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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第13話 レーティングゲーム開始!!決めろ一発逆転!!前編

side:小猫


 リアス部長達と別れた後私は体育館の近くに来ています。しかし凄い再現度ですね、いつも使っている体育館その物です。もし事前に作られた物だと説明をされてなかったら全く分からない程です。  
 まあ鑑賞に浸るのはここまでにしておきましょう。私は目を閉じて仙術を使う。


「…気配が四つ…兵士でしょうか?」


 体育館の中から四つの気配を感じました。どうやら敵は既に中で待ち構えているようなので私も体育館の裏口から中に入り壇上に向かうと体育館のコートには四人の女性が立っていました。


「待っていたわよ、グレモリー眷属!」


 チャイナドレスの女の子に双子、そして棍を持った女の子…ここに来る前に相手の顔写真でどの駒を持っているのか聞いていたので相手がどの駒か判断する。


(戦車が一人と兵士が三人…ですか)


 四対一はかなり厳しいですが自分で戦ると言ったので必ず勝ちます。


「あら、貴方ライザー様に求愛された子じゃない?一人で来るなんてとんでもないおバカさんなのね」
「あんな下品な男性に好かれても嬉しくありません、貴方たちは男の趣味が悪いんですね」
「何ですって!」

 
 私はワザと相手を挑発した。棍を持った女の子が怒りを露わにして持っていた棍を体育館の床に叩き付ける、他の三人も怒っているみたいですね。これで相手は冷静な判断が出来なくなったはずです。


「もういいわ、少しは手加減してあげようかと思ったけど…イル!ネル!貴方たちのチェーンソーでバラバラにしてあげなさい!」
「は~い」
「解体しまーす♪」


 双子の女の子たちが小型のチェーンソーをうならせながら此方に向かってくる。女の子が使う武器とは思えないんですが……まあいいです。チェーンソーなんてイッセー先輩のパンチに比べたら怖くもありません。
 

「そーれ!」


 火花を散らしながら振り上げられたチェーンソーを右にステップしてかわす、けど背後にはもう片方の女の子が回り込んでいた。


「きゃはは!後ろががら空きだよ!」


 そのまま私を真っ二つにしようとチェーンソーを横なぎに振るってくるが私はバク宙をしてかわす。


「戦車の癖に何て機敏な動きなの!?」


 ライザー眷属の女の子たちが驚いてるがその隙を見逃しません。棒立ちしている女の子のお腹に抉りこむ様に拳を叩きつけます。


「ゲボォッ!?」
「ネル!?」


 そのままもう一人の方目掛けて殴り飛ばしました。双子は体育館の壁に叩き付けられてぐったりと倒れて行きました。もうこれは動けませんね。


「イルとネルがいとも簡単に敗れるなんて……」
「雪蘭、このままではライザー様に合わす顔が無いわ。二人係で一気に仕留めるわよ!」
「分かったわ、ミラ!」


 さっきまで余裕そうな笑みを浮かべていた棍を持った女の子は私がここまでやるとは思わなかったのか驚愕した表情を浮かべる、そして隣にいたチャイナドレスを着た女の子と同時に向かってきた。


「はぁぁッ!!」


 二人の攻撃は激しく左右上下から棍や打撃を放ってくるが私は一つ一つの攻撃を冷静に見極めてかわしたりガードしていく。


「どうして当たらないの!?」
「ぐっ、ガードが崩せない!」


 攻撃が当たらない事にイラついてきたのか二人の攻撃が雑になってきました。私は一瞬の隙をついて二人のお腹に掌底を放ちます。


「ぐっ!?」
「がはっ!」


 二人は後退りしてお腹を押さえます、これで私の勝ちですね。


「こんな攻撃じゃ私たちは…がはっ!?」
「ミラ!?……か、体が……動かない!?」


 二人はまるで硬直したかのように動かなくなりました。


「貴方たちに流れる気の流れを乱しました。もう満足に動くこともできないはずです」


 二人は尚も動こうとしますが足がもつれて倒れてしまいます。


『小猫、聞こえる?私よ』


 耳に付けていた通信機器から部長の声が聞こえてきました。


「はい、聞こえます」
『そっちの状況は?』
「ライザー眷属を四人無力化しました」
『本当に!凄いわ、小猫!』


 部長に褒めてもらえました、嬉しいです。


『小猫、朱乃の準備が出来たようなの、今すぐそこから離れて頂戴』
「了解しました」


 私は言われた通り体育館から外に出ます、すると次の瞬間一瞬の閃光が走り、そして……


 ドォォォォォオオオオオオンッ!!


 轟音と共に巨大な雷が落ちて体育館を消滅させました。


『ライザー・フェニックス様の「兵士」三名、「戦車」一名、戦闘不能!』
「撃破……ですわ」


 声がしたので振り返るとそこには黒い羽根を広げた朱乃先輩が手に電気を走らせながら浮かんでいた。


「うふふ、小猫ちゃん、お疲れ様」
「朱乃先輩もお疲れ様です。流石は雷の巫女ですね。今まで見たどの雷よりも凄い雷でした」
「前までは溜めなければ放てなかったけど今は溜めなくてもあれくらいならできますわ。ルフェイちゃんに感謝しないといけませんわね」


 朱乃先輩は前の修行で魔力のコントロールが上達したと聞いていましたがあれ程の威力を持った雷を一瞬で放てるようになっていたなんて凄いです。


『朱乃、小猫、聞こえる?二人の活躍で最初の目的は果たせたわ。私と祐斗は他のライザー眷属を倒しに行くわ。貴方たちも二人で行動しながら私たちと合流して頂戴』


「うふふ、二人も頑張っているようね、私たちも行きましょう、小猫ちゃん」
「はい、目指すはライザーです!」


 私は気合を入れなおして先に進もうとしたその時だった。


 ドォォォオオオンッ!!


 激しい爆発音が鳴り響き私の視界が赤く染まった。




side:朱乃


「小猫ちゃん!?」


 一瞬の出来事でしたわ、小猫ちゃんがいる方から大きな爆発音がなったと思えばそこには小猫ちゃんの姿はありませんでした。


「ふふっ、あっけないわね」


 私は上を見上げるとそこにはフードを被った魔導士のような恰好をした女性、ライザーの女王であるユーベルーナが浮遊していた。


「貴方が小猫ちゃんを……」
「ふふ、獲物を狩るときは油断しているときが絶好のチャンス……貴方たちがやり遂げたなんて表情を浮かべていたのは本当に傑作だったわ、これから私に狩られるともしらないでね」
「じゃあ体育館を狙っていたのも……」
「当然読んでいたわ。貴方たちが此方の駒を何人倒そうと一人潰せればそれでいいの。四人しかいない眷属なんて一人欠いただけで致命傷だもの。
 それにしても小猫と言ったかしら?随分とあっさりやられちゃったわね、あの子。ライザー様もあんなちんちくりんのどこがいいのかしら……私がいくらでもお相手いたしますのに……」
「よくも小猫ちゃんを……」


 私が付いていながら小猫ちゃんを失ってしまうなんて……私は雷の魔力を両手に纏いながらユーベルーナを睨みつける。だがここで疑問が生まれた。


(どうして小猫ちゃんがやられたのにアナウンスがならないのかしら……?)


 レーティングゲームでは戦闘不能になるとアナウンスが流れるようになっています。先ほど私の雷で撃破したライザー眷属はちゃんとアナウンスで戦闘不能と言われたのにどうして小猫ちゃんは……もしかして……


「ちんちくりんで悪かったですね」
「なッ!?」


 ユーベルーナが驚きの声を上げる、何故なら倒したと思っていた小猫ちゃんがユーベルーナの背中に張り付いていたからです。


「バカなッ!お前は私の爆発で倒したはず!?」
「獲物が油断した時が一番のチャンス……同感ですね。貴方がベラベラと話してくれているおかげで楽に接近する事ができました。後貴方に一つ言ってあげます。獲物を狩ったならキチンとトドメを刺したか確認することです」
「こ、この!放しなさい!」
「無駄です、私が触れた瞬間勝負はついています」
「!?ッ、体が!」


 ユーベルーナの様子がおかしいですわ、小猫ちゃんを振り落とそうと暴れていたのに急に動かなくなりました。もしかして小猫ちゃんが仙術で体に流れる気を乱したのかしら。ユーベルーナはそのまま真っ逆さまに落ちていきます。


「もう勝負はついてますがさっきのちんちくりんという発言は許せません、だから先輩に教わったこの技で貴方を倒します!」


 小猫ちゃんはそう言うと落ちていくユーベルーナの両足首を掴んで相手の腋に自分の両足をかけてそのまま落下していきます、そしてユーベルーナの頭を地面に叩き付けました。



「小猫ドライバーです!!」
「ガハァッ!!」


 うわぁ……えげつないですわ。ユーベルーナは白目をむかせたまま倒れて消えていきました。


『ライザー・フェニックス様の「女王」一名、戦闘不能!』


 それにしても小猫ちゃんはどうして無事だったのかしら?私は小猫ちゃんの傍に駆け寄る。


「ふう、上手くいって良かったです。先輩は漫画の技だって言ってましたけど中々いい感じの技ですね」
「小猫ちゃん!」
「あ、朱乃先輩。見てください、私、女王を倒しましたよ!これで勝利に一歩近づきましたね!」
「え、えぇ、凄いわ小猫ちゃん。でもどうやってあの攻撃を防いだの?」
「戦車の駒の特性である頑丈さを使って防御したんです。前までだったら無理でしたけど今は先輩の攻撃を受け続けてより頑丈になりましたからね、あれくらいならへっちゃらです」
「そ、そうなの……」


 ユーベルーナは『爆発女王』という二つ名を持つほどの女王……その爆発女王の爆発をまともに受けてへっちゃらだなんて……どれだけ頑丈になったのかしら?


「そして相手が私を倒したと油断している内に背後に回った……という訳です」
「そうだったの……私も全然気づけませんでしたわ」
「猫は音を立てず狩りをしますからね」
「……」


 小猫ちゃんは本当に変わりましたわ。前までは自分の持つ力に怯えていたのに今ではそれを戸惑うことなく使いこなしている……小猫ちゃんは力だけではなく心も強くなっていた。


「……小猫ちゃん」
「はい、なんですか?」
「小猫ちゃんは怖くないの?仙術が……自分の中にある力が……」
「……正直怖いです、姉さまと離れ離れになったこの力……私は姉さまのように上手く仙術は使えないし仙術は悪き気も取り込んでしまうからそれが原因で力に飲み込まれてしまった猫魈もいると聞きました」
「それならどうして……」
「私を受け入れてくれた人が言ってました。私がどんな存在でも構わない、私という塔城小猫に会えたことが嬉しいって……」
「……イッセー君の事?」
「はい、先輩は私を信じてくれている……だから怖かったこの力も使えます。そしていつかあの人の隣に立ちたい、一緒に歩んでいきたい……それが今の私の願いなんです」


 そう話す小猫ちゃんは本当に幸せそうに笑っていましたわ。


(イッセー君……)


 小猫ちゃんを変えた男の子。彼との接点はありませんでした、精々見かける程度。でもどういう男の子かは知っていました。よく食べる男の子で体格もよく顔の傷のせいであまりいい印象がないと皆は言っていました、でも私は笑顔をよく浮かべる素直な男の子と思っていました。
 でも彼は唯の人間じゃなかった、神器を持ち私たちを圧倒するほどの力を持っていた。こうしてライザー眷属と戦えるのも彼のお蔭だ。


(イッセー君だったら受け入れてくれるのかしら……穢れた血が流れる私を……)


 ぼんやりとそんな事を考えていると小猫ちゃんが心配そうな眼差しで私の顔を覗き込んでいた。


「朱乃先輩?急に黙り込んでどうしたんですか?もしかして具合が悪いんですか?」
「え、えっと、何でもないのよ。おほほ……」


 いけませんわね、今はこんな事を考えている場合じゃないのに……


「小猫ちゃん、私は大丈夫ですわ。それよりも早くリアス達と合流して戦いに復帰いたしましょう」
「そうですね、行きましょう」


 私と小猫ちゃんはリアス達と合流する為に先に向かった。



ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


side:祐斗


「はあッ!」
「きゃあッ!?」


 魔剣の一閃がライザー眷属の兵士一人を切り裂いた。切られた子は前のめりに倒れていく。


「滅びよ!」


 背後で部長が放った滅びの魔力が兵士二人に直撃して消滅させる。


『ライザー・フェニックス様の「兵士」三名、戦闘不能!』


 これで相手は八人が戦闘不能になった。そのなかでも女王を落とせたのは大きい。これで残るは王であるライザーを含めて八人だ。


「祐斗、やったわね」
「はい。部長もお見事でした」
「ふふ、ありがとう。本当は王が前線に出るのは良くないんだけどそうも言ってられないものね」
「でも部長がやられれば僕たちの負けです。そうならないためにも僕がしっかりと部長を守ります」
「お願いね、私の騎士」
「はい!」


 ここからが正念場だ、朱乃さん達と合流して少しでもライザーの眷属を倒していかないと。


「聞こえるか、グレモリー眷属よ!私の名はカーラマイン!ライザー様に使える騎士が一人!チマチマと隠れて戦うのはもううんざりだ!騎士として正々堂々と戦いを挑む!臆していなければ姿を現せ!」


 急に女性の声が聞こえ何事かと思って見てみると野球部が使うグラウンドの中心に甲冑を装備した女性が堂々と立っていた。何て豪胆な女性なんだろうか、あれでは狙い撃ちしてくれと言っているようなものだ。


「……罠かしら?」


 体育用具を入れる小屋の陰から見ていた部長がそう呟いた。普通ならそう考えるだろう、いくら何でも無謀すぎる行動だ。でも僕は同じ騎士として何となく感じた。あの女性は罠や何か企んでああしているのではない、本当に正々堂々と戦いたくてあんなことをしているんだと。


(……何を考えているんだ僕は……)


 咄嗟に出ていきそうになった足を止める。さっき部長を守るって言ったばかりなのに相手の挑発に乗ってしまいそうだった。このままのこのこ出て言ったら部長は無防備になる、そこを他の眷属達に襲われたらひとたまりもない。イッセー君も言っていたじゃないか、騎士道精神も大事だけど勝ちに行くためにはそれを捨てなくちゃいけない時もあるって。


「祐斗……行ってきてもいいわよ」
「部長!?」


 僕がそう考えていると何と部長自らが行くように指示を出したのだ。


「部長、それは危険です。もしあれが罠で他の眷属達に襲われたらどうするんですか。不意打ちをしたほうがまだ確実です」
「貴方が私の為に色々考えて動いてくれるのは嬉しい、それこそ自分の騎士道精神まで捨ててまで……貴方を騎士に持てて誇りに思うわ。でもそれじゃ貴方が納得できないんじゃない?」
「部長、ですが……」
「それに私も何の策も無しにこんなことは言わないわ。あの騎士を見て作戦を思いついたの」
「作戦……ですか?」


 僕は部長から作戦を聞いてそれを拒否した。


「駄目です!それは危険すぎます!」
「でも私たちは経験でも眷属の数でも負けている、勝つためには多少のリスクは払うものよ」
「ですが……」
「大丈夫、私は貴方を信じてるから」


 部長……全くここまで言われたら男として引き下がれないな。


「分かりました、部長は僕が守ります」
「信じてるわよ、さあ、行くわよ!」


 僕は部長と共に野球部のグラウンドに向かった。


「僕はグレモリー眷属の騎士、木場祐斗」
「その主にしてグレモリー眷属の王、リアス・グレモリー」


 相手の近くまで行き名を名乗る。


「まさか王自らも出向いてくるとわな。お前たちのような戦士と出会えた事を嬉しく思うぞ!戦場のど真ん中にのこのこ出てくる奴など正気の沙汰ではないからな」
「それは君も同じだろう?」
「無論だ!さあ同じ狂った者同士存分に死合おうではないか!」


 対立する騎士、カーラマインは剣を構える、僕も魔剣を生み出して同じく構える。


 ダッ!


 先に動いたのはカーラマインだった。踊るように振るわれた斬撃をかわして僕も剣を振るう。剣と剣がぶつかり合い激しく火花を散らす。


「中々やるな、ならばこれについてこられるか?」


 カーラマインは縦横無断に飛び回り切りかかってくる。流石は騎士の駒を持つだけあって速い。僕も速度を上げて剣を振るう。互いが消えてつばぜり合いをして現れるなど第三者からすれば瞬間移動してるかのようなスピーディーな攻防を繰り返す。
 攻防を一旦やめて距離をとる、ふと手に持っていた魔剣が軽くなったように思い見てみると刀身が半分溶けていた。


「残念だがお前の神器は私には通用しない」


 カーラマインが持っていた剣が炎に包まれていた。なるほど、あれがカーラマインの能力か。でももう勝ったつもりでいるのならそれは甘いよ。
 僕はカーラマイン目がけて走り出した。


「馬鹿め、武器を失って自暴自棄になったか!」


 カーラマインは炎の剣を構えて僕目がけて振り下ろした。でもその一撃は空を切っただけで終わった。


「消えただと!?」


 カーラマインは僕を探すがもう遅いよ!だって僕はもう既に君の背後に回っているんだからね。


「背後か!?」


 カーラマインは僕に気付き振り返ろうとするが僕はその前に剣を振るった。


「九頭龍閃!!」


 剣術の基本である9つの斬撃を同時に放ちカーラマインを切り裂いた。


「がはッ!?……な、なんて速さだ……」


 カーラマインは血反吐を吐きながら地面に倒れた。


「ふう、イッセー君が教えてくれた技が出来て良かったよ」


 魔剣に付いた血を振り払って落とす。


「ぐっ、負けたか……」


 カーラマインは倒れていながら首を上げて僕に話しかけてきた。戦闘不能にはなっていないがどの道もう戦えないだろう。


「あれだけ斬ってまだ動けるなら大したものだよ」
「一つだけ教えてくれないか?なぜお前は剣を持っているんだ?私の剣で壊したはずなのに……」
「ああ、簡単な事だよ。また創ったんだ、こうやってね」


 僕はカーラマインの目の前で魔剣を生み出した。


「どんな魔剣でも創り出すことが出来る、これが僕の神器『魔剣創造』だよ」
「なるほど、武器を持たずに走り出したのは私を油断させるためか……勝ちを急いで焦りすぎたか……」
「騙すような勝ち方をしちゃったけど僕は何があっても勝たなくちゃいけないんだ。王である部長を守るために……」
「主の為か……お前は真の騎士だよ。戦えた事を誇りに思う……」
「僕も君の正々堂々とした騎士道精神は嫌いじゃない、また戦えることを願っているよ」
「それは……光栄だ……」
『ライザー・フェニックス様の「騎士」一名、戦闘不能!』


 カーラマインはそのまま消えて行った。だがその時だった、死角からライザー眷属の兵士二名が現れて部長に襲い掛かった。


「カーラマインに気を取られて油断したわね!」
「これでライザー様の勝利よ!」


 二人の攻撃が部長に当たる……事は無かった。


「がはッ!」
「ぐあっ!?」


 地面から鋭い針が飛び出して兵士二人を貫いた。


「い、一体何が……」
「僕の魔剣だよ。形状を変化させる魔剣を部長に持たせていたんだ。部長は自分が狙われる事は知っていた、だから自身を囮にしたんだ。魔剣を針金みたいに伸ばして自分の周りの地面の下にもぐらせておく。そして襲われた時に串刺しにする……そういう作戦さ」


 僕は困惑する兵士の一人に近づきそうそう説明した。


「バカな、失敗すれば敗北していたんだぞ……なんて無謀な……」
「そこまでのリスクを払わなきゃこのゲームには勝てないわ。それに私は自分の眷属を信じてるの。だから囮になってでも戦える」


 最後は部長がそう言って動けない兵士二人を滅びの魔力で消し去った。


『ライザー・フェニックス様の「兵士」二名、戦闘不能!』


 僕は念の為辺りにまだ敵がいないか気配を探るがどうやらもういないようだ。


「祐斗、お疲れ様。流石は私の騎士ね」
「部長の作戦が上手くいって良かったです。でも即興で渡した魔剣をあそこまで使いこなせたのは驚きました。部長は魔剣を使った事があるんですか?」
「いいえ、一度も無いわ。でも貴方が創った魔剣なら必ず私を守ってくれると思っていただけよ」


 ……ははッ、本当に凄いお方だよ、我が主は。


「さあ行くわよ、祐斗。残りのライザー眷属、そして王であるライザーを打倒しにね」
「何処までもお供いたします」


 ゲームも終盤に差し掛かってきた、でも僕たちは必ず勝って見せる!!



 


 
 

 
後書き
 よっ、イッセーだ今回は俺が次回予告をするぜ。いやー、小猫ちゃんも祐斗も凄いな。漫画で見た事ある技を教えたら本当に再現しちまうんだもんな。リアスさんや朱乃さんも強くなってるしここまでは順調だな。でも油断はできないな、最後に残るのはライザー・フェニックスだからな。
 次回第14話『レーティングゲーム開始!!決めろ一発逆転!!後編』。次回も勝利目指していただきます! 
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