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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第七十九話 準々決勝第三・四試合

~アーサー side~

準々決勝第三試合。
俺VSランだ。

実際ランがこの大会に出ると聞いたときは心配もしたが、予選ブロックの試合でその心配も要らなくなった。

絶対にアイツ本職は前衛だ。

ボス戦で後衛をやっていたのはただ単にパーティーのバランスを調整するためだろう。

つまりはランは前、後衛両方出来るオールラウンダータイプ、武器は片手剣だ。

実力は、以前のユウキ以上だな。

アーサー「油断は、出来るわけ無いな。」

頭を掻きながらそっと呟く。

一個下の世代にこれほどの強者が何人もいるとこんなに焦るものなんだな。

中学の時の先輩の気持ちがよーく分かった。

だが、世代交代にはまだ早い、早すぎる。
少なくとも後十五年は絶対にさせない。

・・・何の話をしてるんだ俺は。

まぁ、誰が相手だろうと全力で倒すだけだ。

変に意識すればそれが動きを悪くさせる。

無心だ。
それが一番。

出来るわけが無いけど。

アーサー「うっし、一丁気合い入れて行くか!」

コロシアムの中心部に立ち、ランと向かい合う。

アーサー「本当に意外だったぞ。」
ラン「これでも『スリーピング・ナイツ』の初代ギルドマスターですから。」
アーサー「あぁ。 そうだったな。」

お互いに剣を手に取り、構える。

5、4、3、2、1、0!

一気に飛び出し、いきなり『神隠し』で後ろに回る。
だが、ここで攻撃しても予測され避けられる。
なので、もう一度『神隠し』でランが振り向くと同時にまた背後に回る。

ラン「えっ、」
アーサー「隙あり!」

回し蹴りで蹴飛ばそうとするが、

ラン「くっ、、せい!」

ランが咄嗟にしゃがみ、さらに振り返りながら剣を振ってきた。

俺はそれを後ろに跳んで回避。

アーサー(本当に厄介だな。 ユウキとほぼ同等の天性のゲームセンスを持ちつつ、理論も踏まえて動いてくる。 ユウキの反応速度ほどは無いけど、それでも完全にトップクラスの物だ。 『ゾーン』覚えたら本当に抜かされかれない。)

俺の『ゾーン』と『覇気』はこのままではこれ以上は上に行けない。
ゲームで言うならば上限レベルに達した、ということだ。
だが、ゲームと同じように進化、もとい上位互版がある。
『ゾーン』の上の『無我の境地』
『覇気』の上の『闘気』

だが、それは師匠の話では本当に追い詰められ、本能が『死』を意識しないとダメらしい。

SAOも死と隣り合わせだったが、痛みが無かった分、本能は意識をしなかったのだろう。

だが、師匠はこうも言った。
この二つは俺達の世代が会得してはいけない能力だと。
なぜならこの二つの能力を会得することは本当の死闘を知ることだからだ。
それはこのバーチャル世界のような痛みの無い戦いではない。
痛みを知り、死を恐怖するような世界。

戦争の無い現代とはかけ離れた世界だ。

アーサー(って、そんな事考えてる場合じゃなかった。)

出来ればこの戦いでは『ゾーン』は温存しておきたい。

準決勝以降は誰が勝ち上がってきても使わざるを得ない相手ばかりだ。

今から『ゾーン』を使っていては決勝の途中でバテる可能性がある。

アーサー(仕方がない。 三刀流使うか。)

メニューを操作し、剣を二本追加。
いつものように一本を尻尾で、もう一本を左手で持つ。

観客席の方からどよめきが聞こえてくる。
多分、俺が三刀流を使ったので本気出したと思ってるんだろう。

一気に飛び出し、左の剣で攻撃する、と見せ掛け寸止めして、左足で蹴る。

ランが怯んだところで三刀流OSS《セブンス・ストライク》七連撃を放つ。

三本の刀を駆使して七回刺撃を放つ。

その攻撃で俺はランのHPを削りきった。

~side out~

~サクマ side~

アーサーVSランの試合が終わり、次は俺とブラッドの試合だ。

勝率は良くても二割程だろう。

やるしかない。
当たって砕けるだけだ。

サクマ「やってやろうじゃないか。」




コロシアムの中心に向かい合って立つ。

ブラッド「貴様とはリアルでもこの世界でも初めての戦いになるか。」
サクマ「あぁ、お手柔らかに頼むぜ。」
ブラッド「それは出来ない相談だな。 俺は常に全力で行く。」
サクマ「やっぱりか。」

互いに武器を持ち、構える。

5、4、3、2、1、0

カウントが0に成ったかどうかというタイミングでブラッドが消えた。
いや、これは、

サクマ「縮地法か!」

唯一、縮地法が追えない方向、空へと逃げる。

と同時にさっきまで俺の居た場所をブラッドの剣が通った。
それを確認すると同時に一気に降下し、二本の刀を体重をのせて降り下ろす。

が、

ブラッド「動かざる事山の如し」

完璧に受け止められる。

こいつの強さは衝撃の扱い方が上手いこと。
どのようにすればのせたエネルギーを逃がさずに攻撃できるか、どのようにすれば相手の攻撃のエネルギーを逃がせるか。

それを知っているからステータスではアーサーに負けていても互角に戦える。

だが、だからこそ相性が良いのは連撃重視の猛攻撃。
そして、試合の主導権を握るために、ここは一気に攻める!

放つのは二刃刀の秘奥義ソードスキル『森羅万象』二十四連撃。

ブラッド「動かざる事山の如し、加えて静かなる事林の如し。」
サクマ(二つの奥義を、同時に!?)

完全に予想外の防御をされ、攻撃は全て受けきられた。

ブラッド「『七星全解放』、そして侵略すること火の如く、加えて疾きこと風の如く、そして動くこと雷霆の如し!」

咄嗟に二本の刀で受けようとするが、

バキィィィィン!!

サクマ「なっ!」

二つの刀はいとも簡単に叩き折られ、そしてHPは一撃で全損した。

~side out~ 
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