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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1388話

 地球から転移をしたナデシコが姿を現したのは、サツキミドリ2号から程近い位置にあるニヴルヘイムのすぐ側。

「ブリッジ、聞こえるな。そのままニヴルヘイムに向かってくれ。俺は先に外に出る」
『え? あ、はい。分かりました!』

 ユリカの声を聞きながら、今度はシステムXNではなく影のゲートでナデシコの外に出る。
 結構な魔力を消費するけど、これが一番手っ取り早い。
 ナデシコの中から外へ出る程度でシステムXNを使うのは色々と面倒だし、空間倉庫に入れて外に出て出すってのも手間だ。
 それならいっそ、多少多くの魔力を消費するのを覚悟の上で影のゲートを使った方がいい。
 何だか格納庫でまたウリバタケが騒いでいる気がするが……まぁ、いつもの事だしスルーの方向で。
 ナデシコの外へと出ると、ニヴルヘイムが映像モニタに映し出される。
 その周囲をメギロートが飛び回っているのは、反乱軍が妙な真似をしてこないようにという警戒からだろう。
 既にメギロートが臨戦態勢に入っている以上、反乱軍も迂闊な真似は出来ない筈だ。
 そんな中、ニヴルヘイムの周辺を飛んでいたメギロートの内の何機かがこっちへと向かって飛んでくる。
 恐らく突然ナデシコが現れたので、その確認の為に来たのだろう。
 事実、ニーズヘッグの姿を見たメギロートはこっちに向かってくる速度を弱め、ニヴルヘイムの方へと戻っていく。
 そして丁度そのタイミングで、ニヴルヘイムからの通信が入る。

『アクセル、無事だったみたいね』

 笑みを浮かべてそう告げたのは、ニヴルヘイムの指揮官でもあるマリュー。
 心配をしているというよりは確認してくるといった感じで尋ねてくる辺り、以前木連でゴタゴタに巻き込まれた時も思ったが、俺を信頼してると思うべきなのかどうか。

「ああ。見ての通り全く問題なしだ。俺としては恋人には心配して欲しいんだけどな」
『あら、アクセルがこの世界の揉め事程度でどうにかなる筈がないでしょ? もしこの世界の人がアクセルに危害を加える事に成功したら、寧ろ私はこの世界の人達を褒めてあげたくなるわ』
「いや、それもそれでどうなんだよ。とにかく、エザリアから話は聞いてるな?」
『ええ。この世界の人達にとって、いい事なのか悪い事なのか……ともあれ、色々と大きな騒ぎになるのは間違いないでしょうね』
「だな。ただ、シャドウミラーにとっては必ずしも悪い事ばかりじゃない。特に木連が絡んできている以上、堂々と生産プラントを奪えるようになったってのは嬉しい」

 正直、シャドウミラーの実力を知っている木連が、何故こんな暴挙に出たのかというのが俺には分からない。
 草壁辺りなら、自分達の実力でシャドウミラーに勝てないというのは十分に分かっている筈だろう。
 そこまで考え、つい先程マリューが言ったこの世界の揉め事という言葉を思い出す。
 そして連想されるのは木連内部で起きた騒動。具体的には、笠の男が俺を暗殺しようとした一件。
 もし今回の騒動の糸を裏で引いている者がいたとして、それは実は草壁だったりするのか?
 ……そう考えれば、捕まった笠の男が殺されたというのにまったく証拠が残っていないという草壁の言葉にも納得がいく。
 いや、寧ろ殺されたと言っているのは草壁である以上、あの笠の男はまだ生きている可能性すらある。
 勿論笠の男が死んだというのを示す為に血痕とかを見せる必要がある以上、アリバイ工作の類はしてるんだろうが。
 今回の件を思えば、草壁がこれ以上ない程に怪しく感じられるようになる。

『アクセル? どうしたの?』
「いや、何でもない。ちょっと木連に翻弄されていると思ってな」

 木連が元から今回のような色々な勢力を使った反乱を企てていたとすれば、グリューノとの会談に関しても今回の反乱を起こすまでの時間稼ぎだった……という可能性は十分にある。
 策士としては優秀だな。
 木連にも猪突猛進な熱血馬鹿以外にも人材がいたか。……秋山とかいたのを思えば、それが決して間違いって訳じゃないだろうが。

「とにかく、これからナデシコをニヴルヘイムに収納したい。どこに入れればいい?」
『えっと、そうね。……そのメギロートについていってちょうだい』

 マリューの言葉に頷き、ナデシコへと通信を繋げる。

「ナデシコ、聞こえているな。これからそっちに向かうメギロートの誘導に従ってニヴルヘイムの格納庫に入ってくれ」
『あ、はい分かりました。ミナトさん、お願いします』
『はいはい、任せてちょうだい。ニヴルヘイムは大きいから、ぶつけたりする心配はいらないのが嬉しいわね』

 笑みを含んだミナトの声が聞こえてくる。
 その声に嬉しそうな響きがあると聞いたのは、俺の勘違いか?

『アクセルさん、ではナデシコは出発します。ルリちゃん、周辺にデブリとかはないよね?』
『はい。不自然な程にデブリの類はありません。……あのメギロートがどうにかしたんでしょうか?』
『正解よ』

 マリューがナデシコの通信に割って入る。
 ナデシコのブリッジメンバーは、マリューについてはもう何度か顔を見た事があるせいか、特に緊張もせずに頭を下げる。

『お久しぶりです、マリューさん』
『ええ、久しぶりね。そちらも色々と大変だったようだし、ニヴルヘイムに来たらゆっくりと英気を養ってちょうだい』

 英気を養うと言っても、料理とかそういうのを準備するのは量産型Wで、ホウメイの技量には到底敵わないんだが。
 いっそナデシコがニヴルヘイムにいる間は、ホウメイにニヴルヘイムの食堂とかを監督して貰った方がいいか?
 そうすれば俺達は美味い料理を食えるし、同時に量産型Wにも経験を積ませる事が出来る。
 ホウメイの調理技術を量産型Wに習得させるという意味では、まさにベストの選択と言えるだろう。
 いっそ四葉をこっちに派遣して、ホウメイと一緒に技術交流をさせるというのも手か?
 一度四葉に提案してみるのもいいかもしれない。
 そんな風に考えている間にも、マリューとユリカの間でも会話は進んでいく。

『では、そろそろニヴルヘイムに来て貰える? そこにいれば反乱軍が攻撃してくるかもしれないし。……もっとも、この宙域に攻撃をしてくるとは思えないけど』
『あ、あははは。じゃあ、早速ニヴルヘイムの中に向かいますね。ミナトさん、お願いします』

 ユリカがどこかわざとらしい笑みを浮かべてマリューに答える。
 実際問題、今のニヴルヘイムに攻撃を仕掛けてくるというのは自殺行為以外のなにものでもないしな。
 この世界の戦力でニヴルヘイムをどうにかしようと思っても、まず確実に無理だろう。
 現在ナデシコ世界で最強の攻撃力を持つのがグラビティブラストだが、これを使用出来るのはナデシコと木連くらい。
 だとすれば、連合軍の一部とクリムゾングループ、ネルガル社長派の野合とでも呼ぶべき勢力はどう考えてもグラビティブラストを運用は出来ない。
 いや、もし運用したとしても、ヤンマのグラビティブラストはシャドウでも無傷で――バリアは1枚抜かれたけど――防ぐことが出来る程度の威力しかない。
 シャドウのバリアとは比べものにならない防御力を持っているニヴルヘイムに、毛程の傷すら付ける事は不可能だろう。
 ……ああ、でもネルガルは俺達が連合軍に売った相転移エンジンを使ってナデシコ級を建造してた筈だ。そう考えれば、もしかしたらグラビティブラストを使用出来る戦艦が出てくる可能性はあるな。……それが無意味だとしても。
 後は……クリムゾングループか。
 ネルガルに匹敵する大企業なだけに、何らかの新兵器を開発していたとしてもおかしくはない。いや、寧ろ開発していて当然と言うべきか。
 そうでなければ、とてもではないが今回の反乱に勝算を見出す事は出来なかっただろう。
 つまり、この反乱に参加したからには何らかの秘密兵器の類があってもおかしくない。
 それとも、もしかして木連頼りとかか?
 ……いやいや、まさかそんな事はないだろう。
 まぁ、クリムゾングループについての詳しい話は、それこそ後でアカツキ辺りに聞けば問題ないだろう。向こうが何らかの新兵器を開発していたというのであれば、少なからず情報は入ってるだろうし。
 ナデシコに先程俺の方へと近づいてきたメギロートが近寄って行くのを眺めながら、そんな風に考える。
 まさか、バリア技術だけでどうにかしようとしているなんて事はないよな?
 そももそクリムゾングループの特徴がバリア技術である以上、そんな風に思っても仕方がないのだが。

『じゃあ、アクセルさん。私達は移動を開始しますね。また後で会いましょう』
「ああ。ニヴルヘイムに行くのはこれが初めてって訳じゃないし、その辺は問題ないだろ。じゃあ、また後でな」

 そう告げると共に通信が切れる。
 ……さて、じゃあ俺もニヴルヘイムに戻るか。……戻る? まぁ、ニヴルヘイムがナデシコ世界で俺達の拠点である以上、その表現は決して間違ってる訳じゃないだろうけど。
 宇宙空間を移動しながら、これからの事を考える。
 まずやるべきは連絡の取れないミスマルやヨシサダといった連中を見つけ出して保護する事だ。
 現在の状況は決していいとは言えないが、それでもシャドウミラーとしては最悪という訳でもない。
 何故なら、今回の件に関わっている奴等はこの世界の不穏分子……と表現するのは正確じゃないが、それでもシャドウミラーとは敵対しかねない存在な訳だ。
 である以上、親シャドウミラーの勢力を作るという意味では地慣らし的な意味で考えれば産みの苦しみと言えるかもしれない。
 このナデシコ世界の住人にとってはいい迷惑だろうが。
 ナデシコが向かったのとは別の格納庫へと入り、機体を降りる。
 このニヴルヘイムに人の数は決して多くはない。
 量産型Wはかなりの数がいるけど、量産型Wはあくまでも自我の存在しない機械のような存在だしな。
 それでもその辺の人間よりは余程優秀だからこそ、シャドウミラーの質の主戦力として十分以上に役立ってくれているのだが。
 その量産型Wにニーズヘッグの整備をするように言ってから、影のゲートを使ってニヴルヘイムの司令室へと移動する。
 魔力を消耗するけど、この影のゲートってのはやっぱり便利なんだよな。
 それだけ難易度の高い魔法である以上、使える奴が少ないのは事実なんだけど。

「……あら、早かったわね」

 司令室の中に姿を現した俺に対し、マリューは全く驚いた様子も見せずにそう告げてくる。
 まぁ、長い間俺の恋人をやっている以上、影のゲートでいきなり姿を現す俺に慣れているってのもあるんだろうけど。

「ああ。それでナデシコの方は?」
「さっき入港完了したから、現在は量産型Wが部屋に案内しているわ」

 部屋に案内と言っているが、ナデシコのクルーは100人を超えている。
 その全てに個室を与えるのは、かなり手間だろう。
 量産型Wがいるのなら問題はないが。
 ただ、問題という意味では別にある。
 ナデシコのクルーの中には、間違いなく社長派のメンバーがいる筈だ。
 そういう奴にしてみれば、俺達の本拠地であるニヴルヘイムにやってきたってのは僥倖以外のなにものでもない。
 ナデシコ世界におけるシャドウミラーの本拠地でもあるニヴルヘイムのデータに関しては、それこそ反乱軍にとっては喉から手が出る程に欲しいものだろう。
 向こうに合流する事を考えている者にとっては、これ以上ない程の手土産と言ってもいい。

「マリュー、言うまでもないだろうけどナデシコクルーがニヴルヘイムの内部を移動する際には……」

 そんな俺の言葉に、最後まで言わずともマリューは頷きを返す。

「ええ。基本的にナデシコクルー1人につき量産型Wを1人つける予定よ。名目としてはニヴルヘイムの案内と護衛といったところかしら」
「……まぁ、案内ってのは嘘じゃないしな」

 ニヴルヘイムは、機動要塞という形式となっており、実質的には1つの街に近い。
 当然その広さも相応であり、初めて来た場合は迷いかねない。
 ブリッジメンバーを始めとして主要メンバーは以前ニヴルヘイムに来た事があるが、他の……一般のメンバーに関してはこれが初めてだ。
 そうなれば当然迷うような奴も出て来かねず、量産型Wが案内としてつくのは当然だった。
 ……まぁ、スパイにとっては怪しい動きをしようとすれば止められるので、邪魔以外のなにものでもないだろうが。
 護衛や案内という名目である以上離れるという事は基本ないので、スパイにとっては非常に邪魔な存在の筈だ。

「あ、それとウリバタケには量産型Wを2人つけてくれ。あいつの事だから、ニヴルヘイムを見て暴走しかねない」

 取りあえず忘れないうちにそう告げ、スパイなんかよりもウリバタケに対する監視の方が厳しくなるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1200 
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