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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1389話

「……じゃあ、やっぱりミスマルとヨシサダの居場所は分からない、と?」
「ああ。何しろこっちも色々と逃げるのに必死だったからね。それでナデシコに逃げ込んでみれば、アクセルが来る前にあの有様だろ? とてもじゃないけど、連合軍の情報を集めるような暇はなかったさ」

 その言葉に、ユリカが少しだけ暗い表情を浮かべる。
 現在この部屋にいるのは、俺、マリュー、アカツキ、ユリカ。それとシロガネの艦長としてナタルの五人だけだ。
 本来なら他にも色々と話を聞きたかったのだが、人数が多いと混乱するという事もあるし、騒ぎにもなりやすい。
 なので、取りあえず現状はこの五人での話し合いとなったのだが……

「それは困ったわね。こちらが大義名分を得る為にも、出来れば連合軍の軍人……それも出来るだけ地位の高い人が必要なのだけど」
「そうですね。マリューの言う通りかと。どうしても連合軍の軍人を確保することが出来ない場合は……」

 ナタルの視線がアカツキへと向けられる。
 その視線の意味に気が付いたのだろう。アカツキは慌てたように首を横に振って自分には無理だと態度で示す。

「無理。僕に旗頭ってのは絶対に無理だよ。そもそも、僕は年上の人にはあまり受けが良くないんだ。そう考えれば、やっぱりミスマル提督やヨシサダ少将のような人を旗頭にする方が絶対にいいと思うよ」

 まぁ、アカツキの言ってる事も分かる。
 実際アカツキは同年代や年下、自分よりも少し年上といった面々に対しての受けはいい。
 勿論チャラいところが好みじゃないって奴も多いし、女の影が多いところに嫉妬している者もいるが、それでもどちらかと言えばアカツキを慕っている者の方が多い。
 だが……それが極端な年上、それもミスマルやヨシサダ、更にはフクベくらいにまでなってしまうと、話が違ってくる。
 勿論全員が全員アカツキを嫌っているという訳ではない。
 実際、ミスマルはアカツキをそれなりに認めているようではあったし、フクベだってアカツキを嫌っていればナデシコのご意見番なんかやってなかっただろう。
 いや、フクベの場合は火星にチューリップを落とした責任とか、そういうのもあるのかもしれないが。
 ともあれ、アカツキは全体的に見た場合十歳、二十歳、それ以上といった年上からの受けは悪い。
 そんなアカツキが旗頭になったとしても、恐らく纏まりに欠ける。
 また、アカツキを慕っている者も上司とかそういうのならともかく、一国の代表という意味ではアカツキが頼りなく思えてしまう可能性は否定出来ない。
 ……俺が言うべき事じゃないのかもしれないが。

「お父様……」

 心配そうに呟くのはユリカ。
 やはり父親が行方不明というのは色々と心配なんだろう。

「アカツキも駄目だとなると、やっぱりミスマルとかを探すしかない訳だが……どこか心当たりのある場所はないか?」
「そう言われてもね。僕だって別にミスマル提督達と親しいって訳じゃないんだよ? 勿論どこかに避難しているとは思うけど、だからってそれがどこなのかはちょっと分からないね」
「私も同じです。お父様は仕事に関してはとても厳しい方でしたから。一般的な事はともかく、軍事機密に関しては話すような事はありませんでしたから」

 お手上げか。
 そう思ったが、ふとルリならオモイカネと共に調べる事が出来るんじゃないか? と思いつく。

「ルリとオモイカネに調べて貰うってのはどうだ?」
「ああ、そう言えばその手がありましたね!」
「……本当に大丈夫なの? ルリちゃんって、あの小さい子でしょう?」
「本人曰く、子供じゃなくて少女だそうだ」

 マリューの言葉に軽く肩を竦めてそう告げる。
 何だか分からないといった表情を浮かべているマリューだったが、実際にルリがそんな風に言ってるんだから当然だろう。

「とにかく、ナデシコ世界のコンピュータとして考えればルリとオモイカネは最高峰の力を持っている。ミスマルやヨシサダがどこに隠れているのかは分からないが、この世界でコンピュータの類がなければどうしようもないだろう。だとすれば、恐らくコンピュータの近くにいる筈だ」

 ただし、これはあくまでもミスマルやヨシサダが生きていると仮定した場合だ。
 実はグリューノと同じく死んでしまっていた場合、どこにいようと見つける事は出来ないだろう。……いや、グリューノもまだ行方不明で死んだと決まった訳じゃないんだが。
 それでも恐らくだが、死んでいると考えた方がいいだろう。

「分かりました! じゃあ、取りあえずルリちゃんにお願いしてみます!」

 そう告げると、ユリカは部屋の隅の方へと移動してコミュニケを起動していた。
 それを見送ると、俺達は次の話題に移る。

「さて、今回の反乱はネルガルの社長派、連合軍の一部、そしてクリムゾングループが組んで行われている。この勢力が木連を迎え入れるといった形になってる訳だが……ネルガルと連合軍の一部がってのは分かる。けど、クリムゾングループがこんな大騒動に協力する以上、何か勝算があるのは間違いない筈だ。それこそ何かの新兵器とかな。ネルガルの方では何かその辺の情報を掴んでなかったのか?」
「……そう言われてもね。クリムゾングループはネルガルと同レベルの企業だよ? そう簡単に情報を得られる筈もないだろ。一応噂程度ならあるんだけど」
「噂?」
「そう。ただ、あくまでも噂だよ? 確実って訳じゃない」

 噂というのも馬鹿に出来るものでないというのは、これまでの経験からよく理解している。
 特にマブラヴ世界なんかは通信とかがあまり発展していないだけに、時には噂が強い力を発揮する。

「具体的にはどんな噂だ?」
「本当に噂だよ? 僕達が開発したエステバリスに対抗して、人型機動兵器を開発しているって。エステバリスと違うのは、IFSを使わない操縦方式にしてるとかなんとか。……まぁ、IFSは評判悪いしね」
「だろうな」

 ナデシコ世界で少なからず暮らしてきた身として、IFSがどれだけ評判が悪いのかというのは理解している。
 それでも連合軍のパイロットはIFSを使っているが、クリムゾングループがIFSを使わない人型機動兵器を作りだしたら、一気にシェアは持って行かれるだろう。……まぁ、それまで連合軍が残っているのかどうかは微妙だが。
 それにIFSは元々副作用があるのを考えると、IFS離れの流れを止めるのは難しいだろう。
 ああ、でもその技術を開発してるだろうクリムゾングループを吸収するなり、最悪でも潰す事が出来れば、クリムゾングループが研究している技術を入手出来るか。
 そう考えれば、今回の反乱騒ぎはネルガルに取っても決して悪い事ばかりじゃないんだな。
 もっとも、だからってアカツキが今回の件を企んだとは思えないが。
 リターンに比べてリスクがでかすぎる。
 まさにハイリスクノーリターンだ。

「OKです! これからルリちゃんがオモイカネで調べてくれるそうです。……ただ、このニヴルヘイムの中だとオモイカネでも手が出ない程にプロテクトがガチガチだって話なので、それを調べる為には一旦ニヴルヘイムの外に出る必要があるって話なんですけど……どうしましょう?」

 ユリカの声が部屋の中に響く。
 ルリとオモイカネでミスマルやヨシサダを探せるのはいい。それはいいんだが……

「プロテクトがガチガチ?」

 その言葉に、軽く首を傾げる。
 だがそんな俺の姿に、マリューはどこか呆れたような視線を向けていた。

「アクセルが何を考えているのかは大体分かるけど、それでも敢えて言わせて貰うわ。このニヴルヘイムはニーズヘッグと並んでシャドウミラーの象徴なのよ? それ以前にシャドウミラーの技術班の技術力を甘く見ていない? このナデシコ世界とシャドウミラーの間には歴然とした技術差があるのよ。確かにオモイカネというのはこの世界では高性能なAIでありコンピュータでしょう。けど、シャドウミラーの機体には基本的に無力よ」

 ……そうなのか。てっきりルリとオモイカネの能力ならシャドウミラーの機体とかにも普通にハッキングが出来ると思ってた。
 だがマリューの言葉を聞く限り、その心配はいらないらしい。
 いやまぁ、ネルガルのフラッグシップとでも呼ぶべきナデシコの要因の1つであるオモイカネをあっさりと無効化出来ると言われたアカツキは、微妙に顔を引き攣らせているけど。
 この顔を引き攣らせているのは、自慢のオモイカネがあっさりと無力化されると言われた事か、それとも……いざとなったらニヴルヘイムをナデシコが乗っ取るなんて考えを持っていたからか。
 そんな考えを持っていたとしても、それは別に驚くべき事ではない。
 アカツキであれば、寧ろそのくらいは当然と言ってもいいだろう。

「えっと、その、ナデシコを一旦ニヴルヘイムの外に出してもいいですか?」

 今の会話を聞いていたユリカの言葉に、マリューは頷きを返す。

「ええ。けど一応念の為に量産型Wを付けたいのだけど、大丈夫かしら? もし何かあった時、そっちの方がすぐに対応出来るでしょ?」
「はぁ、まぁ、別に構いませんけど……えっと、構いませんよね?」

 一応アカツキに尋ねるのは、何だかんだと言いながらやっぱりアカツキがネルガルの会長だからこそだろう。
 そのアカツキも、ネルガル自慢のオモイカネがシャドウミラーにとってはどうとでも対処出来る相手だというのを聞いて受けていたショックから立ち直るとすぐに頷く。
 ……能力的にシャドウミラーのコンピュータとかネットとかの方が上だとしても、ああいうフレンドリーなシステムとかは色々と参考になると思うんだけどな。

「ああ。そうしてくれたまえ。ミスマル提督達がいるとのいないのとでは、僕達がこれから起こす行動も随分と違ってくるからね」
「はい。じゃあ、私はこれで失礼しますね」

 そう告げ、ユリカは部屋から出て行く。
 ああ、そう言えばユリカとかアカツキとかがいないとナデシコは動かないんだったか。便利そうではあるけど、いざって時には不便だよな。
 実際以前にミスマルがミロンガ改を奪いに来た時にもユリカがいなかったことでナデシコは動けなくなってたし。

「……さて。取りあえずこれからどうするのかの話を続けましょうか。まずミスマル提督やヨシサダ少将を見つける事が出来たら、それを旗印として自分達がこそが正統な連合軍だと大々的に発表する必要があるわね」
「そうだね。そうすれば今回の件に不満を持っている人達は基本的にこっちに味方をしてくれると思う。特にグリューノ総司令は強硬派として嫌っている人もいたけど、何だかんだと面倒見のいい人だったから、部下には慕ってる人も多いんだ。そういう人達にとっては、グリューノ総司令の仇を討つ為にも僕達に味方をしてくれると思うよ」

 そう告げるアカツキだったが、その言葉には多少首を傾げざるを得ない。

「今も言ったが、グリューノは強硬派だった。それがミスマルやヨシサダのような穏健派の指揮下に大人しく入るか? それこそ戦っている最中に別のクーデターを起こされたりしたら面倒な事になるぞ?」
「そうかもしれないけど、そんなに心配はしなくてもいいと思うよ。実際問題木連側に付いた連合軍、ネルガル社長派、クリムゾングループに対抗するには僕達に付くしかないんだし、そして僕達に付けばシャドウミラーが味方にいる事を知って、その実力を間近で見ることになる。その上で反乱を起こすような真似をすれば、即座に鎮圧されるってのは見て分かるだろうしね。そうなればグリューノ総司令の仇を討つ事すら出来なくなる。……取りあえず反乱軍と戦っている間は裏切るなんて真似はしないだろうし、反乱軍を倒した後はこっちの勢力の方が圧倒的に大きくなっているから、心配はいらないと思うよ。勿論油断するような事があっては駄目だけど」

 小さく肩を竦めるアカツキの言葉に、納得して頷く。
 実際問題もし強硬派が裏切るとしても、アカツキの言う通りの展開になるのは間違いない。
 だとすれば、その辺はあまり心配いらないのか?

「ともあれ、何をするにしてもこちらとしては勢力を立ち上げる事を最優先にする必要があるでしょうね。……アカツキ会長、他に何か心配な事は?」
「そうだね。……サワガサキ社長が何を考えてこんな事をしたのかは、少し気になるところかな。勿論僕が邪魔だというのは分かってるけど、それでもこっちにはナデシコがあるのは分かっていた筈だ。なのにそれを承知の上で行動を起こしたという事は……恐らくクリムゾングループと同様に何らかの勝算はあるんだろうけど、それが何か分からないというのは怖いね」
「本当に分からないのか? 同じネルガルだろ?」

 その問い掛けに、アカツキは肩を小さく竦める。

「そう言ってもね。向こうは色々と秘密主義的な面があったから、本当に必要な情報はこっちに見せたりはしないんだよ。何かあるのは確実だと思うんだけど……」

 軽い調子で、それでいながら目にふざけた色はないままにそう告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1200 
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