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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1390話

 ナデシコがニヴルヘイムに合流してきてから2日。
 現在ナデシコ世界の地球は、まさに混乱の渦と評すべき状況にあった。
 連合軍の一部、ネルガル社長派、クリムゾングループが組んで行った反乱。
 当然その反乱に迎合するような、長いものには巻かれろ的な考えを持っている奴も多かったが、逆に反乱は認められないとして対抗する勢力も当然ある。
 最初は反乱軍の方もそんな反抗勢力を相手に何とか穏便な手段に訴えようとしていたのだが……それも結局無駄に終わり、今では地球上の何ヶ所かで戦闘が行われ、既に終わっている。
 まぁ、1つの基地が反乱に対抗しようにも、戦力差は圧倒的な訳で……
 使用している兵器の類が殆ど変わらない性能であれば、当然数が多い方が有利だろう。
 勿論指揮官の能力によってその辺が覆されるというのは珍しくないのだが、残念ながらこうして見る限りでは反乱軍に抵抗している者の中にそこまで指揮官としての才能がある奴はいないらしい。
 圧倒的な物量に飲み込まれ、反乱軍に反旗を翻した――ちょっとおかしな表現な気がする――勢力は、次々と潰されていく。
 そんな中で俺達が何をしているのかと言えば……

「まだ見つからないのか」

 ナデシコ食堂でカツ丼、親子丼、牛丼の3つの丼を食べながら呟く。

「そう言ってもね。ルリルリだって頑張って艦長のお父さんを探してるんだから、あまり無茶を言わないの」

 俺の向かいで紅茶を飲んでいたミナトが窘めるように呟く。
 ……その目に呆れがあるのは、俺の食事量に驚いてのものなのか、それともルリに対する言い分になのかは分からないが。

「ルリが頑張ってるってのは分かるけど、それでもこうして時間が過ぎていくのを待ってるだけってのは性に合わないんだよ」
「別にアクセルが動いてないだけで、他の人はきちんと動いてるんでしょ? うちの会長とか」
「……まあな」

 エリナやプロスペクターも色々と動き回っているのは知っているし、シャドウミラー側としてもレオンが色々と動き回っているのは分かっている。
 本来ならエザリアをこっちに引っ張ってくるべきなのだろうが、レオン本人がどうしても自分でやりたいと言い張り、結果としてレオンが主に動き回る事になった。
 多分、反乱が起こった時に自分が怯えたのが許せなかったんだろう。
 そういう意味では、レオンは何気に……いや、見た目通り執念深いので、反乱軍にはご愁傷様と言いたくなる。
 そんなレオンは、強気な外交で次々にナデシコ世界の勢力の人員に会っては、支持を取り付けていた。
 シャドウミラーだけでは色々と弱いのかもしれないが、幸いこっちにはアカツキがいる。
 この世界のネルガルの規模を思えば当然アカツキの顔は広く、レオンと一緒に行動すればコネやこの世界への影響力でアカツキが、シャドウミラーの戦力でレオンがそれぞれ担当する事になり……それが予想以上に効果的だった。
 勿論その場ですぐにこっちに対して協力を約束する相手は少ないが、それでもミスマルやヨシサダといった面々をこちらが保護すれば確実に手を貸すと言ってくる者がいるのを考えると、見通しは明るい。
 その辺の説明をすると、ミナトは再び呆れたように溜息を吐いてから口を開く。

「ほら、皆頑張ってるんだしそれでいいじゃない。今アクセルが焦ってもしょうがないでしょ? 折角のフォーリンラヴタイムなんだから、もっと私の事を見てよね」
「フォーリンラヴって……いやまぁ、言いたい事は分かるけど」

 ここ最近は色々と忙しく、ミナトやエリナと会う機会が少なかったのは事実だ。
 勿論合間を見て通信で話をしたりしてはいたんだが、やっぱり映像モニタ越しではなく、直接こうして会って一緒にいるというのは大事な時間だろう。
 その分、食堂にいる男達から向けられる視線は厳しいものがあるんだが。
 今も俺の方へと向けて厳しい視線を送っているのは、言うまでもなく整備員達だ。
 ウリバタケの姿はないが、もしウリバタケがいれば俺の方へと厳しい視線を向けているだろう。
 まぁ、俺もそうなるというのは大体予想していたから、無理に何かする必要はない。

「それにしても……アクセルって相変わらずよく食べるわよね。丼物を3つも食べるなんて、少し食べ過ぎじゃない?」
「そうか? 以前もこれくらい食べてたと思うけどな」
「そう言えばそうだったっけ? でも、それ全部大盛りでしょう? よくお腹一杯にならないわね。いえ、太らないわねって言った方がいいのかしら?」
「元々俺は太らない体質だしな」
「……そうだったわね」

 ミナトの視線が一瞬だけ鋭くなる。
 だが、すぐに溜息を吐いて紅茶へと戻る。
 それを見ながら、カツ丼へと箸を伸ばす。
 以前に俺がナデシコに乗っていた時と比べても、随分と分厚い豚肉が使われている。
 それでいながら肉の中心までしっかりと火が通っており、その上パサパサという訳ではなくジューシーな揚げ具合だ。
 おまけにどうやって仕上げたのか、カツの衣もサクッとした部分がかなり残っている。
 勿論カツ丼らしく、出汁を吸って柔らかな食感の部分もあり、卵閉じになっている部分はカツ丼らしいカツ丼と言ってもいい。

「随分とカツが分厚いな」
「あははは。それはシャドウミラーのおかげさね」

 俺の言葉に応えたのは、ミナトではなく後ろから聞こえてきた声。
 そちらに視線を向けなくても、誰の声なのかというのは分かった。
 俺がナデシコに乗っている時、結構食堂に来てたしな。
 そうなれば当然この人物と話す機会も多くなるのは当然だった。
 その人物、このナデシコ食堂のシェフでもあるホウメイへと声を掛ける。

「俺達のおかげ?」
「ああ。ニヴルヘイムって言ったかい? あそこから大量の食料が配られているからね。おかげでこっちは材料の心配をしないでどんどん料理が出来るって訳さ」

 ああ、なるほど。ナデシコはアカツキを迎え入れた影響で迂闊に他の場所に寄る事が出来なくなっていた。
 そうなれば当然補給に関しても完全に、それでいて安全に出来るという訳にはいかなくなる。
 つまり、ニヴルヘイムに合流するまでは以後の事を考えて食堂で出す料理も節約を意識したものになっていたのだろう。
 ……そう考えれば、食堂にいる面子が嬉しそうなのはその影響か?
 いや、嬉しそうにしている者の中には俺の方へと視線を向けると睨み付けてくる奴もいるが。整備班とか整備班とか整備班とか。それから整備班とか。
 食堂には当然他にも男はいるんだが、どうしても俺に嫉妬の視線を向けてくるのは整備班の男のように思える。
 やっぱりこの辺はウリバタケが関係してるのか?

「それでアクセル。さっきも言ったけど、ルリルリは今凄く頑張ってるのよ」
「うん? ああ、それは分かってる。正直ルリだけにこの手の仕事を押しつけるのは色々と心苦しい……」

 そこまで呟き、ふととある人物の顔が脳裏を過ぎる。
 それは普通や平凡がいいとか言ってる女で、そう言いながら自分はつくづく普通ではない経験をしてきた人物。
 ネットワークに関係するという意味では、間違いなく凄腕と表現してもいい人物だ。
 長谷川千雨。現在はフリーターというか、ニートというか、無職というか。
 いや、時々シャドウミラーからの依頼を受けて仕事をしてるんだから、無職って訳じゃないのか?
 ……実は長谷川がニート生活を送っているのは、シャドウミラーにも幾らか責任もあったりする。
 電子精霊を使いこなし、ネットに関しては無類の強さを発揮する長谷川だ。当然ながらその技量に相応しいだけの技術料を支払うとなれば、相応の額になる。
 それこそ長谷川が贅沢をしなければ暫く暮らして行くだけの額は。
 何しろシャドウミラーにとって金というのは異世界間貿易の中継地点だったり、キブツにより資源を売り払ったりで幾らでも稼ぐ事が出来る。
 最近はそれにプラスして精霊の卵の稼いでくる金もあるが、その金に関しては精霊の卵の戦力を充実させる為に使っているので、俺達はノータッチだ。
 ともあれ、長谷川ならオモイカネと協力して……そう思った瞬間、不意にミナトが俺の頬へと手を伸ばして抓る。

「ちょっとアクセル。私がいるってのに、堂々と他の女の事を考えるなんて、随分といい度胸じゃない」

 頬を抓っている手をそっと外し、そのまま離すと再び抓ってきそうだったので、テーブルの上でミナトの手を握り締める。
 ……あ、周囲の整備班から向けられる視線が一段と強くなった。
 まぁ、それはそれとして。

「落ち着け。確かに他の女の事を考えていたのは事実だが、別にそういう意味で考えていた訳じゃない」
「じゃあ、どういう意味でよ?」

 そう言いつつ握っていた手を離し、指を絡めてくるミナト。……何だったか。恋人繋ぎ? そんな感じの握り方。
 当然周囲から……整備班の連中から向けられる視線は厳しくなるのだが、取りあえずそれは放置して口を開く。

「シャドウミラーがバイトとして雇っている人物に、ルリと似たような……いや、正確には違うけど、それでも同じようにネットの世界についての強い能力を持っている奴がいるんだよ。そいつに手伝って貰えればルリの負担も軽くなると思ってな」
「……どうせその人も女の人なんでしょ?」
「いや、それはまぁ、否定しないけど」

 けど言わせて貰えば、俺がネギま世界に行った時に放り込まれたのが女子校であった以上、その人材が女になるのはある意味当然だろう。
 何だかんだと美人なのは間違いないんだが。
 本人は3-Aについて他のメンバー程に美人だったり可愛くなかったりといった事を気にしていたみたいだったが、その辺は結局相手次第だろう。
 少なくても俺の目から見れば長谷川は十分美人の域に入る。
 それも中学生の時と違って今は立派な大人になっているのもあって、人目を惹き付けて止まない……って程じゃないが、それでも10人中5人くらいは振り返る程度には美人だろう。

「ふーん。アクセルの様子を見る限りだと、やっぱり美人なんだ」
「……取りあえず、それが本当かどうかってのは直接長谷川に会ってから決めてくれ」
「ふーん、長谷川っていうんだ。そうね。是非会ってからどんな人なのかを見てみたいわね。……まぁ、アクセルの性格を考えれば、実は何気にその気にさせてるって可能性も否定は出来ないんだけど」
「まるで信用がないな、俺」

 ミナトの言葉に呟くと、何故かジト目を向けられる。

「あのね。他の事ならいざ知らず、女関係でアクセルに信用があると思ってたの?」

 そう言われると俺も言葉に詰まる。……色々と実績があるからなぁ、俺の場合。実際、こうしている間にも整備班の連中から色々と視線を向けられている訳で。

「はい、お待ち。デザートのイチゴパフェ」

 カツ丼、牛丼、親子丼といった3つの丼を食い終わった頃を見計らい、テンカワがデザートを持ってくる。
 ちなみにこのイチゴパフェに関しても、シャドウミラーの補給があって作れるようになったメニューの1つだ。
 イチゴとかは新鮮な内に食べてこそだしな。

「それで、アクセル。ルリちゃんの負担が少なく出来るって本当か?」

 どうやらしっかりと俺達の話を聞いていたらしいテンカワの言葉だったが、別に隠していたわけでもないので、普通に頷く。

「ああ。このままだとルリに負担が掛かり過ぎるからな。それにまだ見つからないって事は、どのみち何か別の手段を打つ必要があるだろ」

 ルリとオモイカネというこの世界でも屈指のコンビで無理なら、考えられるとすれば全くネットとかがない場所に隠れているとかか。
 ……それだと結局長谷川がいても見つからないような気がするが……
 ただ、電子精霊であれば、ルリと違う捜索方法が出来るというのも間違いはない。
 それで見つかればいいんだが……

「そうか。ルリちゃんもこれで多少は休めるようになるのかな。……頼むよ、アクセル。ルリちゃんの為にも、その長谷川って人を連れてきてくれ。ユリカも、何だかんだと親父さんが生死不明だってショックを受けてるみたいだし」
「へぇ」

 テンカワの言葉に、思わずそう告げる。
 まさかユリカの事をそこまで心配しているとは思ってもみなかった。
 ユリカから一方的に攻められてるテンカワだが、本当のところはそう嫌って訳でもなかったのか?
 それとも単純に幼馴染みだから心配なのか……
 何だかこうして見る限りだと後者っぽいな。
 ともあれ、まずはミスマルとヨシサダを保護する事が最優先だな。

「……何だよ」

 俺の呟きをどういう風に受け止めたのか、テンカワが不満そうに尋ねてくる。

「いや、何でもない。イチゴパフェが美味いと思っただけでな」
「そうか? まあ、ナデシコ食堂のイチゴパフェだしな」

 そう言いつつ嬉しそうなのは、このイチゴパフェを作ったのがテンカワだったりするんだろうか。
 そんな事を考えながら、イチゴソースのかけられた濃厚なバニラアイスへとスプーンを伸ばすのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1200 
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