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オズのビリーナ

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第五幕その五

「どうにもね」
「そうよね」
「問題児がいるみたいね」
「そうなのよ」 
 ビリーナは自分達に聞いてきたトロットにすぐに答えました。
「これがね」
「そうなのね」
「カミーユっていってね」
「男の子かしら」
「そうよ、女の子みたいな名前だけれどね」
「私は聞いてすぐに男の子って思ったわ」
 トロットはこうビリーナに返しました。
「カミーユっていうと」
「カミーユだと女の子でしょ」
「いえ、本当にそう思ったから」
 実際にというのです。
「これが」
「それはまた不思議ね」
「感性かしら」
 カミーユという名前を女の子のものではなく男の子のものと感じ取ることはというのです。
「それぞれの」
「そうしたものなのね」
「というかビリーナはどうして女の子みたいな名前を男の子につけたの?」
 ナターシャはビリーナにこのことから尋ねました。
「それはまた」
「女の子みたいだったのよ」
「生まれた時は」
「そう、卵から出た時はね」
 まさにその時はというのです。
「美形でね」
「それでカミーユにしたの」
「そうなの」
「僕達にとって玄孫のうちの一羽でね」
 王様もお話します。
「一番のやんちゃなんだよ」
「やんちゃさんなのね」
「そうなんだ」
 王様は恵梨香にもお話しました。
「この国で一番のね」
「ううん、やんちゃっていうと」
 恵梨香はここでエリカを見ました。
「エリカみたいな」
「あら、私なの」
「だって貴女本当にやんちゃだから」
「猫は皆そうよ」
「いえ、エリカは猫の中でもかなりやんちゃだよ」
 神宝はこうエリカに言いました。
「僕が見た中で一番かな」
「最初にオズの国に来た時は凄かったしね」 
 ジョージはそのことからお話しました。
「何かと」
「そうそう、その時のことを思うとね」 
 カルロスもその時のことについて言及します。
「エリカは相当にやんちゃよ」
「性格は違うところが多いけれど」
 それでもとです、ビリーナもお話します。
「本当にやんちゃで」
「エリカと同じ位にだね」
 キャプテンもビリーナに問います。
「騒動を起こすんだ」
「そうなの、実際にね」
「だからだね」
「私達も手を焼いているのよ」
「そうなんだね」
「全く、どうしたものか」
 ビリーナはこうも言いました。
「あの子についてはね」
「何度も注意しているのだけれどね」
 王様もというのです。 
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