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ソードアート・オンライン handle a system

作者:ハマT
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OS編ep2記憶

 
前書き
ep1を書き終わった後に気づいたけどオーグマーって左目につけるんですね。それだとリュウヤプレイできませんね。左目失明してるし。まぁリュウヤの使っているオーグマーは右目につける特別製ですけどね

つぶやきの方でアンケートを行っていますのでよろしくお願いします 

 
リュウヤが記憶喪失になった次の日
キリトは前日にイベントバトルの行われた代々木公園に来ていた。ここにきた理由はイベントバトルの話をアスナから聞くこととリュウヤの事を話す為だ。
「・・結構早くついたな」
『折角だからオーディナルスケールの戦いを練習していきましょう』
ユイに言われやむを得ず剣をふるい体をならそうとするキリト。
「・・やっぱりなれないなフルダイブと反応速度が違うせいかな?」
とりあえず剣をふり続けるキリト。そんなとき後ろから近づいてきた少女とぶつかりそうになる。
「あ、すみせん」
少女の手をつかみ起き上がらせようとするがその手は少女をすり抜けてしまう。
「え?」
驚きのあまり立ち尽くすキリト。そのキリトをよそにその少女は何かを拾うような動作を行いやがて立ち上がると何かを呟いて何処かを指差しそのまま消え去った。
「ユイ・・今のって」
『NPCでもないみたいですし・・それにさっきの口の動きからして探してといっていたみたいですが・・』
「・・どういうことなんだ?」

「ハァー」
リズは一人自分の部屋でため息をついていた。それもそうだ。二日前リュウヤと謎の電話をした後連絡は一切つかなかった。
「アイツ・・・なにしてんだろう?」
そう呟いた瞬間リズのスマホにメッセージが届く。送り主はユイ。オーディナルスケールの事で話したいことがあるらしい。リズはアミュスフィアを被るとALOにログインした。

「皆さん実はオーディナルスケールのイベントバトルの場所についてある法則性が分かりました」
そういってユイはテーブルの上に関東の地図を表示させる。
「まずこちらが今まで十一回行われたイベントバトルの場所です」
ユイの言葉にあわせ地図に十一個の点が表示される。
「これをアインクラッドの平面図と照合します」
「え?!」
「う、うそ・・」
アインクラッドの平面図と照合した瞬間、アインクラッドの各層の迷宮区とイベントバトルの場所がほぼ一致した。
「どうやらオーディナルスケールのイベントバトルはアインクラッド迷宮区のある場所またはそこに近い広場などで行われているようです。この事から今日のイベントバトルはここで行われると推測できます」
そういってユイが指し示したのは都内にあるショッピングモールだ。
「場所が先に分かってるなら足のない私にも参加できるわね」
「今日は私も参加しますよ」
話し合いの結果今回参加するのはアスナ、リズ、シリカとなった。

「ハァー」
リズはログアウトするとか再びため息をついた。直感だがリュウヤの行方不明はオーディナルスケールに関係していると思っている。リュウヤはそんな人間だ。何かあれば首を突っ込んでいく。それで何回死にかけた事か。
「あのバカは・・本当に」
もし何かの事件に首を突っ込んでいるなら少し応援したいと考え一言スマホで頑張れとメッセージを送る。
「さてと早めに準備しますか」
ベッドから起き上がったその瞬間だった。スマホにメッセージが届いた。確認すると送り主はリュウヤだった。内容は何を頑張るんですか?。
「う、うそ・・・」
突然のことに驚きを隠せないリズ。しばらくして何とか落ち着くとリズはリュウヤにメッセージを送信した。

リュウヤは一人都内のショッピングモールに来ていた。数時間前家で自分が何者なのかを考えているときにリズからメッセージでここに呼び出されていたが・・・
「リズさんってどの人なんだろう?」
記憶のないリュウヤはリズが誰かは一切分からない。向こうが知ってるなら自分を見たら多分声をかけてくれるだろうと思ってショッピングモールに入った瞬間何者かに背中を叩かれる。
「リュウヤあんた今まで何してたの?」
「皆さん心配してたんですよ」
振り向くとリズとシリカがいた。
「もしかしてリズさん?」
「そっちはシリカよ」
リュウヤが指差したのはシリカ。
「あんた一体どうしたの?二日くらいあってないだけで私とシリカ間違える?」
「確かに何かいつもと違って少し穏やかな感じがしますし・・・」
穏やかって、普段の僕はどんなやつなんだろ?。と考えるリュウヤ。
「ごめん遅くなっちゃって・・あれ?リュウヤ君?」
その三人に合流してきたのはアスナだ。
「アスナ、実は家を出る前にリュウヤと連絡がついたから尋問目的で・・」
「リュウヤ君大丈夫なの?」
「まぁ、病気や怪我をした訳じゃないですし・・」

何処かの庭園
「よぉエイジ調子はどうだ?」
「ジェネシス今日は風林火山の記憶を手にいれました」
そういってエイジは一冊の本を取り出す。少し前に発売されたSAO事件全集だ。この本にはSAO事件のことがほぼ全て書かれている。彼はその本のギルドのページを開き風林火山の名前に×をいれていく。
「リュウヤの名前にも×つけとけ」
「ジェネシスもしかして・・」
ジェネシスの言葉の意味に気づいたエイジはジェネシスに掴みかかる。
「アイツはスパイだったんだ。それにアイツ意外と会ってたみたいだぜ」
ジェネシスにそういわれエイジはその手を離す。
「教授からだ。今日の作戦はお前に任せる。俺はそれのサポートだ」

キリトは再び代々木公園に来ていた。理由は今朝であった謎の少女のことだ。最近オーグマーを使用する人たちの間で噂となっていた。町を歩いていると一人の少女が現れ何処かを指差し消えていく。もはや都市伝説に近いものとなっているその噂に何か気になるものがあったからだ。とりあえず少女と出会った歩道橋の上にきたが何もない。しばらく何かを考えていたキリトに電話がかかってくる。
『キリトお前何してたんだ?』
エギルだ。キリトはALOからログアウトした後エギルにクライン達の事を聞いていた。
「少し考え事をしててな・・で何かわかったのか?」
『ああ、どうやら昨日代々木公園で乱闘騒ぎがあったらしいんだが・・』
代々木公園の乱闘騒ぎのことはアスナから聞いていた。どうやらイベントバトルが起きているときと同じ頃代々木公園の別の場所で乱闘があったらしい。最も目撃者はおらず本当に乱闘だったかも分からないらしいが。
「それがどうしたんだ?」
『どうやらクライン達はその乱闘騒ぎに巻き込まれたらしい。それで全員怪我して今は代々木の病院に入院中だ』
「そうか・・分かった」

エギルと電話を終えた後キリトはカガチ・ザ・サムライロードと戦った場所に来ていた。リュウヤはクラインに気づかれた後何処かに移動し記憶喪失になった。
「メッセージ?」
突然キリトにメッセージが届く。送り主はY。内容はまた位置情報だ。
「もしかして・・」
何かを感じたキリトはその場所に移動した。

位置情報の場所はさっきの場所から少し離れた所の裏路地だった。
「ここに何かあるのか?」
しばらく裏路地を進むと寂れた小さなビルを見つけた。中は一階が丸々広間になっており数本の柱と階段があるだけだった。
「・・ユイこのビルが何か教えてくれ」
『このビルは昔はとある会社のオフィスとして使われていました。今は誰も使ってはいないみたいですが・・』
やっぱり何か特別なことがあるわけでもない。そう思ってビルから出ようとした瞬間だった。柱の影に何かを見つけた。
「・・これは・・」
ペンダントだ。どうやら中に写真が入っているみたいでキリトはそれを開けてみる。
「これは?!」
写真に写っていたのはリュウヤとリーファだった。裏を見るとR.to.Sと掘られていた。間違いないリーファのペンダントだ。少し前にリュウヤがデートでお揃いのを買ったと言っていた。でも今リーファは合宿に行っているはずだ。何故ここにリーファのペンダントが落ちているんだ?そんなことをキリトは一人考えていた。
『パパ!!このペンダントの中に小型の通信端末が入っています!!』
「本当かユイ?!」
『はい!!・・でも中に入っているデータは解析できません・・・』
また突然Yからメッセージが届く。内容は『それはリュウヤのペンダント。ここにはまだ秘密があるよ』
「秘密?」
『パパ!!にぃと連絡できなくなった日ここでにぃはオーディナルスケールをプレイした形跡があります!』

そのビルを調べ終わった頃には既に日は落ちていた。結局分かったのはここでリュウヤはオーディナルスケールをプレイしペンダントを落としたと言うことくらいだ。とりあえずコーヒーを飲むため自動販売機にお金を入れる。すると当たりと表示される。どうやらオーグマーを使ってスキャンすると1本無料のクーポンが貰えるようだ。とりあえずオーグマーつけてクーポンを入手するキリト。そして振り替えると例の少女がいた。驚き後ろに飛び退くキリト。その少女はまた何処かを指差すとそのまま消えていった。

「「記憶喪失?!」」
イベントバトルに参加するためショッピングモールに集まったリズとシリカはカフェでアスナからリュウヤが記憶喪失になった事を聞かされていた。
「ってことはあんた私と付き合ってることも忘れたの?!」
「ちょっとリズ!!リュウヤ君に嘘の記憶覚えさせないで!!」
「ぼ、ぼくって二股かけてたんですか?!」
「リュウヤ嘘ですよ嘘!!」
リズの言葉を信じてしまったリュウヤをなんとか説得しリズと付き合っていないと覚えさせた三人。
「あ、そうだあんたオーディナルスケールの戦闘に参加したら?」
リズの提案に皆が?を浮かべる。
「ほらリュウヤって戦闘狂のスピード狂じゃない?もしかしたら戦いで何か思い出すかもしれないし」

その日のイベントバトルが行われるのはユイの予想道理都内のショッピングモールだった。戦闘が始まる10分前だが既に多くのプレイヤーが集まっていた。
「リュウヤ君あまり無理しないでよね」
「あ、はい・・なんでしょう・・何かこれを手にしてると少し落ち着くと言うか・・」
どうやらリズの作戦は効果があったみたいだ。
「そう言えば今日戦うのって十二層のボスなんですよね?」
「多分そうだと思う・・確かヤドカリの・・・」
アスナが説明をしていると時計が九時を差す。それと同時に辺りが変化しボスが出現する。そしてボスから少し離れた所の岩場にユナが出現する。

戦闘が始まった頃キリトもイベントバトルの場所に来ていた。オーディナルスケールを起動すると近くの柱に隠れユナの様子を伺う。
「やっぱりあの子・・・何処かで・・」
「おい黒の剣士そんなところに隠れてないで出てきたらどうだ?」
隠れていたキリトに一人の男が声をかける。
「ジェネシス・・」
「ほう俺の事を覚えててくれたんだな」
「どういうことなんだ?お前あのとき・・」

これはアスナから聞いて思い出した話だ。
当時アインクラッドの最前線は五十五層。その日は迷宮区前を守るフィールドボスとの戦闘があった。ボスのステータスは五十五層の段階ではあまり強くないがとても素早いためタンクを少なめにしダメージディーラーを中心に集め討伐隊を組んだ。その中に俺、そしてジェネシスもいた。結論を言えばジェネシスはその戦いで外周から落ちた。全くダメージを与えられなかった俺達はボスを外周から落とすと言う作戦に変更し外周に誘導を始めた。その戦いでヘイトを稼ぎボスを外周に誘導したMVPがジェネシスだ。しかしジェネシスはボスが落ちる瞬間服を掴まれ道連れに落ちていった。

「いくらタンクがいないからって!!」
ボスの攻撃を一人で防ぐリズ。その横からアスナが攻撃し吹き飛ばしリュウヤが追撃を喰らわせる。
「リズ!!このままおしきろう!!」
アスナの言葉を聞きシリカとリズはボスに向かって走り出す。二人を追いかけようとしてアスナはある人物が目に入る。
「あなたノーチラス君ね」
「アスナさんその名前はやめてください」
そういってアスナに自分の名前を示すエイジ。
「今の僕はエイジです。もうあの時と違う」
エイジがユナを見上げる。それにつられアスナもユナを見る。その瞬間だった。ユナの歌が一瞬止まり違う歌を歌い始めた。

「始まったか・・」
「ジェネシス?」
「さぁショーの始まりだ・・さて今日は何人のモブが狩れんだろうなぁ」

ボスと戦闘するシリカたちの近くに何かが現れた。小さな青いドラゴン、ピナだ。
「ピナ!!どうしたの?」
シリカがピナに近づこうとした瞬間だった。
「シリカさん!!ソイツは何か嫌な予感がします!!」
リュウヤがシリカを抱き抱えピナから離れる。その瞬間だった。ピナ体が変化し巨大なドラゴンに変化した。

「なんだあれは?!」
『パパ!!あれは九十一層のボスに予定されていたドルゼル・ザ・カオスドレイクです!!』
「九十一層?!」
アインクラッドは七十五層でクリアされた。つまりあのボスの事を誰も知らないと言うことだ。
「?!兄貴?!」
新しいボスの出現に混乱するプレイヤー達のなかにリュウヤの姿を見つけたキリト。リュウヤはシリカを庇いながらドラゴンを相手にしている。その姿を見たキリトはリュウヤのところに向かって走り出した。

「なんでシリカさんばっかり!!」
突然現れたボスを迎撃するリュウヤだがボスの狙いは何故かシリカだった。
「シリカさん!!一回逃げて・・え?」
リュウヤが振り返るとエイジがシリカを突き飛ばしていた。それに驚きを一瞬手を緩めてしまった。それを機にボスはリュウヤを無視しシリカの元へ向かう。突き飛ばされたシリカはスグに立ち上がれずただボスの攻撃を喰らうだけだった。
「シリカちゃん!!」
そのシリカにアスナが覆い被さりシリカを庇う。その瞬間、ボスのカギヅメがアスナの背中を切り裂く。その一撃でHPは0になりゲームオーバーになった。その瞬間目の前にかつてのことがフラッシュバックする。七十五層でのスカルリーパーとの死闘、そしてヒースクリフからキリトをかばい死亡したこと。
ーーあの城での辛い思い出を思いだし涙を流すアスナ。そこでアスナの意識は途絶えた。

「アスナ!!」
二体のボスの出現で混乱するプレイヤーを掻き分けアスナの元にたどり着いたのはアスナがやられた直後だった。
「お前ぇ!!何をした?!」
キリトがエイジに殴りかかろうとした瞬間エイジはキリトに剣をむけそれを制する。それと同時にイベントバトルの制限時間である10分が終了し二体のボスは何処かへと消えていった。

「見てキリトくん!!湖が見えるよ!!」
アインクラッド二十二層の森の中でアスナはキリトに肩車をしてもらい森の中を進んでいた。しかし気が付くと何故かキリトの姿はなかった。一人薄暗い森の中を進むアスナ。また気が付くと今度は真っ暗な場所にいた。辺りには色んな物がポリゴンとなり消えていく。遥か先にキリトがいる。そこに向かって走り出すアスナ。
「キリトくん!!」
ゆっくりと歩いていたキリトが足を止めアスナに向かって振り返る。
「君は誰だ?」
キリトのその一言に足が止まりそうになる。やがてキリトの後ろにエイジが現れキリトを包み込みーー

「?!はぁはぁ・・夢?」
どうやらさっきまでみていたのは夢だったようだ。少し前都内のショッピングモールでのイベントバトルで気を失ったアスナ。スグに目を覚ましたものの大事をとりキリトに家まで送ってもらった。その後疲れたアスナはスグにベッドに入った。
「アレ?・・」
飛び起きてから何故かアインクラッドの記憶にモヤがかかったように思い出せない。

アスナからキリトに連絡が来たのは夜の2時を過ぎていた頃だった。話があると言われキリトはALOにダイブする。
「アスナどうしたんだ?電気もつけないで」
真っ暗な部屋の中にアスナは一人でいた。キリトはメニューを操作し明かりをつける。
「キリトくん私達この家に何時から住んでたんだっけ?」
「確かSAOがクリアされる少し前からだから・・・2年くらいかな?・・アスナ?」
「・・キリトくんごめん何も思い出せないの・・アインクラッドでキリトくんと過ごしたことが・・」

「検査の結果どうやらアスナさんの脳に限定的な記憶スキャンが行われた形跡があります」
次の日の早朝キリトはアスナをつれて病院に来ていた。検査の結果アスナがアインクラッドの事を思い出せないのはアスナの脳に限定的な記憶スキャンが行われた影響で記憶障害が発生しているかららしい。
「最近似たような案件がよく報告されています。聞いた話だと記憶全てを失ったという人もいるみたいですね。彼らの共通点はオーディナルスケールをプレイしていたということです」
「それってオーディナルスケールをプレイしたら記憶障害が起きるってことですか?!」
「今の段階ではなんとも言えません」

病院から帰ってきたアスナとキリトはALOにログインしアインクラッドの思いでの場所を巡っていた。初めてであった広場や鍛冶詐欺にあった場所などを巡るが結局アスナが何も思い出すことはなかった。

夜キリトは一人でとある広場に来ていた。ここでは今日オーディナルスケールのイベントバトルが行われる事となっている。エイジとジェネシスがアスナの記憶を取り戻す方法を知ってると考えたキリトはこのイベントバトルに二人を探しに来ていた。
『パパ・・すみませんがジェネシスとエイジのプレイヤーデータは見つかりませんでした・』
ユイにも探してもらったが結局見つからず仕方なく近くのベンチに座るキリト。
「何て顔してるのよ」
そのキリトに一人の少女が話しかけてくる。シノンだ。どうやらこの場所はシノンの家の近くらしい。
「キリト・・一人で悩んでどうするのよ」
「シノン・・オーディナルスケールは危険だ!!もしオーディナルでやられた君の記憶だって・・」
「心配要らないわ。だって私はSAOの記憶が無いもの。それにあなたが私を守ってくれるんでしょ?」
「・・あんまり無茶はしないでくれよ」
そういって立ち上がるキリト。どうやら戦闘開始まで後少しとなっていた。
「オーディナルスケール起動!!」
時間が来て現れるボス。その姿を見てキリトは絶句した。
「十八層のボス、ダイアンタスクだと?!今日は十三層じゃないのか?!」
「パパ!!現在都内十ヶ所でボスが出現!!その影響でボスがシャッフルされています!!」

東京タワー
ここにもオーディナルスケールのボスが現れていた。黒い体をした巨大なカエル、キング・ザ・カオストード。そのカエルと戦闘するプレイヤーの中に驚異と言える強さを見せつける一人のプレイヤーがいた。事実そのプレイヤーがたった一人でそのカエルの体力を減らしていた。

ダイアンタスクとの戦いを終えたキリトとシノンは広場から少し離れた場所にいた。結局ジェネシスもエイジもイベントバトルに現れなかった。またユイも一部のプレイヤーに不可解なプログラムが働いていたことに気付いたが後一歩のところで情報を得られないでいた。
「・・結局手詰まりか・・・」
「・・ねぇ何かまだあるんじゃない?何か見落としていることとか・・」
「・・・もしかして・・ユイ!!あの少女が指差した方向と東京の地図を照らし合わせてくれ!!」

次の日キリトは大岡山にある東都工業大学の教授である重村に会いに来ていた。重村はオーグマーの開発者であり何かを知っていると考えたが結局何も分からなかった。その帰り道アスナから連絡が入りキリトはアスナの家に向かった。

リュウヤは一人で町を歩いていた。あのイベントバトルから二日がたったが結局あの日から何も思い出すことはなかった。昨日のイベントにはキリトから参加禁止令を出されたため参加出来ず一人で家にいた。特にすることもなく町をぶらぶらと歩いていたリュウヤ。そんなとき突然何かを感じ振り返った。しかしそこにはなにもなかった。

都内の公園
キリトは一人で歩いていた。数時間前アスナの家でアスナの思いをしったキリトは再びエイジとジェネシスを探すためオーディナルスケールのイベントバトルに向かっていた。しかし気が付くと公園ではなく何処かの庭園にいた。しばらく歩くと大きな神殿のような建物が目に入る。その前にかかる橋の上に一人の少女が立っていた。あの日代々木公園で初めてであったあの少女だ。
「やっぱり君は重村教授の娘さんなんだな」
かつて重村教授には一人の娘がいた。しかし彼女はSAO事件に巻き込まれ死亡した。
「オーグマーとはいったいなんなんだ!!何でこんなことを!!」
キリトの問いに対してその少女は少し歌った後逆に問いかける。
「夢かもしれないよ。目が覚めたらまだあの城に囚われたままかもよ」
「そう思ったことはあるがそう望んだことはない・・・教えてくれ!!アスナや兄貴の記憶はどうやったら戻るんだ」
「今のあなたのランクじゃ無理。さぁそろそろ目を覚ます時間だよ」
そういって少女が指をならす。
気が付くとキリトは公園の茂みの中にいた。しばらくオーグマーを見つめたキリトは公園の広場へと歩いていった。

今日もリュウヤはイベントバトルの参加を禁止されていた。することも特にないリュウヤはアスナ達とカラオケに来ていた。
「さぁリュウヤさんユナのライブまで後少しですよ!!少しでも多く練習しましょう!!」
「・・あの・・シリカさんこのニュース見ました?」
そういってリュウヤがシリカに見せてのはユナのライブについてだ。
「・・う、嘘?!」
「・・まぁ色々あったから無理もないか・・」
ユナのライブの予定が二日前に突然変更となり明日ライブが行われることとなった。この事に対してオーグマーの発売元であるカムラはチケットを持っている全ての人が集まれるように交通手段や会社のの休暇などを調整しているらしい。
「こんなの前代未聞よね」
前代未聞の事態にアスナは一人胸騒ぎを感じていた。

オーディナルスケールのイベントバトルに参加したキリトは公園での戦いを終え次の場所に向かっていた。その日も都内十ヶ所でイベントバトルが行われていた。今のランクは1506位。更に上げるにはこのイベントバトルでボーナスを獲得するしかなかった。各地のバトルに参加してはボスを倒すを繰り返すキリト。一ヶ所だけ倒せなかったが全九ヶ所のボスバトルを終えランクは9位に上がっていた。
「やっとオーディナルスケールの戦いに慣れてきましたね黒の剣士」
後ろを振り返るとエイジとジェネシスがいた。
「黒の剣士明日ユナのライブに来い!!そこで閃光とリュウヤの記憶を返してやる」
そういって何処かに去っていく二人。エイジの首もとに何か光るものが見えたような気がしたが結局何かは分からなかった。

キリト達の会話を近くの壁から一人の人物が聞いていた。その人物は会話が終わると何処かへと消えていった。 
 

 
後書き

ついに激突するキリト達とエイジ達。そんなとき会場で異常事態が発生。それぞれの思いが交錯するなかついに明かされるオーグマーの真実。そして再び英雄が立ち上がる。

「過去を否定するやつに俺は負けるわけにはいかない!!」

NEXTep3歌姫 
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