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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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257部分:第三十六話 四つ目の戦場その四


第三十六話 四つ目の戦場その四

「モロクは力だけの魔神ではない」
「といいますと」
「かつてモロクはゲヘナで崇拝されていた」
 シオンが次に言ったのはこのことだった。
「このことも覚えておくことだ」
「ゲヘナにおいてですか」
「その通りだ。では行くがいい」
 シオンはこれ以上は言おうとはしなかった。
「イラクにな。そして戦って来るのだ」
「はい」
 また頷くアルデバランであった。彼は重厚な態度でそれに応えていた。
「それでは今より」
「うむ、行くのだ」
 また告げるシオンだった。
「御前もまた聖闘士達を連れてな」
「はい、それでは」
「では。これで話を終える」
 シオンはアルデバランに告げ終えると他の黄金聖闘士達に対しても告げた。
「皆御苦労だった。下がっていいぞ」
「はっ、それでは」
「わかりました」
 こうして話は終わった。アルデバランは程なくして出陣することになった。彼は出陣する前に金牛宮において他の黄金聖闘士達の言葉を受けるのだった。
「で、イラクだったよな」
「そうだが」
 金牛宮の入り口においてだった。彼はまずデスマスクの言葉を受けた。彼等の後ろにある金牛宮はあくまで巨大であり勇壮なその造りはアルデバランに相応しい。そしてその下には白く長い階段が続いている。その遥かな先に白羊宮が見える。彼方にだった。
「それがどうかしたか」
「土産は何かねえのかよ」
「イラクといえばだ」
 アルデバランはデスマスクの言葉を受けて真面目な顔になった。そうして顎に手を当てて熟考しそのうえで彼に答えるのだった。
「楔形文字だが」
「生憎だが遺跡は間に合ってるぜ」
 デスマスクはそれは一笑で以って返したのだった。
「この聖域そのものがそうだしな」
「そういえばそうか」
「イラクといえば砂漠だ」
 シュラは戦場について述べた。
「あの国はやはり砂漠だ」
「では砂漠での戦いだな」
「そうだ。戦い方には気をつけておけ」
 彼が言うのはやはりこのことだった。
「砂漠での戦いは独特だからな」
「うむ、わかっている」
「そして八大公はモロクのドーマ」
 アフロディーテは戦う相手のことを述べた。
「魔神の中で最も力に秀でた者です」
「そのようだな。そしてゲヘナで崇拝されていた」
「はい」
 アフロディーテは頷いてもみせる。
「それもまた何かあるようです」
「ゲヘナといえば小アジアにある地の名前だが」
 シュラはそれは知っていた。
「だが。イラクとはまた離れた場所にある」
「そうだな。あそこはあそこでややこしい場所だがな」
 デスマスクは小アジアと聞いて眉を顰めさせていた。
「何かとな。物騒な場所だぜ」
「私もあの地のことは知っている」
 今度口を開いたのはカミュだった。
「だが。ゲヘナか」
「カミュ、何か気付いたか?」
「いや、残念だが」
 アルデバランの問いにも空しく首を横に振るだけだった。
「ゲヘナ。気になる名前だがな」
「しかしそこに何かがある」
 アイオリアが言った。
 
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