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黄金バット 第十話 南海の死闘

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第二章

「博士自身がだ」
「ネットとかで、ですね」
「拡散しているんだ」
「じゃあ俺達がここに来るのは」
「あえてだろうな」
「海自や保安庁さんの艦隊を呼び寄せて」
「戦いたいんだよ」 
 一曹は鋭い目で言います、自衛艦はどんどん先に進んでいっています。二人がお話をしているその中でもです。
「あえてな」
「博士の策略ですか」
「乗ってるか、けれどな」
「放ってはおけないですね」
「実際あの戦艦がいる場所に船が通るとな」
「攻撃されますね」
「博士はそうしたことをしますね」
「それが怪人なんだよ」 
 やられたことを実際にやることがです。
「言ったことは本当にやる」
「そうですね、ナゾー博士もメンインブラックも」
「黒バットは言わないがな」
 この怪人はいきなり出て来て暴れようとします。
「そういう奴ばかりだろ」
「はい、言われてみれば」
「だから誘い出されてるにしてもな」
「やっつけるしかないんですね」
「ああ、絶対にな」
「わかりました、それじゃあ」
「行くぞ」
 そして博士が乗る戦艦を沈めようというのです、海の平和の為に。
 巨大戦艦が映った海域に来るとです、そこにでした。
 あの巨大戦艦がいました、そして。
 艦首の一番先の部分にです、あの博士が立っていました。
「フー=マンチェー博士か」
「やっぱりいるな」
「堂々と立っているぞ」
「俺達を待ち受けていた様に」
 自衛官の人達も保安庁の人達もその博士を見て言います。
「来たな」
「そうだな」
「あの博士が」
「それじゃあな」
「あの博士とな」
「勝負だ」
「いよいよ」
「諸君、よく来てくれた」
 その博士も言ってきました、マイクも拡声器も何も使っていないのにです。博士の声は皆の耳に入りました。
「私は君達を待っていた」
「博士、すぐに投降しなさい」
 自衛艦隊の司令が放送で博士に告げました、既に自衛艦隊と保安庁の艦隊は陣を組んで博士の巨大戦艦と対峙しています。
「我が国の領海での勝手な行動は許されない」
「そんな言葉は聞くつもりはない」
 全く、という返事でした。
「私は悪事を働きたいのだからな」
「この海域を通る船舶を攻撃するつもりか」
「如何にも」
「そんなことは許されない」
 はっきりとです、司令は返事を返しました。
「若し素直に投降しないのならばだ」
「戦うつもりか」
「実力を行使する」
「望むところだ」
 博士は悠然とです、艦首に立ったまま言いました。
「では来るがいい」
「全艦攻撃開始」
 司令は毅然とした声で命令を下しました。
「あの艦を沈めるのだ」
「了解!」 
 自衛官の人達も保安庁の人達もでした、司令の言葉に応えて。
 ミサイルを放ち砲弾を撃ってです、魚雷を発射しました。ですが。
 その全てをです、巨大戦艦は。
 バリアーを出して防いでしまいました、それを見てです。
 若林三曹はびっくりしてです、戸高一曹に言いました。
「そんな、バリアーなんて」
「いや、あの博士だ」
「バリアー位はですか」
「普通にだ」 
 それこそというのです。 
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