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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第39話 みんなで勉強会IN有栖家

「また、勉強会しようよ」

さて、季節も夏に入った。今年の1年は長いなぁと早くも思い始めた今日この頃。
授業中、何の前ぶりもなく隣のフェイトが提案したのだった。

「またやるのか?」

中間の苦労を思い出し、俺は嫌な顔をした。

「そんなに嫌がらなくても…………」
「するのはまだいい。だけど、アリサとすずかが今度は途中で帰らないって言うんならいいぞ」
「えっ、私!?」

聞き耳を立ててたのか、反応するアリサ。

「聞いてたのかよ………まあいい、アリサとすずかがいれば俺が教える必要が無いからな」
「そ、そんなに私がいないと駄目なの………?」
「ああ、是非アリサには居て欲しい。俺の為にも」
「そう…………」

なにやら深く考え始めたアリサ。
大丈夫か?

「………………」

何故か分からんけどフェイトは俺を睨んでるし、一体何なんだ?






「と、いうことでまた勉強会をしたいと思います〜!!」

昼休み、隣のクラスの加奈と桐谷を加えて一緒に昼食を食べていた時、何故かなのはが皆に宣言した。

「勉強会?必要ないんちゃうか?」
「………はやて、アンタ中間成績悪かったじゃない。今度悪いと夏休みも学校に来る羽目になるわよ」
「ちょ!?それは堪忍や!!」
「私も成績決して良かった訳じゃないから………」
「だよね………」

ブルーになる現役魔法少女達。

「よっしゃ、なら今回は気合入れてこか!!じゃあ、今度の週末、零治君の家に集合や!!」
「はいちょっと待て!!本人無許可で何勝手に決めてんだ!?」
「いいやないか、週末も美女と一緒にいられるんやで」
「いや、そんなに飢えてないから。家は無理だろ!!星達も居るんだし、勉強する場所なんてねぇよ!!」

「どうなんや、フェリアちゃん?」
「いや、大きい机出せば大丈夫だろ」
「フェリア!!!」

何、真正直に教えてんだ!!

「なら決定やな。皆もそれでええか?」

「「「「「異議なし!!」」」」」

「桐谷君は?」

「別に構わんよ」

「なら決定や!!」

「フェリア………」

「いいじゃないか、友達を家に呼ぶって楽しそうだしな………」

つくづく、人間ぽくなっていくな………
こうして、家主を完全に無視して、我が家で勉強会をすることとなった……………







「はぁ〜………会長、茶!」

「零治君、ここは喫茶店じゃないわよ」

「そんなことよりどうしたんですか?」

その日の放課後、俺と桐谷は生徒会室に呼び出された。

「前に話していた。人気総選挙の話よ」
「…………なんか変わってね?」
「こっちの方がいいじゃない、アイドルみたいで」

「まぁどうでもいいけど」

「詳細はもうこっちで決めてるわ。資料にまとめたから目を通しておいて」

そう言って俺と桐谷に資料を渡した。

「……………また随分とこってるな………」

「こんなに大規模にやって構わないんですか?」

「大丈夫よ、先生方からはちゃんと許可をいただいたから…………」

なんか裏があるような言い方だったような…………

「それで日時なんだけど………」

「ちょっといいですか?」

「何?桐谷君」

「俺に何故、資料を渡すのですか?」

「何故って、零治君と一緒に司会をやってもらうからに決まってるじゃない」

「はい!?」

今更かよ………
最初の方で気づけ。

「いや、俺は司会なんて………」

「大丈夫よ零治君に突っ込んでくれるだけでいいから」

「…………拒否権は?」

「ありません」

それを聞いて溜息を吐く桐谷。
まぁドンマイだな。

「取り敢えず、テストが終わってから細かく打合せするから、その資料見といてね」

「了解」

「分かりました」

こうして総選挙の司会は俺と桐谷がすることとなった………





そんでもって週末…………

ピンポーン。

「あっ、私が出ます」

そう言って玄関に向かう星。

あの後、星達にも聞いたのだが、速攻でOKが出た。
3人もみんなでまた勉強しようと考えていたらしい。

「「「「おじゃましま〜す」」」」

「いらっしゃい、みんな!!」

「よく来たな」

ライと夜美も4人を迎える。

「あれ、桐谷君と加奈ちゃんは?先に来てるって聞いてたけど………」

「加奈はフェリアの部屋、桐谷は俺の部屋で漫画読んでると思う」

そう言っている内に3人とも部屋から出てきた。

「おお、いらっしゃい」

「フェリア、なんか親父臭いわよ」

「そうか?加奈の家でのくつろぎ方の方が酷いと思うのだが………」

「それは俺も同感」

「何か言った?桐谷」

「………いいえ何も」

「相変わらずだね………」

「そういえばはやてちゃんは?」

「ああ、あいつは反省中」

「「「「反省中?」」」」

俺はリビングに4人を連れていきベランダを見せた。

「何やってるのよあんた………」

ベランダには、ガムテープで、手首足首、口を塞がれて身動きできない状態で放置されてるはやてがいた。

「んん〜!!」

「零治、一体何があったの?」

「早めに来たと思ったらいきなり俺の部屋に入って荒らし始めたから、オシオキしてベランダに放り投げた」

「零治君、厳しいね」

「当たり前だ!!人の家なんだから最低限のマナーは守れや。小学生じゃあるまいし………」

「ははは…………」

苦笑いしか出ないフェイトだった………

「あのバカたぬきは無視して勉強始めるか」

「んん〜!?(バカたぬきってどう言う事や!?)」

何か言っているみたいだが知らん。

俺たちははやてを無視して勉強を始めたのだった。






「ふぅ………ひどい目にあったわ………」

「自業自得なの」

「あんたは少しは礼儀を覚えなさい」

勉強を始めて一時間程。
はやても開放され、本格的に勉強会がスタートした。
宴会用のデカイ机を引っ張り出してきたが、やはり人数が多い為、全員で一緒に勉強できなかった。
なので、俺と桐谷、なのは、ライが普段飯を食べるときに使う机で、後の皆は宴会用の机で勉強している。

「友達、ましてや思春期の男の子の部屋は宝石箱みたいなもんなんやで!!今日だって、ベットの隠し棚から………」

「バカ!!はやて!!」

「ほぉ………」

俺は声のした方を見ると、黒いオーラを出している星が………

「まだあったのですね………」

そう言って立ち上がる。

「ま、待て!!それはこの前中島から………」

「問答無用です………」

そう言ってさっさと俺の部屋に向かう星。

「はやて、お前の所為でまた処分されるじゃねぇか!!」

「いやぁ、おおきに」

褒めてねぇよ!!

「そんなことしてていいのか?」

「そうだった!!」

俺は自分の部屋に走ってった。




「レイやっぱり………」

「星、頼む!!今回は見逃してくれ!!」

エロ本を持って何か呟いてる星に俺は土下座する。

「私だってあと3年すればこれくらいの色気………」

「星………?」

「はっ!?駄目です!!こんな卑猥な本はレイには必要ありません」

「いや、男には必要だって!!」

「必要ありません!!レイには一生必要ないものです!!」

「何でだよ!!俺だって男なんだから………」

「いいんです!!反論は認めません!!」

うぅ………初めて一人暮しが恋しくなってきた。

「ということでこれは処分と言うことで」

ああー!!!






「うぅ、心の傷が…………」

「ホンマ災難やったな………」

テメェのせいだろ!!

「でも零治君も悪いと思うの………」

「そうだね、中学生でア、ア、アダルトな本は………」

後ろの方は恥ずかしいのか、声が小さくなるフェイト。
無理しなくていいぞフェイト。

「アンタ、やっぱり変態だったのね」

「いやいや、男はみんな変態なのさ」

「そうかな?桐谷君は違うと思うけど………」

「甘いなすずか、桐谷は結構な趣味の持ち主で………」

ドゴン!!
俺の腹に鋭い痛みが響く。

「キ、桐谷………」

俺はそこで意識が途絶えた。

「さて、バカはほっといて勉強始めるぞ」

((((((((((口封じした!!))))))))))








「は!?俺は一体…………」

「レイ起きました?もうすぐお昼なので手伝ってもらっていいですか?」

「昼?」

俺は時計を見ると確かに12時を過ぎていた。

「そうだな、たまには一緒に作るか」

俺は起き上がりキッチンに向かう。

「アンタ、料理なんて出来るのかしら?」
「…………なんでみんな家にいるんだ?」
「アンタ、頭大丈夫?今日勉強会よ」

勉強会?……………………そうだった!!

「じゃあ、何で俺寝てたんだ?」

「お前が居眠りしたからみんなそのまんまにしておいたんだよ」

酷いな、学校ではいつも無理やり起こすくせにこういう時には起こさないのかよ………

「「「「「「「「「「………………」」」」」」」」」」

「ん?何だみんな」

「桐谷君、結構酷いの………」

「いつもオハナシしてるなのはには言われたくない」

それに対して何も返せなくなるなのはだった………

「レイっていつもこんな扱いなんだね」

「これでも優しい方だぞ」

「………レイのこの先がとても心配なんだが」

フェリアの話を聞いて、レイの身がとても心配になった2人だった………………





「さあ、出来たぞ!!」

今日の昼食はパッと作れて手間暇掛からんオムライスをチョイスした。
人数が人数なので、星と二手に別れて作った。
いつも食べている席にライ、夜美、加奈、桐谷、フェリア。
でっかい机にその他の皆様。
勉強道具は取り敢えず片付けました。

「これ、本当に零治君が作ったの!?」

「何驚いてるんだなのは。こんなのケチャップベースのチャーハンに玉子を乗せるだけじゃん」

「まぁ、ざっくり言うとそうやな」

「はやてだってこれくらいパパっと作れるだろう?」

「そりゃあ当たり前や!伊達に家族の料理作ってるわけやないで!!」

「そりゃ、はやてはそうだけど…………」

「ん?アリサ、お前もこれくらい作れるよな?」

「そそそそうよ!私だってこれくらいは……………」

俺のオムライスを見てその先の言葉がでなくなるアリサ。

「私、こんなに綺麗に玉子乗ったことないの…………」

「すごく綺麗………」

なのはとフェイトも相当ダメージが大きそうだ。
なんか負のオーラが漂ってるような………

「どうしたのですか?皆さん、早く食べて勉強を再開しましょう」

星が自分の作ったオムライスを持ってきて言った。

「「「………………」」」

あれ?アリサ、なのは、フェイトが固まってるような………

「星ちゃん、料理上手なんやな。すごく綺麗やで!!」

「フフ、ありがとうございますはやて。私、料理好きなので」

「いやぁ、私でもこんなに綺麗に作れるか分からんわ」

「もう………それより早く皆さん食べましょう、冷めてしまいます」

「そうだな、よし!食べるか」

俺の号令にみんな反応して各々席に着き、

「それじゃあ………」

「「「「「「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」」」」」」

みんなで仲良く言った。





「美味しい…………」

「美味しいね…………」

「私の料理より断然…………」

さっきの三人組は食べても負のオーラを出し続けている。

「味合わなかったか?」

「ううん、美味しいよ。ただ………」

「そうね……………」

「女として負けた気がして…………」

「俺は男なんだが…………」

何かこっちまで暗くなりそうだし、ほっとくか。

「すずかとはやてはどうだ?」

「美味しいで」

「美味しいよ」

そりゃ、良かった。

星の方を見ると星も嬉しそうだ。

「そういえばすずかも料理とか作るのか?」

ふと、気になった俺はすずかに聞いてみた。

「私は余り作らないかな。コックさんが作ってくれるし」

ハハッ、すずかがお嬢様だって忘れてた……………

「じゃあ、全く作れないのですか?」

「ううん。私の姉が、『結婚して、料理出来ないなんて恥ずかしいだけよ』って結婚仕立ての頃教えてくれて、色々勉強してたの」

「なるほど、たまにはいいこと言うんだな忍さん………」

「えっ!?お姉ちゃん知ってるの?」
「ああ、小学校の時翠屋で」

あの人は大変だったな…………
いじるだけじゃなく、俺をモルモットとして色々しようとしてたし………
しかも美由希さんも便乗するし。
恭也さんが止めてくれなかったら俺どうなっていたんだろう………

「そうなんだ………お姉ちゃん一言も言ってなかったよ」

「零治君、意外と私達の知り合いと親しかったりしとるな………」

「たまたまだよ………」

避けてたけどね。

「レイ、お茶要ります?」

「おっ、サンキュー」

俺のコップにお茶を入れてくれる星。

「はぁ〜うまい………」

「お粗末様です」

やっぱお茶は緑茶に限る。

「「「「「………………………」」」」」

何か同じ席に座っているみんなの目線が鋭いんだけど。
特にアリサ、フェイト、はやて、なのは。
ぶっちゃけ怖いです………

「星、僕も〜」

「我にもくれ」

「私も頼む」

「星、私にもお願い」

「桐谷はどうします?」

「じゃあ頼む」

そう言って星はライ達にもお茶を入れに行った。

そうしたら何故か鋭い視線も収まった。

一体なんなんだよ…………





昼も終わり、勉強を再開して2時間程過ぎた頃。

「オヤツだぁ〜!!」

ライの大声に集中していた空気が一気に吹っ飛んだ。

「いきなり大声を出すな!!」

「オヤツだよ!オヤツの時間だよ!!星!なのはが持ってきてくれたケーキ早く!!」

「分かりましたから落ち着いて………」

相変わらず子供な奴だな………

まぁ、ちょうどいいか。

みんなの集中力も一旦きれたし良いか。

「みんな一旦休憩しよう」







「もぐもぐ…………美味しい〜!!」

それはもう本当に嬉しそうになのはが持ってきたケーキを食べるライ。
可愛いいんだが、いい加減もう少し大人に………

「レイ、あ〜ん」

パク。
もぐもぐ…………

「うん、うまい」

「でしょう〜!!」

流石は桃子さんだな。相変わらずいい仕事をしてる。

「「「「「…………………」」」」」

そんな様子を唖然と見ているなのは達。

「ライのすることでいちいち驚いていたらきりがありませんよ………」

そんな星の言葉に5人は驚愕するしかなかった……………






「そろそろお開きにするか」

時刻は夕方6時。そろそろ空も赤く染まってきた。

「そうね、もうこんな時間経っていたのね」

「頑張った〜」

「ライ、頑張りましたね」

「えへへ………」

ライの頭を撫でる星。
ライもうれしそうだ。

「で、ライは実際どんな感じなんだ夜美?」

「結構いい点数を取ると思うぞ」

「マジで!?」

夜美は嘘なんか滅多につかないし、信憑性はあるけど、にわかに信じられないな………

「でも結構頑張ってたよ」

すずかにもお墨付きをいただきました。

「なら今回はみんな大丈夫だな」

「それが…………」

申し訳なさそうにすずかが言う。

「なのは達が………」

「ああ、現役魔法少女か………」

「なんかその言われ方嫌なの………」

「いいから、なのは終わった?」

「ふぇっ!?もう少し待って!!」

「はやてとフェイトは終わったわよ」

「ええっ!?2人とも早いよ!!」

「フフン、なのはちゃんとは違うんやで!」

「だけど、はやては半分出来てないわよ」

「なんやて!?」

大変だな魔法少女………

確かに6月は忙しそうにしてたからな。

まぁ頑張れ…………


俺は3人の夏休みが無事に送られる事を祈って手を合わせた………… 
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