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黄金バット 第十話 南海の死闘

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第三章

「開発出来る」
「言われてみればあの博士なら」
「それ位のものはだな」
「開発出来るな」
「はい」
 こう一曹の言葉に頷きます。
「あの博士は天才ですから」
「そうだ、天才なんだぞ」
「悪事も含めて」
「だからバリアー位はだ」
「忌々しいですね」
「これ位は怪人なら普通のことだ」
 それこそというのです、そして。
 博士の巨大戦艦は自衛艦隊と保安庁の艦隊にです、何とです。
 主砲からです、とんでもないものを出してきました。
 それはレーザービームでした、ビームは一直線にです。艦隊のすぐ前の海に突き刺さりました。どの艦にも命中しませんでしたが。
 そのビームを見てです、司令も真っ青になりました。
「レーザービームか」
「恐ろしい武器を持っていますね」
「全くだ」
「今のは外れましたが」
「いや、わざと外した」
 司令は傍にいる幕僚の人に言いました。
「力を誇示する為にな」
「見たか、レーザーを」
 博士もこう言ってきました。
「今のは見せただけだ」
「そうか、やはりな」
「次は外さない」
 博士は宣言しました。
「総攻撃を仕掛ける」
 こう言ってでした、実際にです。
 巨大戦艦が動きました、数えきれないだけのミサイルと魚雷を発射してです。
 主砲の昇順を定めてきました、そのミサイルと魚雷を見てです。
 幕僚の人も真っ青になってです、司令に言いました。
「ミサイルと魚雷の数が多過ぎて」
「防ぎきれないか」
「はい」 
 こう司令に言うのでした。
「イージス艦全艦を使っても」
「魚雷もな」
「多過ぎます、全力で防いでも」
 全艦で全力を尽くしてもです。
「この攻撃を受ければ」
「艦隊は全滅か」
「はい、間違いなく」
「まずいな」
「司令、どうしましょう」
「覚悟を決めるしかないのか」
 司令は歯噛みしました、誰もが空を埋め尽くさんばかりのミサイルと海の中を覆っている魚雷に覚悟を決めました。
 しかしです、ここで。
「ハハハハハハハハハハハハハハ!」
「この笑い声は!」
「まさか!」
 見ればです、艦隊の旗艦の艦橋の一番上にです。
 黄金バットがいました、マントをたなびかせ両手を腰に置いて立っています。
 そしてです、博士のいる戦艦に向かって颯爽と飛ぶと。
 どういうことでしょう、黄金バットが通った後にです。
 ミサイルや魚雷が全てです、勝手に爆発しました。
「爆発したぞ」
「ミサイルや魚雷が」
「全てだ」
「これはどういうことなんだ」
「超能力だ」
 司令がまた言いました。 
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