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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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258部分:第三十六話 四つ目の戦場その五


第三十六話 四つ目の戦場その五

「間違いなくな」
「それはわかるのだが。ゲヘナか」
 アルデバランはまた深い思索に入った。
「やはり何かがあるのだがな。その地には」
「しかしここで考えていてもだ」
 今度言ったのはミロだった。
「行くしかないな。時間だ」
「その通りだ。間も無く俺はイラクに発つ」
 アルデバランは上を見た教皇の間のところにある時計台を。聖域の時計台には十二の星座それぞれの輝きがある。その輝きを見ながら話すのだった。
「それはな」
「では行くのだ」
 またアイオリアが彼に告げた。
「後のことは我々に任せてな」
「そうさせてもらう。それではな」
 これでアルデバランは発とうとする。そこに最後に声をかけたのはシャカだった。
「アルデバラン」
「どうした、シャカ」
「貴方はただ力があるだけではありません」
 このことを言うのだった。
「力だけではありません」
「俺は力だけではないか」
「そうです。そして技だけでもありません」
 そしてこうも告げたのだった。
「貴方にあるものは」
「そして小宇宙だけでもだな」
「その通りです。それをよく承知しておくことです」
 アルデバランに言う言葉はこれであった。
「よく」
「正直なところよくわからん」
 アルデバランは実直な男である。わからないものはわからないと言う。その隠し事のない性格は同僚である黄金聖闘士達だけでなく聖域の多くの者の人望を集めている。
「だが。その言葉心に留めておく」
「心に留めておけばやがてわかる時が来ます」
 シャカはこうも彼に告げた。
「それをよく御存知下さい」
「わかった。それではな」
「はい」
 シャカはまた彼に対して告げた。
「御武運を御祈りします」
 こうしてアルデバランは他の黄金聖闘士達に別れを告げそのままイラクに向かった。聖域の出口のところで六人の聖闘士達が彼を出迎えたのだった。
「アルデバラン様」
「お待ちしていました」
「俺と共に行くのは御前達か」
「はい、そうです」
「我々です」
 こうアルデバランに返すのだった。聖域の門のところは白い柱や石の道がある。彼等はその中で話をしているのである。
「それで宜しいでしょうか」
「我々で」
「頼むぞ」
 それを拒むことのなかったアルデバランだった。
「それではな」
「有り難き御言葉、それでは」
「御願いします」
 まずは白銀の二人が彼に答えるのだった。
「このホエールのモーゼスと」
「ヘラクレスのアルゲティが」
 隻眼の大男とその彼よりも大柄の岩の如き顔の男が名乗ってきた。それが彼等の司る正座と名前であった。このことをアルデバランに対して告げたのだ。
「わかった、ではイラクだ」
「狂闘士達は我等にお任せを」
「是非」
「無理をすることはない」
 アルデバランは彼等の申し出にはすぐに答えはしなかった。
「無理はな」
「いえ、ですが」
「それでもです」
 しかしここで二人の聖闘士達は言うのだった。
 
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