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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第191話

アリシア女王による宣言が終わった後オリヴァルト皇子達をカレイジャスから見送ったアリサ達は徒歩でエルベ離宮に向かった。





同日、11:40――――



~エルベ離宮~



「うわあ……!」

「ここが”エルベ離宮”か……!」

エルベ離宮に到着したエリオットとマキアスはエルベ離宮を見て声をあげ

「綺麗……!」

「はい……緑に囲まれた離宮ですから、ここで過ごせばきっとリフレッシュできるでしょうね……」

「……いい”風”が吹いている所だな。」

アリサとセレーネは周囲の景色に感嘆の声をあげ、ガイウスは静かな笑みを浮かべた。



「話には聞いていたが、まさかこれ程とはな。」

「古くからの伝統を感じる素晴らしい離宮ですね………」

ユーシスとエリスは興味ありげな様子で景色を見回し

「うむ。それに雰囲気が何となくだがレグラムを連想させるな。」

「ん。確かにそれはわたしも感じた。」

ラウラの意見にフィーは静かな表情で頷いた。



「ねえねえ、ゲルド。もしかしてゲルドって、この会議がどうなるかも既にわかっているんじゃないの~?」

「ミ、ミリアムちゃん……それを聞くのは色々と不味いですよ……」

「……こんな時こそ”予知能力”の出番だけど……実際はどうなのかしら?」

ゲルドの質問したミリアムの言葉を聞いたエマは仲間達と共に冷や汗をかいた後疲れた表情で呟き、セリーヌは真剣な表情でゲルドに尋ねた。

「うん……”見える”わ。でもそれを聞いたらもし私が見えた未来が”良い未来”だったら後悔すると思うから、聞かない方がいいと思うわよ?」

ゲルドは静かな表情で答えた。



「ええっ!?じゃあこの会議がどんな”結果”になるのか、ゲルドは既にわかっているの!?」

「滅茶苦茶気になるけど、ゲルドの言う通り良い結果だったら、ネタバレされたようなものだから、嬉しさが一気に半減するから微妙よね……」

ゲルドの答えを聞いたアリサは驚き、サラ教官は苦笑し

「だが逆に悪い結果だった場合、取り返しがつかんぞ。」

「ちょっとユーシス……不吉な事を言わないでよ……」

ユーシスの意見を聞いたエリオットは不安そうな表情をした。



「フン、貴方達のような未熟者が今回の会議の護衛の任に就いているなんて、エレボニア帝国はよほど人材不足のようですわね?」

「え……」

「こ、この声って……!」

「!!」

その時聞こえて来た聞き覚えのある娘の声を聞いたエリスは呆け、アリサは信じられない表情をし、サラ教官が血相を変えて声が聞こえて来た方向に視線を向けるとデュバリィがリアンヌやアイネス、エンネアが離宮に面しているエルベ周遊道から現れ、アリサ達に近づいてきた。



「や、”槍の聖女”に”神速”……!」

「それに”神速”と同じ甲冑を着ているそなた達はまさか……!」

「”鉄機隊”か……!」

「”結社”出身なのによくこんな公式な場に堂々と顔を出せるよね~。」

リアンヌ達の登場にマキアスは表情を青褪めさせ、アイネスとエンネアを見て何かを察したラウラとユーシスは血相を変え、ミリアムは疲れた表情で指摘した。



「フン、今の私達は”英雄王”と”聖皇妃”の護衛騎士。会議に出席する”主”を守る為に護衛騎士である私達が護衛としてこの場に現れても問題はないでしょう?」

「た、確かにそうだけど……」

「そうは言うけど”鋼の聖女”に従っているだけであの二人を守る気なんてないのでしょう?」

「セ、セリーヌ……お願いだから喧嘩を売るような事を言わないで……」

デュバリィの話を聞いたエリオットは表情を引き攣らせ、セリーヌの指摘を聞いたエマは冷や汗をかいて指摘した。



「我らは”騎士”。確かにマスターに仕える事を至上としているが、そのマスターが仕えると決めた方達の身を守る事も騎士の務めだ。」

「まあそうは言っても、”聖皇妃”はともかくNo.1を軽く葬れる程の実力を持つ”英雄王”は守る必要なんてない……というかむしろ私達が足手纏いになるでしょうけどね。」

アイネスの説明の後にエンネアは苦笑しながら答えた後アイネスと共に自己紹介をした。

「自己紹介が遅れたな……我が名はアイネス。メンフィル大使リウイ・マーシルン並びにその奥方イリーナ・マーシルン直属の独立護衛部隊である”鉄騎隊”所属の”剛毅”のアイネスだ。以後お見知り置き願おう。」

「同じく”魔弓”のエンネア。”結社”出身の私達に対して様々な理由で思う所があり、信用できないでしょうが今の私達は貴方達と剣を交える”理由”もありませんし、そのつもりもありませんので警戒する必要はありませんわよ。」

「”剛毅”に”魔弓”……」

「……どちらも”神速”の彼女同様相当な使い手なのだろうな。」

二人の自己紹介を聞いたゲルドは呆けた表情で呟き、二人の強さを感じ取っていたガイウスは真剣な表情で二人を見つめて呟いた。



「えっと……リウイ陛下とイリーナ皇妃の”独立護衛部隊”とは一体どういう事なのでしょうか?」

「シルヴァン陛下が畏れ多くも私の実力を新参者でありながらファーミシルス殿やカーリアン殿と互角であると判断し、リウイ陛下とイリーナ皇妃の為に結成された部隊の事です。軍や親衛隊の指揮系統からは外れ、純粋にお二人を守る為に存在している部隊です。」

「なるほど……まさにお二人を守る為だけに存在する護衛部隊ですわね……」

エリスの質問に答えたリアンヌの話を聞いたセレーネは納得した様子で呟いた。



「正直な所リアンヌ様がお二人の親衛隊の隊長を務めて頂ければファーミシルス大将軍閣下の負担も減るので、できればお二人の親衛隊の隊長を務めて頂きたかったのですがね。」

その時シグルーンがゼルギウスと共にリアンヌ達の背後から現れた。

「フフ、またお会いできましたわね、”Ⅶ組”の皆さん。まずは三国の”試練”を潜り抜けた事……かつての”協力者”として遅れながら祝福の言葉を送らせて頂きますわ。―――おめでとうございます。」

「シグルーンさん………」

「”聖魔皇女”が今回の会議に出席したから、いるとは思っていたけど……」

「……よくもあたし達の前にのこのこと顔を出せたものね?」

シグルーンの登場にゲルドとフィーは複雑そうな表情をし、サラ教官は厳しい表情で問いかけた。



「……随分と嫌われているようだが何をしたのだ?」

「特に何も。私はメンフィル帝国軍人として当然の事をして、当然の事を言っただけよ。」

ゼルギウスに問いかけられたシグルーンは静かな表情で答えた。

「………そうか。―――自己紹介が遅れたな。メンフィル皇女リフィア・イリーナ・マーシルン殿下の親衛隊の長にして”カドール伯爵家”の当主、ゼルギウス・カドールだ。短期間とは言え妻が世話になった事、心より感謝する。」

「……………………」

「ユーシス…………」

自分の兄を直接手にかけた相手を複雑そうな表情で見つめるユーシスをラウラは心配そうな表情で見つめた。



「そ、その……シグルーン中将が仰っていた先程の話――――サンドロッド卿がリウイ陛下とイリーナ皇妃の親衛隊の隊長を務めてくれれば……という話は一体どういう事でしょうか?」

その時重くなった空気を変える為にエマは話を変えた。

「そのままの意味ですわ。今のリアンヌ様はシルフィア様と同一人物と言ってもおかしくありません。ならばシルフィア様が以前勤めていたようにリウイ陛下達の親衛隊を率いる者として申し分ないですから、陛下とイリーナ皇妃の親衛隊の隊長を兼任しているファーミシルス大将軍閣下の負担も減るのです。」

「ですが事情を知らない者達から見れば私は新参者の上、元敵組織の最高幹部。そのような待遇にしてしまえば、必ず不満が出てくると思い、辞退したのです。」

「確かに何も知らない方が親衛隊―――それも前皇帝夫妻の親衛隊を率いる者にリアンヌさんが抜擢されれば、納得できませんわよね……」

シグルーンとリアンヌの説明を聞いたセレーネは納得した様子で頷いた。



「というか一つ疑問なんだけど、”鉄機隊”のアンタたちはよくメンフィルに仕えようと思ったわよね?メンフィルに”結社”を潰されたっていうのに。」

「セ、セリーヌ。」

「君もミリアム同様もう少しオブラートに聞く言い方を覚えるべきだぞ……」

デュバリィ達への問いかけをするセリーヌにエマは冷や汗をかき、マキアスは呆れた表情で指摘し

「あ、確かにそれはボクも疑問に思ったな~。」

「しかも”神速”の場合、メンフィルに散々煮え湯を飲まされたのに、よくメンフィルに寝返ったね?」

「グッ……!」

ミリアムとフィーの指摘にデュバリィは表情を歪めた。



「我々が仕えているのは”結社”ではなくマスターだ。そしてマスターがメンフィルに降るというのならば、マスターに剣を捧げし我らも共に降るというのが”騎士”だ。」

「まあ、マスターの正体を聞いた時は最初は驚きましたが、だからと言って私達の忠誠がその程度で揺らぐと思ったら大間違いですわ。」

「フン、その通りですわ!それに”結社”よりも凄まじい使い手揃いのメンフィルにいれば、私達の武を更なる高みへと磨き上げる事ができますわ。ま、リベール領になるかもしれないアルゼイドの娘では一生かかっても私達に追いつけないでしょうけどね。」

「な――――」

「レグラムがリベール領になる可能性があるだと!?」

「……一体どういう事だ?リィン達の話ではメンフィルはクロイツェン州全土を絶対に渡さない様子だとの事だが……」

得意げに語ったデュバリィの予想外の発言にラウラは絶句し、ユーシスは驚き、ガイウスは不思議そうな表情で尋ねた。



「……デュバリィ。」

「あ”。」

その時呆れた表情をしたリアンヌがデュバリィの名を呼ぶとデュバリィは自分の失言に気付いて大量の冷や汗をかきはじめ

「貴女には後で情報を秘匿する意味を一から教える必要がありますね。勿論貴女達もですよ。アイネス、エンネア。今の私達は国に所属している”軍人”でもあるのですから、”結社”に所属していた頃との違いも含めてデュバリィ共々後で教育しますからね。」

「ハッ!」

「御意。全く、貴女は私達の”筆頭”なのですからもう少ししっかりして欲しいですわ。」

「も、もももも、申し訳ございません、マスター!」

リアンヌの言葉にアイネスと共に返事をしたエンネアは呆れた表情で必死でリアンヌに謝罪しているデュバリィを見つめた。

「フフ……―――それでは私達は一端失礼しますわ。」

「―――失礼する。」

そしてゼルギウスやシグルーン、リアンヌ達はアリサ達から離れてエルベ離宮の方へと向かって行った。



「さっきの”神速”の人が言ってた事って、一体どういう意味なんだろう……?」

「ラウラの故郷―――”レグラム”がリベール領になるかもしれない話ね……」

「戦争回避条約の内容やリウイ陛下からの兄様への伝言を信じる限り、メンフィルは例え情状酌量を認めても、クロイツェン州は返還しないのに一体何故レグラムだけ……」

ゼルギウス達が去った後エリオットやゲルド、エリスは考え込み

「……あくまであたしの推測だけど、もしかして”微笑みの剣妃”が言っていたリベールがメンフィル、クロスベルによる二大国侵攻を認めた件が関係しているんじゃないかしら?」

サラ教官の言葉によってゲルドを除いた全員はカレイジャスでのルイーネの発言を思い出した。



メンフィルがリベールに対して”謝罪金”として長期間メンフィルの税金の一部―――それもリベールにとっては20倍以上にあたる1年の国家予算を支払う事に加え、メンフィルとクロスベルが二大国との戦争によって得た領地の一部をリベールに贈与するという内容があった事が一番の理由だと思われますわ。



「あ……っ!」

「た、確かにそんな内容を話していたな……!」

ルイーネの発言を思い出したアリサとマキアスは声を上げ

「そしてリベールに贈与する領地の一部がラウラの故郷かもしれないって事か。」

「………………」

「ラウラさん……」

フィーは真剣な表情で呟き、故郷が国家間の取引に使われている事に複雑な思いを抱えて黙り込んでいるラウラに気付いたエマは心配そうな表情をした。



「君達も来ていたのか………」

するとその時ロイド達―――”特務支援課”がアリサ達に近づいてきた。 
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