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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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256部分:第三十六話 四つ目の戦場その三


第三十六話 四つ目の戦場その三

「サガもだ。実によくやってくれた」
「かたじけのうございます」
 サガもまたその言葉に応える。
「その御言葉。実に」
「今は休むことだ」
 次にシオンはこう二人に声をかけた。
「そのうえで戦いの疲れを癒せ。よいな」
「わかりました。それでは」
「御言葉に甘えまして」
「それでだ」
 シオンは二人に声をかけ終わると今度は黄金聖闘士全員に対して声をかけた。
「次の戦いだが」
「はい」
「次は」
「今トラキアから小宇宙が発つことを感じ取った」
 こう彼等に告げるのだった。
「トラキアからな」
「ではやはり」
「またしても戦いが」
「そうだ。すぐに行われる」
 それしかなかった。今まで通りであった。
「すぐにな」
「してその場所は」
「この度は何処へ」
「イラクだ」
 狂闘士達の動きをこのうえなく読んだうえでの言葉であった。
「イラクに向かっている。十の巨大な禍々しい小宇宙と無数の小宇宙がな」
「では今度はイラクですか」
「戦いの場は」
「そして出陣した八大公だが」
 シオンはこのことも感じ取っていた。その小宇宙から何処までも深く感じ取っているのだった。伊達に先の聖戦を生き残り教皇を務めているわけではなかった。
「モロクのドーマだ」
「モロクですか」
「そうだ。モロクのドーマだ」
 再度この名前を彼等に告げた。
「あの男が出て来た」
「モロクのドーマですか」
「モロクといえば」
「そうだ。魔神の中で最も強力に秀でた者だ」
 それだというのである。
「その者が出て来る」
「魔神の中で最も力が強いのですか」
「そういえばあの男は」
 彼等はここでローマにおける対峙を思い出した。あの時のことを。
「八大公の中で最も大柄でした」
「その巨体を使ってですか」
「そうだ。その男が来るのだ」
 このころを強調するシオンであった。
「だからこそこちらもだ」
「誰を出すのですか?それで」
「この度は」
「アルデバラン」
 彼が呼んだのはこの男であった。
「よいか」
「はい」
 名を呼ばれたアルデバランはすぐに応えた。
「このアルデバランがイラクになのですね」
「その通りだ。御前に命じる」
 また彼に対して告げた。
「イラクに行け。いいな」
「わかりました」
 アルデバランは断ることなく彼に対して頷いてみせた。
「それではすぐに」
「何度もいうがモロクは強力の魔神だ」
 このことを本当に何度も告げるのだった。
「その強さはよく認識しておけ」
「わかっております」
「そしてだ」
 そしてそれだけではないのであった。
 
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