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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第八十話 準決勝

~ユウキ side~

準々決勝の四試合が終わり、次は準決勝、僕はキリトと、アーサーはブラッドとだ。

サクマ平気かなぁ?

メインの武器、二本ともポッキリ折られてたし。

でも今は人の事より自分の事だね。

僕は決勝で絶対にアーサーにリベンジするんだ。

そのためにも気を引き締めて戦わないと。

ラン「ユ~ウ~キ。」
ユウキ「姉ちゃん。」
ラン「ガンバってね。 私負けちゃったから観客席で応援してる。 『スリーピング・ナイツ』の代表として、ね?」
ユウキ「わざわざプレッシャーかけに来てくれてありがとう。」
ラン「冗談、冗談。 あまり気張らないで。 大丈夫よ。 私の自慢の双子の妹なんだから。」
ユウキ「・・・ハァ。 本当に何しに来たの。 でも、ありがとう。 お陰で緊張解けたよ。」
ラン「どういたしまして。」
ユウキ「じゃ、行ってくるね。」
ラン「行ってらっしゃい。」

コロシアムの中心部に立ち、キリトと向かい合う。

キリト「お互い全力でやろう。」
ユウキ「もちろん!」

短く言葉を交わした後、武器を構える。

キリトは最初から2つの剣を構えた。

デュエルのカウントがゼロになると、お互いに突っ込んだ。

そして《スキルコネクト》を駆使して次々とソードスキルをぶつけていく。

キリト「はあぁぁぁぁ!!」
ユウキ「せやあぁぁぁ!!」

ズドドドドド!!

キリト「これなら、どうだっ!」

キリトが発動させたのは二刀流の《ダブル・サーキュラー》

コレの弱点は、

ユウキ「ふっ!」

しゃがんで回避した後に胴体の防御が出来なく無くなること!

ユウキ「やあぁぁぁぁ!!」

がら空きの胴体に《ヴォーパル・ストライク》を放つ。

それがクリーンヒットしてキリトのHPが一気に四割近く削れた。

《ヴォーパル・ストライク》で距離を取った後にキリトの方に振り向く。

ユウキ「あれ?」

何か紺色の髪みたいのが落ちてるんだけど、まさか。

恐る恐る自分の髪の毛を触ってみると。

ユウキ「あー!! やっぱり髪切れてる!」

《ダブルサーキュラー》避けたときに切れたんだ。

ここがゲームの中じゃなかったらテンションめっちゃ落ちてるよぉ。

でも五分もすれば髪はまた元通りに戻るもんね。

キリト「な、なんか悪いな。」

・・・良いこと思い付いちゃった。

ユウキ「う~、本当だよ。 髪は女の子の命なんだからね。 テンション下がっちゃったし、帰ろうかな。」
キリト「・・・は?」
ユウキ「あーあ、本当に残念だな~。」
キリト「ちょっ、待てよ! ユウキ!」

キリトが僕の事を追いかけてくるのを横目で確認しつつ少しずつ歩く。

そしてもう手が届くという範囲に来たところで、

ユウキ「な~んてね♪」
キリト「え?」
ユウキ「やあぁぁぁぁ!!」

OSS《マザーズ・ロザリオ》十一連撃

それでキリトのHPを削りきった。


「「「「「「「「き、汚ねーー!!!!」」」」」」」」


ユウキ「へっへーん! 勝てば良いのだ!」

~side out~

~アーサー side~

アーサー「オイオイ、ド汚い勝ち方だな。」

ユウキ、後で絶対にランに怒られるな。

・・・もしかしたら俺も怒られるんじゃねえか? コレは。

アーサー「ってそれどころじゃ無かった。」

次の相手はブラッド。
ガチで行っても勝てるかどうか分からない。

さて、行きますか。

コロシアムの中心部に立ち、向かい合う。

アーサー「今回は、最初から本気で行くか。」
ブラッド「良いだろう。」

俺は三本の剣を装備し、そしてブラッドは剣をしまう。

カウントが残り五秒になったところで『覇気』と『ゾーン』を解放する。

そしてカウントが0になると同時に、コロシアムの中心でまるで爆発が起こったかのような衝撃波が発生した。

さらにそこで次々と衝撃波が発生し、土煙が上がり、観客席からは中で何が起こっているのかは分からない。

分かるのはこの戦いが観客達のレベルを遥かに越えたものだということだけだ。

アーサー「おらあぁぁぁぁ!!」
ブラッド「はあぁぁぁぁぁ!!」

一際大きな衝撃波が起こり、土煙が晴れる。

見えたのは剣と拳をぶつけたまま止まっている二人だ。

そのまままったく動かない。
否、動けないのだ。

下手に動けばその隙にやられかねない。

自分に有利な展開を作りたければ根気勝ちをするか、相手が予想だにしない動きをする必要がある。

アーサー「・・・ルー・アルヴ・トール・、、、、」

だが、魔法だけなら口を動かせば出来る。

ブラッド「チッ!」

それを聞いたブラッドが後ろに跳ぶが、

ブラッド「ぐおっ!?」

間合いができ、蹴り上げる。

そのまま空中に上がったブラッドを今度は地面に蹴り落とす。

そして地面に叩き落としたブラッド目掛けて魔法を落とす。

雷属性最上位魔法が一つ《サンダー・ピラー》意味は雷の柱だ。

一ヶ所に雷を集中させ、大ダメージを与える魔法だが、範囲が小さいため対人戦で使う事はまず無い。

だが、今なら当たらなくても視覚と聴覚を一時的にだが奪うことができる。

そして魔法は命中した。

さすがに全ての雷とはいかなかったがそれでもHPを大幅に削った。

ブラッド「この、! 魔法とは腑抜けたか、貴様!?」
アーサー「腑抜けたも何も魔法が汚いやり方なんてお前の固定観念だろうが。 固定観念は壊すに限る。」

これ戦場では常識。
暗黙の了解は守るが、戦闘の固定観念など邪魔なだけ。
セオリーなんて時代と共に変化するものだ。

ブラッド「そうか! なら、これをされても文句を言うなよ!」
アーサー「ぐあっ!? 目潰しかよっ!?」

何も見えない。
目潰しナシは固定観念じゃなくて、暗黙のルールだろうが!
世界共通の!

いや、現実世界だけか。

アーサー「がっ!?」

背中に衝撃が走り、地面に叩きつけられたのを感じる。

ブラッド「フハハハハハハ!!」
アーサー「調子に乗ってんじゃ無ぇぞ、コラァ!!」

ブラッドの気配目掛け蹴りを繰り出す。
が、受け止められる。

ブラッド「流石だな。 視覚を潰されてもここまで正確に攻撃をしてくるとは。 だが、これならどうだ? 知りがたき事、陰の如し。」

ブラッドの気配が完全に消えただと。

ブラッド「陰は真っ向勝負では使うことの無い技だ。 貴様はこの状況、どう対応する?」

ブラッドの声が聞こえるが、出所が分からない。

アーサー「ぐっ!? がっ!」

腹と顎に衝撃を受け、後ろに跳ぶ。

完全にブラックアウトした視界の左上にあるHPバーが減っている。

部位欠損のバッドステータスはアイテムを使わなかった場合、五分で元に戻る。

もうそろそろ一分経つくらいだ。

残り四分、このままで耐えられる訳が無い。

ブラッド「どうした? 流石に万策尽きたか?」
アーサー「バカ言え。 今、考え中だ。」

この状況で頼れるのは聴覚。
だが、気配を完全に消された今、出来ることは無い。

・・・いや、何も四分も待たなくて良いかもしれない。

一つ思い出した事があり、それを確かめるために腰のポーチ内を探る。

アーサー(あった! 多分これで合ってるはず!)

そう考えると同時にそれを地面に叩き付ける。

ブラッド「がっ!? 目が! 何も見えん!」

やったぜ、ビンゴだ。
俺が使ったのは閃光弾。

効果時間は一つにつき、一分。

この前行ったクエストの報酬で取り合えずポーチに入れておいたのを思い出したのだ。

もちろん爆発の瞬間に目を閉じていれば効果は無い。

アーサー「ハッハッハ! 目潰し返しだ! ざまぁみやがれ!」

嗚呼、デュエルトーナメントの準決勝がこんな戦いで良いのだろうか。

唐突に訪れる我が良心。

今後はお互いに目潰しナシの方向で行こう。 うん、そうしよう。

そのルールを運営側からも推して貰えるように意見しよう。

だが、取り合えず今は

アーサー「今の内に回復魔法でこれ治そう。」

覚えたばかりの回復魔法で目の部位欠損のバッドステータスを取り、HPも少しだけだが回復させる。

これでようやく目が見える。
HPは若干不利だが、まぁ逆境での修行と思えば。

修行じゃなくて試練か。

ブラッド「っ、目を治したか。」
アーサー「お前なぁ、魔法はアリでも目潰しはナシだろ。 世界共通で。」
ブラッド「む、確かにそうかも知れん。 端的な行動に出たところ、俺もまだまだ未熟ということか。 詫びだ。 決着はまた次回付けよう。」
アーサー「は?」
ブラッド「こう言うことだ。 リザイン。」
アーサー「んな!? な、な、納得行くかぁぁぁ!! そんな勝ち方ぁ!!」
ブラッド「人の好意は受け取っておくものだぞ。」
アーサー「実は面白がってるだろ、テメェ!!」

~side out~ 
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