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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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255部分:第三十六話 四つ目の戦場その二


第三十六話 四つ目の戦場その二

「御前が行くのだ」
「私がですか」
「そうだ」
 あらためて彼に告げる。
「御前が行け。よいな」
「有り難き御言葉」
「御前の軍団を率いてな」
 こうも彼に告げるのだった。
「行くのだ。いいな」
「はい、それではそのように」
「これで四つだ」
 またここで四つという数字が出された。
「四つ目の戦場となる」
「残るはあと四つ」
「そしてそれが全て終われば」
「そうだ。その時こそだ」
 エリスの声もまた変わってきていた。その声の調子が。
「我等の望みが果たされる」
「そうです。その時こそ」
「我等がこの地上を支配できます」
「そして他にもだ」
 エリスの言葉はこれで終わりではなかった。
「用意がある」
「といいますと」
「あの方も」
「そうだ。あの者達もだ」
 エリスは彼等に告げるのだった。
「間も無くこの世に出るのだ」
「あの方々も来られるとなればまさに我等にとっては」
「水を得た魚も同じ」
 八大公の言葉は笑みを浮かべたものになっていく。
「そして聖域を倒すことがほぼ確実になるのですね」
「その二つが合わされば」
「その通り。我等の勝利は確実なものとなる」
 また言うエリスだった。
「それでよいな」
「わかりました。それでは」
「我等はアーレス様の為に」
「闘うのだ。それではだ」
 エリスはここでまた彼等に対して言う。そしてドーマに顔を向け彼の名を呼んだ。
「ドーマよ」
「はい」
「ではすぐにここを発つのだ」
 こう彼に告げるのだった。
「すぐにな。その軍勢を連れてだ」
「わかりました。それでは」
「他の者はこのトラキアに留まっているのだ」
 彼等に対しても告げるのだった。
「このトラキアでな。よいな」
「はい、わかっております」
「では今は」
「戦いは続く」
 このことは間違いないといった口調であった。
「わかったな。それではだ」
「わかりました」
 こうして今は彼等は控えるのだった。程なくしてドーマがその軍勢と共にトラキアを発つ。戦いがまたはじまろうとしていた。メソポタミアにおいて。
 そして聖域でも。黄金聖闘士達がシオンの前に集っていた。皆片膝をつきそのうえでシオンの前に控えている。彼等の先頭にいるのはアフロディーテであった。
「アフロディーテよ」
「はい」
 彼は静かな声でシオンの言葉に応えた。
「よくぞ戻ってきた」
「有り難き御言葉」
「中国での戦い御苦労だった」
 彼は次に労いの言葉をかけた。
 
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