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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第38話 フェイトとデートと追跡者

「どうしよう…………」

俺は悩んでいた。
ベットの上に散らかってるのは俺の服。
その服達とにらめっこしていたのである。
なぜこのようになっているかというと、明日にある俺の一大イベントが原因だったりする。

『だったら一緒に遊園地に行って欲しいんだけど………』

めっちゃびっくりした………
数秒固まっちゃったもん。

今までは女の子と1対1で出かけるなんて星達としかなかったからな。
どうすればいいかイマイチ分からん。

「まあ、なるようになれか」

俺は出していた服を全部クローゼットに仕舞い込み布団に潜った…………
明日の気分で決めよう。






「どう思う?」
「僕は誰かとデートだと思うよ………」
「我もそう思う………」

3人は零治の部屋の前で小声で話している。

「私達の時はあんなに悩んで選んでないのに……………なんか悔しいですね」
「そうだね、僕たちは悩んで選んでたりするのに………」
「しかし、一体誰なんだ?」

夜美の言葉で3人は考え始めるが答えが出ない。

「フェリアなら知っているかも」
「さっき聞いたがフェリアでも分からないらしい」
「そうですか………」

暫く黙る3人。

「……………明日、私達も付いていきましょう」
「そうだね、僕も気になるもん」
「我もついて行くぞ」

「なら明日は早起きですね」

星の言葉に頷いた3人はそれぞれ自分の部屋に戻った……………





同時刻……………

「母さん、私、明日遊園地に行くでしょう?こういう時って何を着てけばいいのかな………」
「もう、あなたがメインじゃないんだからはやく決めて寝なさい。早く起きてお弁当も作るんでしょ」

フェイト宅。今、フェイトはリンディと二人で明日のことについて話していた。

「でも、フェイトにも春が来て母さん嬉しいわ。相手の男の子はどんな子?かっこいい?それとも童顔?」
「母さん、顔が近いよ………前に言った零治だよ。それに明日付き合ってもらうだけだから」

娘に男の話なんて無かったリンディにとって恋愛話はとっても興味があった。

「零治君かぁ………私も明日一緒に行こうかな」

「えっ!?いいよ、恥ずかしいから………」

「いいじゃない、あっ!?もしかして私がいると邪魔になるかしら?」

「そんなんじゃないって!!……………全く、明日は私の為じゃないんだからね」

「分かってるわよ。でもね……………やっぱり気になるのよ!!!」

「もう寝る!!」

顔を赤くして部屋に戻るフェイト。

「あらあら、可愛いわね」
「どうしたんだ〜?」

小さな女の子になっているアルフがリンディに話しかけた。

「明日、遊園地にフェイト行くじゃない?それにね男の子を連れて行くんだって」
「男〜!?フェイトにそんな奴がいるのか!?まさか、あの変態じゃあ………」

「ああ、神崎君ではないらしいわよ」

「へぇ〜やっとフェイトにも春が来たのか」

「そうね。私も嬉しいわ」

と二人で話していると………

「何だと!?」

とちょうど帰ってきたお兄ちゃんこと、クロノが驚いた顔をしてリビングのドアの前に立ち尽くしていた。

「相手は誰なんだ!?」

リンディの前に来て焦りながら聞くクロノ。

「ちょっと焦らないでよ。前にフェイトが話してくれた零治君よ」
「有栖零治…………」

クロノは最近貰ったメールの内容を思い出していた。

『今日ね、零治が、またなのはに余計なこと言っておはなしされていたの。なのはね容赦ないんだよ。』
『零治ってね、家族思いでね、今日も買い物頼まれたって学校終わったら直ぐに隣町のスーパーまで買いに行ってるんだよ。』
『この前ね…………』

「あいつがフェイトの…………」

「ちょっと、クロノ?」

「お前、恐いぞ」

「こうしては居られないな」

クロノは2人をスルーしてさっさと自分の部屋に戻ったのだった………








「ふぅ…………」

現在7時30分。
駅で待ち合わせをしているのだが、集合時間は8時なので男の面子はたったかな。

「お待たせ」

フェイトは少し大きめなバックを抱え、右手に男の子と手を繋いできた。

「その子がエリオ君?」

「うん、ほらエリオ」

手を繋いでいた男の子がおずおずと俺の前にやって来た。

「え、エリオ・モンディアルです………」

フェイトの後ろに隠れながら自己紹介する。
やっぱり怖いのかな………

「俺は有栖零治だ。今日1日楽しもうな」
「それじゃあ、行こう」

簡単な挨拶を済ませ、俺達は電車に乗るのだった。



実はフェイトのお願いはエリオの面倒を一緒に手伝って欲しいとのことだった。
エリオは人造魔導師だとは俺のうろ覚えの知識が覚えている。あとそのせいで人間不信なのも。今のエリオは特に男性に対してまだ抵抗があるらしい。
フェイトの考えは遊園地で遊びながら少しでも人に慣れて欲しいというのがフェイトの考えだ。

それで俺を誘ったのだった。

「でも、俺も男だぜ?大丈夫かよ………」
「大丈夫だと思うよ。零治は優しいから」

信頼されているのは嬉しいけど、不安があるっちゃあるんだけどな………






「行くぞ」

「「うん(はい)!!」」

サングラスと帽子を被った3人の女の子達が駅に入っていった。



「あれが零治か………」

夏に近いのにもかかわらず、ロングコートと帽子とマスクを着けている男性も駅に入っていった………






現在、電車の中。俺、エリオ、フェイトという順番で座っていた。
ぎこちないエリオに俺は手っ取り早く仲良くなるべく、ゲームを与えてみた。

やっぱりゲームの力は偉大だ!!まだぎこちないが、エリオと少しづつ話せるようになった。

「へぇ、ランスか。意外な武器選ぶな」

「えっ!?駄目ですか………?」

「いや、ダメじゃないさ。自分で使いやすいと思えれば良いんじゃないか」

「よかった。仲良く出来てるね」

「おう!俺とエリオはもう家族みたいなもんさ」

「家族……………」

「おう!!俺も弟を持てて嬉しいしな。今度家に来いよ。家にいるライって奴と夜美って奴もモンバスやってるんだ。一緒にやろうぜ」

「は、はい!」

「でも本当に良かった。これなら遊園地も仲良く出来るね」

「そうだな。それで最初に何から乗るか決めてるか?」

「ううん、私遊園地って余り行かないから…………」

「はぁ!?エリオはともかく、フェイト本当に中学生か!?」

「何回かはあるもん!!…………………みんなで一回」

俺は頭を抱えた。
こいつら本当に中学生かよ………
今から仕事中毒とかどうしようもないな。

「フェイト、今からそんなだと絶対結婚できないぞ」

「だ、大丈夫だよ!!多分………」

「駄目だな。エリオ、フェイトが売れ残ったらエリオがもらってやれよ」

「僕がですか!?」

「おう、美人だし自慢になるぞ〜!!」

「び、美人だなんて………」

「でも、僕なんか………」

「私はエリオならいいかな」

「というか子供に貰ってもらう気になってるフェイトの将来が俺は心配だ」

「はうっ!?」





「エリオ、さっきから何のゲームしてるの?」

「モンスターバスター2だよ。零治お兄ちゃん、これって面白いね」

お兄ちゃん!!
やばい、加奈やウェンディとは全く感動が違う。
やっぱり心が清らかだからかな……………

「モンスターバスター?」
「………お前、マジで言ってる?」

どんだけCMで流れてると思ってるんだよ………

「僕、昨日テレビで見たよ」

「えっ!?エリオ、知ってたの!?」

「うん、見てやってみたいと思ったんだ。そうしたら零治お兄ちゃんが………」

「長かったらレイ兄とかでいいぞ。フェリアの妹からはそう呼ばれてるんだ」

ウェンディだけだけど………

「分かったよ、えっと………レイ兄」

うん、子供ってやっぱ素直で良い。

「何か私より仲が良いかも………」

少しむっとするフェイト。

「悔しかったら、エリオから大好き!!って言われるくらいエリオを楽しませな」
「うん、私頑張るよエリオ!!」
「う、うん………」

テンションを上げたフェイトに戸惑うエリオだった………





「楽しそうだな………」

「フェイトは危険ですね」

「う〜、フェイトだったら僕の方がナイスバディなのに………」

「「………………」」

「えっ!?何で2人共僕を睨んでるの?」

「いや、どこからか戯言が聞こえたからな」

「そんな子にはオハナシするべきですかね?」

「う、うん。そ、そうかもね………」

あまりの恐ろしさに何も言えなくなってしまったライだった。






「仲はなかなか良さそうだな………」

さっきの男は新聞に穴を開け、そこから零治達の様子を見ていた。

「エリオもあんなに話しかけている…………あいつ………」

悔しそうにその様子を伺っていた…………





「ねぇリンディさん、クロノ君は?」

「何か用があるって朝早く出ていったわよ」

「あれ?クロノ君、部下の人から急に休みを取ったって聞いたのに………」

暫く考える2人。

「まさか…………」

「いや、流石に無いわよ」

「そうですよね。それより、フェイトちゃんの料理どうでした?」

「意外と上手に出来てたわ。もう少し失敗すると思ってたのだけど。味付けも少し薄いぐらいで大丈夫だったし」

「そうですか。フェイトちゃん、相手に褒めてもらえたら良いですね」

「そうねぇ………」

そういいながら、ぐちゃぐちゃになったキッチンを見た。

「私が間に合って本当に良かったわ」

2人はキッキンの片付けをした後、家でゆっくりしていたのだった…………

「はむはむ………クロノが変な格好して出ていったって言うべきかな………」

そんな様子を見ながらフランスパンをもぐもぐしてアルフが言ったのだった。







「へっくし!!………………誰か噂でもしてるのか?」

ロングコートでマスクの男、クロノ…ハラオウンは相変わらず新聞に開けた穴で3人を監視しながら、そう呟いたのた。




「到着!!」

「わぁ………」

エリオはあまりの広さに驚いているようだ。

「予想以上に大きい………」

「それはそうだよ。遠見ハイランドパークは日本有数の巨大テーマパークだからね」

「エリオはここの遊園地を知ってるの?」

「あっ、テレビで………」

「なるほど………」

まだ、気を使ってる気がするなぁ………
もっと子供っぽくても良いだろうに。

「それじゃあ、チケットを………」

「はい」

フェイトから渡されたのはハイランドパーク1日フリーパスだった。

「これは?」

「母さんが新聞屋さんから貰ったの。だから………」

「なるほど、だったら早く行くかエリオ」

「は、はい」

「あっ、待ってよ!!」

3人は遊園地へと入っていった…………





「ハイランドパーク………」

「ライ、遊びに来たのではないのですよ」

「うん、でも一回くらい………」

「星、ライのチケットは買う必要は無いぞ」

「分かった!ごめんってば!だから置いていかないで!!」

マジで置いていきそうな2人に慌てるライ。
3人は一番安いチケットを買って中に入って行った………





「一番安いチケットで1500円もするのか。………仕方がない」

入り口で文句を言う怪しい男、クロノ・ハラオウンは愚痴っていた。

「お客様、持ち物を調べさせていただいてもよろしいですか?ただいま、前の観覧車爆発事件を教訓にテロ対策としまして、持ち物検査を徹底しております」
「そうか、なら仕方がないな………」

クロノは係員の誘導で別室に連れていかれたのだった…………

「さて、まずはどれに乗りたい?」

俺は入って直ぐにエリオに聞いてみた。

「え、えっと………」

慌ててパンフレットを開けるエリオ。

「私、この3Dスクリーンが見てみたい」
「何でフェイトが答えるんだよ………」

俺はエリオに聞いたのに………

「僕もフェイトさんと同じで良いです」

「ほら、エリオが気を使ったじゃないか〜」

「えっ!?ごめんねエリオ………」

「フ、フェイトさん、僕は大丈夫ですから泣かないでください!!」

泣き真似をするフェイトに慌てるエリオ。
いやぁ、純粋な子はいじりやすい。

「冗談はそこまでにして、さっさと行こうぜ」
「うん、エリオも」
「あれっ?フェイトさん?」

エリオの疑問には答えず、二人はエリオを引っ張って行った。



「よし、動いたぞ!」

「ライ、行きますよ!!」

「ゴットスライダー……………」

「ちょっとライ!?」

引っ張って連れていこうとした星が逆に引っ張られる。

「ゴットスライダー………」

「力が強い!?夜美手伝って下さい!!」

「ライ、いい加減にしないか!!レイ達を見失ってしまうぞ!!」

「ゴットスライダー………」

暫くの間、ライが我に返るまで一生懸命抑えていた2人だった………




「凄かったね………」

「はい、映像が出てきてビックリしました」

「楽しんで貰えて何よりだ。それで次はどこに行く?」

「あの………僕、ここに行きたいです………」

エリオが指さした場所はカウボーイショット。
射的を楽しめ、高得点だと商品までくれる子供に人気のスポットだ。

「おっ、いいチョイスじゃん。じゃあ次はそこに行くか」

俺たちはカウボーイショットがある場所へ向かった………





「っく、かなり時間を食ったな………」

あの後事情聴取を受け、暫くしてやっと解放してもらえた。

「このコートと帽子がいけなかったのか?」

事情聴取の原因も怪しいからと言うのが原因だったみたいだ。
地球の漫画でこの様に尾行している場面を見たことがあってこうしたんだが………

「仕方ない………」

僕は遊園地のロッカーにコートと帽子を突っ込んで遊園地へと入った。

「ふぅ、涼しくなったな。では、フェイト達を探すか」

クロノ尾行再開……………




「ルールを説明するぜ!!」

カウボーイハットを被り、ウェスタンの格好したマッチョのおっさんが言った。

「制限時間1分30秒、女性と子供は2分だ。その内に10000点以上だと商品ゲットだぜ!!」

どうでもいいけど暑苦しいおっさんだな………
しかし商品も意外と多いな。

10000点 カウボーイショット記念ステッカー

15000点 商品券1000円

20000点 カウボーイショット記念エアガン

25000点 遠見市ハイランドパーク一日フリーパスペアチケット

30000点 ???



ステッカーとエアガンは男の子とかは嬉しがるのは分かるけど???ってなんだ?

「ちなみに30000点をとったお客様はほとんどいないぜ!!是非彼女にいいところを見せてやりな!!」
「わ、私は彼女じゃ………」

そう言ってチラリと零治を見るフェイト。

「エリオは何が欲しい?」

「う〜ん…………エアガンが欲しいかな………」

「…………………」

「あらら、彼氏さんは弟君の面倒で大変みたいだな。嬢ちゃんいいこと教えてやるぜ」

「なんですか?」

「いいから耳をこっちに」

ん?フェイトとおっさんは何やってんだ?
あっ、フェイトが真っ赤になった。

「どうしたんだフェイト?」

俺は心配になり、フェイトの元へ行くが、

「な、なんでもない!!それより早くやろう!!」

慌てた様子でエリオの所に走っていった。

「何を言ったんです?」

「女の秘密さ」

……………あんたのナリで女だったら俺はビルから飛び降りるぞ。

「だがさっきも言ったが、30000点は今までとった人はほとんどいないから厳しいぜ。まあ頑張ってくれよな!!」

暑苦しくサムズアップするおっさん。
うわ、暑苦しい………

「じゃあ、僕からやるね!」

気合を入れて銃を構えるエリオ。
的は出たり入ったりするよく見る奴だ。
小さい的になっていくほど高得点みたいだ。

「てい!!」

エリオは小さい奴から狙っているが、的にうまく当たらず外れている。
そして小さい的は動きが早く、直ぐに潜ってしまいなかなか当てられなかった。

その結果…………


「残念!!4500点だ!!」

おっさんの声が響く。
結局エリオはその後も小さいのを狙っていたが、なかなか当てられずにいた。

「うぅ…………」

エリオも悔しそうだ。
商品のエアガンを見ている。

「大丈夫だって、俺が取ってやるから」

「レイ兄………」

「おっさん、やるぜ」

「零治、頑張って30000点ね!!」

「いや、俺はエリオのエアガンを………」

「30000点ね!!!」

「……………ああ、頑張る」

何をそんなにマジになってんだフェイト………

「まあいいか」

俺は銃を手に取った。






「ねぇ、零治はこれやったことあるの?」
「残念ながらやったことないな」

いつもライに付き合って終わりだからな………

「銃とかは?」
「ここは日本なんだけど………」

銃刀法違反で捕まるわ。
まあみじかにぶっぱなしてた人はいたけどな。

「レイ兄始まりますよ」

おっと、それじゃあ、いきますか!!
大きい合図と共に弾が飛ぶ。

撃った弾は小さな的の中心に吸い込まれていくように飛んでいく。
弾は見事に中心を打ち抜いた。

「凄い!!レイ兄!!」

「零治凄い!!」

「………だろ〜!!」

言えない………合図にビックリして引き金を引いたなんて言えない………
そんなことを感じながら俺は違う的を狙う。

「ちぃ!!」

片手で引き金を引く俺。
気分は白い悪魔。

「なんとぉー!!」

お次は海賊やってたパン屋さん。

「狙い撃つぜ!!」

銃といったらやっぱりこの人。
うわぁ、意外と楽しいかも。

「レイ兄ノリノリだね」
「けど的に当たってるからいいと思うよ」

そんな感じで俺はノリノリで銃を撃っていたのだった。





で、結果は……………

「28500点!!残念だったな、もう少しで30000点だったんだがな」

確かに惜しかった。
残り時間に焦ってリロードしそこねたのが失敗だったな…………

「じゃあ、商品のペアチケットを……………」

「あ…………悪いんだけど、エアガンにしてもらっていいか?」

「ん?構わないけどいいのか?」

「ああ、俺の目的はエアガンだったからな」

そう言って俺はおっさんからエアガンを貰い、

「ほい、エリオ」

それを渡した。

「えっ!?」

「約束守ったろ」

「うん、ありがとレイ兄!!」

喜んで貰って何よりだ。

「じゃあ、最後は私ね」

気合を入れて銃を持つフェイト。
さて、フェイトはどうなのかな。







「「………………」」

「悔しい!!もうちょっとだったのに………」

「もうちょっと?」

「嬢ちゃん、俺もそこまで外した奴は初めてだ。それなのに25500点とは………」

おっさんも驚いてるな。
気持ちは分かる。
だってフェイトは狙った的に当ててないのだから。

なのに25500点…………
なぜこうなったのか…………





「やあっ!!」

フェイトが放った弾は綺麗に真っ直ぐ行くことはなく、
バン!!

何故か右斜め上の的に当たっていた。

「やった!当たった!!」

まぁたまたまだろうなって俺とエリオは見ていたんだが…………





「フェイトさん、凄いですね…………」

「本当にある意味な………」

その結果がこの高得点である。
あの後も最初の調子で、狙った所には行かないのに、何故か的に当たるというフェイトマジック?が起こっていた。

「商品のフリーパスペアチケットだ。嬢ちゃん残念だったな」

「はい………」

「まあ、これで彼氏さんとまた来てくれ」

「だ、だから!!零治は彼氏じゃ………」

「別に誰とは言ってないぜ」

「………………意地悪」

「はっはっは!!青春してるね若人!!」

でかい声で笑い声を上げるおっさん。

「何か言われたのか?」

「なっ何でもない!」

そう言って外に出ていくフェイト。

「おっおい!!エリオ行くぞ!!」

「はっはい!!」

俺達も慌てて付いていくのだった………




その後も俺達3人はそれぞれ色々なアトラクションを楽しんだ。

エリオもフェイトも大いに楽しんでいる。

時間はあっという間に過ぎ…………

「そろそろ飯にするか」

1時30分頃、少し遅めの昼食を取るために、俺が提案した。

「本当だ、もう1時半過ぎてたんだね。だったら…………」

「エリオ、何が食べたい?」

「えっと…………」

パンフレットを見て迷ってるみたいだ。

そういえばエリオって地球の料理食べたことあんのかな?

「フェイト、エリオって………」

「あのね、二人共…………」

俺がフェイトに質問しようとしたらフェイトが話を切り出してきた。

「私ね、今日お弁当作ってきたんだ。だから…………」

「なんだ、だったら早く言ってくれよ。エリオ、わざわざフェイトがお弁当作ってくれたって。それを食べるぞ」

「うん、ありがとうございます、フェイトさん!!」

「でも、お弁当作るの初めてで、美味しくないかも………」

「問題無いよな?」

「うん、だから早く食べよう!フェイトさん」

「ありがとう2人共」

俺たちは弁当が食べられそうな場所へ移動したのだった…………




「全く、ライの所為で完璧に見失ってしまったではありませんか………」

「ごめんね…………ゴットスライダーを見たら無意識に乗らなくちゃいけない気になっちゃったから………」

「それで許されると思ってるのか?取り敢えずここの昼食代はライ持ちだな」

「えっ!?合計3000円以上するんだよ夜美!!星も何か言ってよ!!」

「すみません、このスフレチーズケーキ追加で」

「星!!!」

ライの絶叫も2人には届かなかった。
なんだかんだ言って遊園地を満喫している3人だった……………




「くっ!!ここは何処なんだ………」

クロノは現在迷子中…………

解放されて焦って探し始めた為、今自分がどこにいるのかも分からない。

仕方なくクロノは近くにいるお客さんに声をかける事にした。

「すみません」

「はい?」

クロノが声をかけたのは近くにいる女子大生3人。

「ここ、どこか分かりますか?」

「えっとここって、この場所?」

「はい、初めてなもので迷ってしまって…………」

と言った所で女子大生の3人は後ろを向いて相談し始めた。

「ねぇどうする?新手のナンパかな?」

「でもかっこよくない?」

「うん、私すっごくタイプ!」

「だったらこのまま昼食に誘って一緒に遊びましょうか?」

「「異議なし!!」」

3人は再びクロノに振り向く。

「あの、私たちが案内しましょうか?」

「えっ!?ですがいいんですか?」

「はい!!私達も女3人で男の人と遊びたいなぁなんて思ってたんです」

「あっ、いや僕は………」

だが3人の内2人に腕を絡められ、身動きを封じられた。

「先ずは一緒に食事でもしましょう」

「いや、僕は妹の………」

だが、クロノの思いも虚しく、そのまま流されてしまうのだった…………




「ここにしようぜ」

俺が選んだのはちょうどいい感じにあった芝生だ。

アトラクションの外れた場所にあり、結構静かだ。

「いいのかな?」

「怒られたら違う場所に行けばいいだろ」

俺の答えに渋々納得したフェイトは持ってきたバックからシートを取り出し敷いた。

「はい、どうぞ」

「「おおっー!」」

弁当はおせちに使うような弁当箱で3段あった。

1段目がオニギリとお稲荷さん。

2段目が卵焼きとウインナー。
……………二種類なのは何も言わないほうがいいよな。

だけどほとんど卵焼きで埋まってるってなんか凄いな。
一体どのくらい卵を使ったんだか………

3段目は恐らく冷凍商品だろう。

J〇商品に似たグラタンなど、昔の俺も作るのが面倒なときよくお世話になった為見覚えがある。
今は星が色々と作るため、お世話になる機会が減ったが………

「えっと、どうぞ………」

「「いただきます〜!!」」

俺は箸を、エリオは箸使えないのでフォークを持ち、それぞれ食べ始める。

「ふふ、召し上がれ」

俺達の様子を見て、フェイトも嬉しそうだ。
先ずは俺もエリオもお稲荷さんを食べる。

ちゃんと染みてて美味しい。
フェイトも箸を持って食べ始めるが目線は卵焼きに。

ってなるほど…………

「さて………」

「!!」

やっぱり。

俺が卵焼きに手を付けようとしたとき、フェイトは俺の様子を見てる。
箸で挟んで口に運ぶ。形はちょっと崩れてるけど、いい感じに半熟で旨そうだ。

そして俺は卵焼きを口に運んだ。

「ど、どう………?」

「普通にうまいよフェイト。半熟でとろりとしていたし。けど、しいて言えばもう少し甘いほうがもっと美味しかったかな。まぁ俺は好きだけど」

「あ、ありがと………」

少し恥ずかしそうにお礼を言うフェイト。
いいね、なんかこういうの。

「本当だ、美味しい!!」

「だろ!!」

「ありがとう、二人共………」

その後も俺たちは楽しく食事をした。
けど、エリオの食べっぷりには驚いた。
もしかしてあの量だったのってエリオがかなり食うためか!?





「あれ?」

ふと、ライが歩くのを止めた。
我はまたアトラクションに心を奪われてのかと思い、星とアイコンタクトしてライを抑える準備をしたが、

「クロノが女の人と囲まれているよ」

「「クロノ?」」

「フェイトのお兄さん」

そういえば、レイから聞いたことがあるような………
パシャ!!

「ライ?何故、写真なんか撮っているのですか?」
「ちょっとエイミィさんに教えようかなって」
「エイミィさんって?」

「フェイトのお姉さんって所の人かな。この前仲良くなったの」

そう言いながらライは携帯を操作して、メールを打っていた。

「これでOK。じゃあ、再開しよう」

我たちは再びレイ達探しを再開した…………






「そろそろパレードだな………」

空も暗くなり、遊園地の目玉パレードの時間となった。
あの後色々回ったが、戦慄病院だけ、二人共かなり拒否ったので行かなかった。
どんな反応するか楽しみだったんだけど……………

まぁそれは次の機会だな。

「あっ始まるぞ!!」

「わぁ……………」

「綺麗…………」

フェイトもパレードを見るのは初めてらしく、大いに楽しみにしてた。

2人共目がキラキラしていらっしゃる。

「…………ありがとね」

「ん?いきなりどうしたんだよフェイト」

「今日付き合ってくたから。おかげで今日は楽しかったよ」

「僕も!!」

「そうか、俺も楽しかったよ」

特にエリオは俺と話すことに問題ないみたいだ。

これで少しは安心できるかな。

「でね、それで………あのね…………」

「また3人できたいな」

「う、うん!!また3人で一緒に遊びにこようね!!」

俺の言葉に嬉しそうに反応するフェイト。

「僕もまたレイ兄とフェイトさんと来たいです」

「そうか、じゃあ、また一緒に来ような」

俺たちは新たな約束をして最後まで楽しく遊園地で過ごした。





「うぅ、結局見つからなかったね………」

僕たちはあの後もレイ達を探していたけど、見つからずパレードの時間になっちゃった………

「そうですね、今日は疲れました…………」

「我もだ、一体何しに来たんだろうな………」

2人はかなり疲れてるみたいだけど、僕は楽しかったな。
なんか刑事になった気分だったし。

「でも、これを見れたのはよかったかもしれませんね」

「確かに綺麗だな………」

「そうだね………」

レイ達もいい雰囲気になってたりするのかな?
でも男の子もいたし、大丈夫か。

取り敢えず帰ったらしっかり話してもらわなきゃね。








「ただいま…………」

あの後、3人の女性に色々付き合わされ、フェイトを探すどころでは無かった………
なんとか隙をみて逃げたが、時間はもう夜だった。
仕方がなかったから帰ってきたが、フェイトは一体どうなったのだろうか………

「ク・ロ・ノ君?」

「ああ、ただいまエイミィ………!?」

何故かエイミィは鬼の形相で僕を見ており、アホ毛がピクピク動いていた。

「今日はさぞかし楽しかったんでしょうね。地球の女の子に囲まれて」

「一体何を言って………!?」

そう言おうとしたとき、エイミィの携帯を目の前に見せられた。

「これは!!」

そこには僕と今日振り回された女性3人が腕を組んでいる所が写っていた。

「誤解だ!!今日は別のようで…………」

「そうですか、別に私には関係ないけど、仕事休んでまで女の子と遊んでいるのってどうかと思うよ」

「違うんだ〜!!!」

結局、エイミィの機嫌を良くするのに、ミッドの最高級レストランを奢ることとなった……… 
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