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幻奏破戒浪

作者:Au96
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半妖が見るは剣舞か争か
始まりの世界
  相対するは半妖と少年

 
前書き
Au96「それでは後編になります。若干のネタバレが入りますがお気になさらず読んでもらえれば嬉しいです。いやマジで」

黒「苦手とほざいていたバトルシーンだ。白との契約を守ってしっかり書けよ」

Au96「わかってますよ・・・それじゃ、物語を始めよう」 

 
放課後 教室内

少年は悩んでいた

カミト「うーん。急に闘いを挑んできたけどやっぱり魔王と同じだから敵視されてるのかな?本人は違うって言ってたけども・・・」

しかし少年がいくら悩んでも答えが出ることはないまま約束の場所へと向かった

同じく放課後・約束の場所

その半妖は悩んでいた。
四人目は使えない、そして相手の使う精霊魔装がわからない。誰が使えばいいのかが分からない

黒「困りましたね。誰を使えばいいのやら」

そんなひとりごとをつぶやくと

エリス「成程三重契約もすれば相手によって精霊を使い分けられるのだな」

黒「おや、エリスじゃないですか。何をしにここに来たのですか」

エリス「おいおい、友達が男の精霊使いと学院に残るかどうかを賭けて闘うというのだから探し出してでも見に来るのは当然だろう。周りに何故か人よけみたいな物があったが、あれは勝敗を分からなくするためか?」

黒「そんな物は一切賭けてないですよ。皆さんそんなにカミトさんが嫌いなのですかね。あと人よけの結界は普通に見られたくないのです。エリスも早く帰ってください」

エリス「つれないな。まあ勝敗ぐらいは教えてくれよ。しかしそうか、奴がここから居なくなることはないのか。残念だ」

そう言ってエリスはどこかに行ってしまった

やっとエリスがどこかに行ってくれたよ。カミトって嫌われてるんだな。たった一人の男子生徒ってのはそんなに嫌われるものか。
まあ魔王再来とか騒がれてたししょうがないっちゃしょうがないのか




数分後
半妖は少年と再会した

黒「遅かったですね。カミトさん。隣にいる少女は誰ですか?誘拐でもしてきたのですか?」

カミト「いろいろあったんだ。気にするな」

黒「まあ、この剣舞についていろんな噂が立っていますが気にせず始めましょう。これは双方何も賭けていない純粋な剣舞です」

カミト「そうだな。エスト!!」

エスト「はいカミト。私はカミトの剣。カミトの望むままに」

すると近くにいた少女が剣に変わる
人型の精霊ってマジで洒落にならないぞ・・・

黒「成程。剣精霊ですか。それも人型と来ましたか・・・かなりやばそうですね」

――妖刀 夢を砕く双剣――

まあ剣精霊なら妖夢でいいよな

妖夢『いま幽々子様の夕飯の片付けをしていたのですが』

いやマジホントすまん。ただ相手を見る限り妖夢しかいなかったし

二人のあいだに静寂の時が流れる
静寂を破り先に飛び出したのはカミトだった

カミト「こちとら燃費が悪いんだ。あんたには悪いがさっさと終わりにさせてもらうよ!!」

尋常ではない速さで剣が横薙に振られる
対し黒銀は反応していないのか双剣を構えたまま動かない。最もその構えも腕をだらりと伸ばしただけのものだが
カミトが勝利を確信し剣を振るうがその先に黒銀はいなかった

黒「そんなことは神威の流れを見ていれば簡単に分かることです。貴方の力はまだまだ全盛期とは程遠いようですが多少は戦える筈です。今出せる全力を見せてください」

その言葉が聞こえて来たのは背後だった
カミトが振り向いた時にはもう双剣は目の前まで迫っていた

カミト「!?速い!!」

辛うじて受け止めるも目の前の少女の流れるような双剣からは逃れられない
カミトは唯一使える精霊魔法で短剣を創り出すとそれを目の前の少女に向かって投げつけた
少女がよけているあいだにカミトは後ろに飛び上がり距離をとって着地する
!!あの動き、そうか・・・成程それならあの強さも納得できる。やはり全盛期よりも数段弱くなっていたか
あてずっぽうで全盛期とか言ってみたけど意外と当たるな

黒「急に刃物を向けてくるなんて危ないですね」

カミト「余裕綽々って顔してる奴にそんなこと言われたくないな」

黒「黒、で構いませんよ。私とこれだけ闘う事ができるならあなたとは上手くやっていけそうですから」

カミト「それは光栄なことだよ黒」

黒「それと一つ分かったことがあるのですが」

カミト「なんだよ」

黒「貴方がレン・アッシュベルなのですね」

カミト「どこでそれを・・・?」

カミトが驚いた顔をする。それと同時に警戒の色を強めていく。
こんなところで唯一の男子生徒との繋がりが切れると嫌なので早めにネタばらしをする

黒「以前友達の部屋で見たレン・アッシュベルの動きとカミトさんのそれが酷似していた為です。そして私が全盛期がどうのこうのの話をしたときカミトさんは僅かに顔に焦りの色を浮かべていました。それはカミトさんが私に自分の秘密がバレたかもしれないと思ったからではありませんか?その二つよりカミトさんがレン・アッシュベルであると結論付ました」

カミト「恐ろしい洞察力だな・・・それはそうとそろそろ俺の神威が枯渇しそうなんだが」

黒「むっ・・・決着がつかないのは少々都合が悪いですね。それではこの一撃で幕引きとしましょう」

そういった途端黒銀の持つ双剣に普通ではありえない量の神威が集まっていく

カミト「常人ではぶっ倒れるレベルの神威を操るってのもあながちデマ情報ではないかもな」

カミトの背中を暑さからくるものではない汗が垂れる

カミト「いまやれるかどうかわからんがやるだけやって見るか」

黒「いきます!!」

そう叫び黒はスペルカードを発動させながら烈火の如く飛び出した

――獄界剣〝二百由旬の一閃〟――

カミト「絶剣技初ノ型〝紫電〟!!」

二人の剣技が重なる。
強大な神威同士がぶつかり合い、砂埃を巻き上げ、地表を剥がし、巻き込まれた精霊を塵芥にする・・・!!















巻き上がった砂埃が晴れたときたっていたのは黒銀だった

黒「はぁ・・・はぁ・・・もう限界です」

そう言って倒れかけた黒を突然出てきた妖夢が支える

妖夢「お疲れ様でした」

カミトのほうを見ると彼も現れた精霊に支えてもらっていた

エスト「大丈夫ですかカミト?」

カミト「ああ、済まないなエスト」

エストと言う名前らしい
・・・エスト?どっかで聞いた気が・・・気のせいかな

黒「強いですねカミトさんは。正直限界でした」

戦って思ったことを素直に話す
するとカミトは

カミト「ばかいえ。あれが本気じゃないんだろ?」

と返してくる。
限界なのは事実だが、あれが全力ではないのも事実だ。しかし

黒「それはお互い様でしょう」

カミトもまた全力で挑んできているわけではないことを黒は分かっていた

カミト「ばかいえ。今の俺の全力だっての」

黒「フフフッ!そうですか!」

カミト「ああそうさ」

ああ面白い

黒「あなたといると本当に面白いことが尽きません。これからもよろしくお願いしますね」

カミト「黒に頼るような事態になるのは遠慮したいな」

本当に面白い。
やはりこの世界の中心はカミトだったか

カミト「そう言えば闘ってる間人が誰一人としてこなかったな」

黒「ああそれは私の持つ龍の力でまわりの天候を濃霧にしたので戦いを見ようとわたし達を探してる人達は大体迷って諦めました。それに人よけの結界的なアレもはっていましたし。十中八九人は来れないでしょう」

カミト「ちょっと待てお前龍なのか!?」

ヤベー口滑らせた。
ここでバレるのは都合が悪いがカミト相手に隠し通せるとも思わないしな・・・

黒「このことは誰にも言わないでくださいよ?」

カミト「分かった。誰にも言わないから、その怖い笑顔をやめよう?綺麗な顔が台無しだよ」

こうして黒が大事な秘密をうっかり漏らして少年と半妖の決闘は幕を閉じた
その後グレイワースに抗議しに行ったが黒は男子制服をもらえなかったとか















後日

カミト「あの最後の奴どうやったのかいい加減教えてくれてもいいんじゃないか」

黒「ですから二百由旬の一閃はただ相手の間合いに尋常ではない速さで飛び込み剣を振るっているだけだといってるでしょう」

仲良くなった学院最強と唯一の男子学生の姿が見られたという 
 

 
後書き
Au96「やっと終わった・・・マジで戦闘シーンとか無理」

黒「お疲れさん。それで次回は何をするんだ?」

Au96「次回はついにヴァルサリアとの出会いだよ。そしてメインは白だ」

黒「なん・・・だと?」

白「やったね。それじゃあここからは真面目な話。今回前後編にしたくせに更新が遅れてすみませんでした」

Au96「今後このようなことが起こらないよう、また前後編になったとしても早く更新できるよう精進しますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!では次回も」

黒、白、Au96「「「ついて来てくれるならば幸いです!!」」」 
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