の郊外で奇声が響いていた。
「飛燕斬!」
「あーーーーーーーざーーーーーーーみーーーーーーーーーっ!!」
 不知火幻庵が吹き飛ばされる。キムが鳳凰脚を叩き込んだのだ。
 彼はそのまま地面に叩き付けられる。完全に白目を剥いている。
「砂時計一個分の遅刻だ!」
「ち、遅刻でここまでするケ・・・・・・」
「無論!一分たりとも遅れてはならないのだ!」
 こう力説するキムだった。
「だからこそだ。わかったな!」
「お、鬼だケ・・・・・・」
 かくして強制労働に従事させられる幻庵だった。彼の他にはアースクエイクや山崎達もいる。当然チャンとチョイも健在であり労働に従事している。
 その中でだ。アースクエイクが幻庵に言ってきた。
「なあ」
「何だケ?」
「俺達ここから出られるのか?」
「ああ、それな」
「諦めた方が精神衛生上いいでやんすよ」
 チャンとチョイが穴を掘りながら二人に言ってきた。幻庵達も同じことをしている。どうやら今は灌漑にあたっているらしい。キムとジョンが怖い顔で監督している。
「俺なんかもうどれだけいるんだか」
「十何年はいるでやんすよ」
「おい、何だよそれ」
 山崎がそれを聞いて思わず声をあげた。
「刑務所でもそこまで長いのは滅多にねえぞ」
「刑務所の方がずっといいからな」
「刑務所にはあの旦那達はいないでやんすよ」
 二人は衝撃の事実を語った。
「それ考えたらここはな」
「刑務所よりも酷いでやんす」
「えっ、じゃあ俺達は」
「ずっとここかよ!」
「何てこった!」
 何処かで見た三人組はチョイの今の言葉に驚いた顔になる。
「あの旦那達とずっとかよ」
「幾ら元山賊でもそりゃないだろ」
「何であんな旦那達になっちまったんだよ」
「ああ、それな」
「知ろうと思ったことはないでやんす」
 チャンとチョイがこう述べた。
「元からああだったんじゃねえのか?」
「多分でやんすが」
「あんな無闇に正義感が強くてかよ」
「しかも諦めることを知らねえ性格にかよ」
「ああ、なったんだよ」
「悲しいことでやんす」
 こう言ってであった。しかもそこにだ。
「こら、そこ!」
「さぼるのは許しませんよ!」
 キムだけでなくジョンまでいた。
「今は労働奉仕の時間だ!」
「頑張っていきましょう!」
「頑張らないとあれだよな」
「今さっきのわしだケ」
 アースクエイクと幻庵が述べる。
「だよな、容赦なく超必殺技を浴びせられてな」
「身体で覚えさせられるケ」
「鬼だな」
 山崎は今は一輪車を持っていた。
「二十四時間超必殺技かよ」
「ああ、悲しいことにな」
「何かがおかしいでやんすよ」
 こんなことを言いながら泣きながら強制労働に従事する彼等だった。その彼等を見る者もいた。そして彼女はこう張遼に対して言うのだった。
「やり過ぎじゃないかしら」
「そう思うか?」
「ええ、幾ら何でも」
 薄紫の長い髪を後ろで団子にしてまとめている。顔は董卓に非常によく似ているがさらに一歳か二歳幼く見える。黒い上着と丈の短いスカートである。生足が白い。そこに白いブーツを履いている。マントは黒であり紫の冠を被っている。その彼女が張遼に対して言っていた。
 
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