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レーヴァティン

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第四話 村で聞くことその十三

「しかも御前は好きじゃないが死ねと思う位嫌いじゃないんだよ」
「それは俺もだ」
「目の前で死ぬとかなしだぜ」
「その言葉は俺も返す」
「そうだよな、じゃあ神殿まではな」
「共に行こう」
 相性の悪い者同士でもというのだ。
「いいな」
「ああ、それじゃあな」
「一週間あれば途中町でも村でもあるしな」
「神殿にも辿り着けるかもな」
「気長に歩いていくだけだ」
「道は一直線だしな」
 地図によるとだ、久志も受け入れてきていた。
「歩いて行けばいいな」
「歩くのも大事だ」
「こうした世界ではか」
「そうなる、馬もあったがな」
「馬はな、高かったな」
 馬についてはだ、久志は苦い顔になって言った。
「鎧や盾よりもな」
「だから買えなかったな」
「ああ、金が貯まったら買うべきか」
「防具を買うのも大事だが」
「まずは馬か」
「その方がいいだろう」
 これが英雄の考えだった。
「防具も大事だが」
「疲れない分ってことか」
「歩いてな、しかしだ」
「しかし?」
「馬に乗れてもだ」
 英雄は久志にこうも言った。
「それだけでは駄目だ」
「何だよ、まだ何かあるのかよ」
「馬には鞍と鐙、手綱も必要だ」
 こういった馬具と呼ばれるものもというのだ。
「そういったものも買わないといけない」
「ああ、そういうのがないとな」
「乗れるものじゃない」
「そういったのないととてもだよな」
「乗られたものじゃない」
 馬はというのだ。
「ましてたそれに乗って戦うことなぞな」
「とても出来ないか」
「そうだ、その分の金も必要だ」
「馬だけじゃないか」
「結果としてな」
「そうなんだな、馬ってのは金がかかるんだな」
「そういうことだ、裸馬に乗れるとすれば相当なものだ」
 それこそとだ、英雄はそうしたことが出来る者についても話した。久志もその話を真剣に聞いて応えているのだ。
「遊牧民族でもないとな」
「ああ、モンゴルとかのか」
「八条学園にも遊牧民の留学生がいるが」
「そうした人でもないと無理か」
「生まれついて馬に乗っていないとな」
 そうした生活を送っていないと、というのだ。
「おそらくこの世界では能力が上がっている俺達も難しい」
「乗馬も技術ってことか」
「そういうことだ、馬具も買っておくぞ」
「馬を買う時はか」
「それも忘れるな」
「わかった、そっちもな」
「そしてだ」
 英雄は久志にさらに話した。 
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