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レーヴァティン

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第四話 村で聞くことその十四

「その馬をだ」
「防具より先に買うべきか」
「そうした方がいいだろう」
「そうなるか、何か金が必要になるな」
「この世界でもそうだな」
「ああ、まあ金が意味あるだけましか」
「金の価値がない社会はたまったものではない」
 そうした社会についてもだ、英雄は話した。それは最早どうにもならないという否定をはっきりと出したものだった。
「物々交換となるが」
「それじゃあ経済滅茶苦茶だよな」
「貨幣の信頼がないとだ」
「まともな経済でもないしな」
「だから金が意味があるだけ遥かにましだ」
「そういうことだな」
「貨幣経済があるだけましだ」
 ないより遥かにとだ、英雄はまた言った。
「実にな、ではだ」
「ああ、必要な時はか」
「モンスターだのならず者を倒して稼ぐことだ、そして俺の予想だが巨人はだ」
「急に出て来て暴れてるらしいな」
「その連中は倒せばだ」
「他のモンスターよりもだな」
「金になる筈だ」
 巨人、彼等を倒せばというのだ。
「強いことは間違いないしな」
「強いだけにか」
「身入りも大きい筈だ」
「じゃあ倒せるならか」
「巨人が出たら倒すべきだ」
「そうなるか、しかし何で巨人だけ急に出て来るんだろうな」
 神父達から聞いた話を思い出してだ、久志は首を傾げさせながら言った。
「そこがわからねえな」
「おそらく何かあるのだろう」
「そうしたことにもか」
「おそらくだがな」
「そうなんだな、まあとにかく飯も食ったし」 
 最後に道の端にあったオレンジの木から採ったその果実を食べた、英雄もそうしたが味覚だけでなくビタミンを求めてのことでもある。
「寝るか」
「そうだな」
「そして起きてな」
「また行くぞ」
「そうするか」
「よく寝ることだ」
 これからはとだ、英雄は久志にこうも話した。
「明日も生きたいならな」
「よく休んで英気を養ってか」
「戦いでも遅れを取らない様にしてだ」
 そうなる為にというのだ。
「朝まで寝るぞ」
「毛布も被ってか」
「寝る時には身体を冷やすな」
「それも大事ってことか」
「寝て身体を冷やせば同じだ」
 寝ないことと、というのだ。
「体力を消耗するからな」
「風邪もひくか」
「そうなれば同じだ、だから毛布も買った」
「色々と考えてるんだな」
「これでも子供の頃ボーイスカウトに入っていた」
「ああ、そこでの知識か」
「サバイバルの関係は何かと教えてもらった」
 ボーイスカウトを通じてというのだ。 
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