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オズのビリーナ

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第五幕その四

「化かしたり悪戯したりしてもすぐに懲らしめられるでしょ」
「ええ、強い人や偉いお坊さんに」
「そうしたところがね」
「愛嬌があるのね」
「可愛いわね」
「そういえばそうね」
「日本では狸さん達もいるけれどね」
「そういえば何か」
 ここでトロットが言うことはといいますと。
「揚げ食べる様になってね」
「ええ、狐さん達もね」
「これまで以上に平和になったわね」
 エリカとガラスの猫も言います。
「愛嬌が出て来て」
「さらにね」
「化けることは前からだけれど」
「さらに親しみやすくなったわね」
「そう、そのこともあってだよ」 
 まさにとです、王様は二匹の猫にも答えました。
「私達は付き合える様になったんだ」
「狐さん達が揚げを食べる様になって」
「それから」
「どうもお肉を食べるより揚げや野菜を食べる方がね」
 そうした方がというのです。
「平和な考えになるかもね」
「それ言われてるわね」 
 ナターシャは王様のその言葉に頷きました。
「私達人間の間でも」
「菜食主義だね」
 キャプテンはそのナターシャに応えました。
「その考えだね」
「はい、そう言われてますね」
「そうだね、人によるけれどね」
「人にですか」
「臆病ライオン君や腹ペコタイガー君は最初から穏やかだから」
 そうした性格だからというのです。
「そこはそれぞれだね」
「あの人達はお肉よね」
 お肉を食べているとです、ビリーナも言います。
「そうよね」
「そう、基本はね」
 ライオンや虎は肉食だからそうなります。
「けれどそれでもだね」
「あの人達はいつも穏やかね」
「臆病ライオン君は勇気の塊だけれどね」
「あんなに穏やかなライオンは他にはいないわ」
「腹ペコタイガー君もね」
 彼もです。
「穏やかだね」
「ええ、とてもね」
「だからそこはね」
「それぞれなのね」
「狐君達は穏やかになって」
 揚げを主食にする様になってです。
「そしてね」
「臆病ライオンさんや腹ペコタイガーさんはね」
「肉食でもだよ」
「一概には言えないのね」
「そうだよ、それぞれの性格があるんだ」
 そこはというのです。
「むしろね」
「それでね」
「それで?」
「君達のそれぞれの性格があるね」
「確かに」
 王様はキャプテンのその指摘に頷きました。
「僕達も一羽一羽性格が違うね」
「大人しい子もいればだね」
「そうでない子もいるね」
「特にね」
 ここでビリーナが言うことはといいますと。
「あの子はね」
「ああ、あの子はね」
「凄いわね」
「全く、困った子だよ」
 夫婦でお話をするのでした。 
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