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艦隊これくしょんー3号と呼ばれる提督ー

作者:末武克之
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第2話 今の仲間

須賀鎮守に朝が来て黒井響一郎は書類を片付けていた。

「さすがに働きすぎだな」

そう言って響一郎は茶を飲みながら言った。

こんこん

誰かが提督室をノックした。

「どうぞ」
そう黒井は言った。

「あの、黒井提督」
入って来たのは吹雪だった。

「ああ、どうした?」

そう黒井はペンを止めて聞いた。

「あの、黒井提督に話があって来たんです」

そう吹雪は言った。

「ああ、何だ?」

黒井はマグカップを二つ用意してインスタントコーヒーを入れてお湯を入れた。

「あの、黒井提督は私達を何だと思いますか?」

そう吹雪は黒井に聞いてきた。

「さぁな」
黒井はそう言ってコーヒーを吹雪に出した。

「前の提督は私達を兵器として見ていたんです、そのせいで如月ちゃんや霰ちゃんや蒼龍さんや飛龍さんが轟沈しました」

そう吹雪は下を向いて言った。

「俺は自分の手で仲間を殺してしまった」

そう黒井は片手を見ながら言った。
「えっ?」
吹雪は黒井を見た。

「かつて俺はある目的で悪の組織が復活できないために戦った…だがそいつは自分の犯した罪を無くすために多くの人々を傷つけてきた俺はそいつに話をしようとしたが上層部の命令で暗殺した」

そう黒井は片手を強く握りながら言った。

「でもそれは黒井司令官のせいじゃないですよ!」
そう吹雪は黒井に言った。

「確かにな!だが今は君達艦娘を守るために戦うと誓っているだからお前達がピンチになったら助けるだけだ」

そう言って黒井はコーヒーを飲んでいた。



ーーーーー


吹雪は黒井の言葉が気になっていた。

自分の仲間を殺してしまった事を今でも後悔していると。

「私達はどうすればいいんだろう」
そう呟きながら吹雪は考えていた。

提督は自分の罪を償うために自分達を守ると言っていた。

彼が本当に自分達の為に戦うというならありがた迷惑に近いと吹雪は思っていた。


ーーーー


他の艦娘達は自分達の提督の話をしていた。

「ねぇ、黒井提督がここに来て初めてしたのがさ前の提督の顔面を殴った事らしいよ」

そう言ったのは雷だった。

「そうなんですか」

そう電は聞いた。

「まぁ、前の提督は最低だったからな」
そう響は言った。

「最低の大人だったわよね」

そう暁は言った。

「それより間宮さんの店で新しいメニューが出たらしいわよ」

そう雷は言った。


ーーーー


黒井は片手にコーヒーカップを持ちながら空を見ていた。

「今日は何もないな」

そう呟きながら黒井は茶菓子が食べたくなったのか間宮に向かった。


ーーーー


黒井は間宮に到着して栗羊羹を注文して食べていた。

「あ!提督さんが居るのです!」
そう電は黒井を指差して言った。

「やぁ、お前達も食べに来たのか?」
そう黒井は四人に聞いた。

「ええ、新作のドラゴンパフェを食べに来たのよ!」
そう暁は胸を張って言った。

「そうか、あ!間宮おかわり」
そう黒井は空の皿を出して言った。


ーーーー


羊羹を三つ食べ終えて黒井は歩いていた。

そして海が見える高台で何かを見つけた。

そこには沈んだ艦娘の名前が刻まれていた。

それを見て黒井は目を閉じて静に手を合わせた。

「安らかに眠れよ」

そう言って黒井は歩き出した。

ウーウー

いきなり警報が鳴り始めた。

そして黒井は走り出した。


ーーーー


「今回は空母ヲ級が三隻、軽巡洋艦が三隻です」
そう赤城は作戦室から聞いた情報を加賀と瑞鳳と電と吹雪と伊勢と天龍に教えた。

「吹雪!抜錨します!」
そう言って吹雪は抜錨した。



ーーーー


黒井は走りながら彼女達が深海棲艦の撃退に向かうのを見ていた。

「彼女達だけで戦うのか?」
そう言って黒井は彼女達を見ていた。
「俺も戦えればいいが空や海を飛ぶことも浮くこともできない」
そう黒井は言った。


ーーーー


吹雪達は敵の空母と交戦していた。

伊勢は主砲を空母ヲ級に向けて放った。

弾丸は空母ヲ級に直撃すると思った。

しかし軽巡洋艦が空母ヲ級の身代わりになった。

そして軽巡洋艦の主砲が伊勢に直撃した。

「きゃあああ!」
そう伊勢は悲鳴を上げた。

「伊勢さん!」

そう吹雪は伊勢の心配をした。

「伊勢さん大丈夫ですか?」
そう吹雪は伊勢に聞いた。

「ええ、心配いらない!ただの中破だ!」
そう伊勢は強がりに言った。

しかし主砲をやられて完全に打つ手がなくなった。



ーーーー


「大変です赤城さん!」

そう言って入ってきたのは最上だった。

「どうしたの?」
そう赤城は聞いた。
「伊勢さんが中破しました!主砲もかなりやられたそうです!」
そう最上は赤城に言った。

「なんですって!」
そう赤城は驚いていた。

「俺の出番みたいだな」
そう言って来たのは黒井だった。

「えっ!何を言っているんですか!貴方は人間ですよ!深海棲艦に勝てるわけがありません!」

そう赤城は言った。

「俺は普通の人間とは違う!俺は改造人間だ!変身!!」
そう言って黒井は軍服を抜いでタイフーンを腰に付けたまま変身ポーズを取った。

そして黒井はジャンプして体がダークトーンの色に両目は黄色にグローブとブーツは青に近い緑そして手首と足首には鎖が付いていた。

「貴方は一体?」
そう赤城は聞いてきた。

「俺は仮面ライダー3号」
そう言って3号は親指と人差し指と中指を立たせて言った。

「仮面ライダー?」
そう最上は言った。
「確か本郷が開発していたトライブレスレットこれしか方法がないなら試してみよう!」
そう言って3号はブレスレットのボタンを押した。

すると3号の愛機のトライサイクロンが3号と合体した。

脚にブースター。

腕にホイール。

両肩にミサイル砲を装備していた。

「なるほど、姿はドライブタイプトライドロンの様な物だな」
そう言って3号は海に走り出した。


ーーーー


吹雪と電は伊勢を守りながら戦っていた。

「吹雪ちゃん、電ちゃん私の事はいいから早く逃げなさい!」

そう伊勢は二人に言った。

「何言ってるんですか!私達は仲間なんですよ!」
そう吹雪は言った。

「そうなのです!決して仲間を見捨てたりしないのです!」
そう電は言った。

しかし軽巡洋艦の二体が電と吹雪に照準を合わせた。

二人は伊勢の前から動こうとせずに自分の体を盾にした。

弾丸が二人に直撃しそうになった。

その時。

バキィン

誰かが電と吹雪と伊勢の前に立っていた。

「貴方は?」
そう伊勢は聞いた。

「俺の名は仮面ライダー3号」
そう3号は伊勢と吹雪と電の前に立ちながら言った。

「ここは俺に任せて早く撤退しろ!」
そう3号は艦娘に命令した。

「でも貴方一人にするわけには!」
そう吹雪は言った。
「勝てば正義、負ければ悪」
そう言って3号は三人を見た。

「始めるか!俺の戦いをするぜ!」
そう言って3号は両手を拳にして軽巡洋艦に殴り掛かった。

軽巡洋艦は弾丸や魚雷を発射したが3号はそれを避けて肩のミサイル砲からミサイルを発射した。

ミサイルは軽巡洋艦二体に直撃した。

そして3号は拳に力を込めて軽巡洋艦のボディに重い一撃を入れた。

その瞬間軽巡洋艦の上半身が消えた。

あまりのパワーに軽巡洋艦は消し炭の様に消えた。

「残る敵は空母ヲ級だな!」
そう言って3号はゆっくりと歩きながら空母ヲ級に近づいた。

「ぎぃあああ!」
空母ヲ級は奇声を上げながら攻撃を仕掛けてきた。
3号は片腕のホイールからサイクロン電子ドリルで空母ヲ級の左腕に突き刺した。

「このまま決める!」
そう言って3号は両手に力を込めて空母ヲ級のボディにパンチを連続で打ち込んだ。

「決めるぞ!」
片手を緑色に光らせて力を込めた一撃をヲ級に打ち込んだ。

「トドメだ!ライダーキック!」
3号は走り出して強力な飛び蹴りをヲ級に打ち込んだ。

「ギャアアア!」

爆発したヲ級は破片が飛び散った。

「残り二体か」
そう言って3号は二体のヲ級を見た。

しかしヲ級は3号を見て逃げた。

静かな海に。

「あの、貴方は一体?」
そう吹雪は3号に聞いた。

「ふっ」
3号は少し笑いながら仮面を取った。

「あ!」
「え!」
天龍と加賀と瑞鳳は驚いていた。

3号の正体が黒井響一郎だったからだ。



ーーーー


時間はかなり過ぎて夜になり黒井は艦娘達に話をしていた。

「皆も知っているかもしれないが俺は人間じゃない、改造人間だ!」
そう響一郎は皆に言った。

「改造人間って事は黒井提督は化け物なんですか?」
そう吹雪は聞いてきた。

「ああ、俺はもう人間を捨てている」

そう言って黒井は全員を見た。

「君達は前の提督でかなりひどい目にあったからそれを救うために送られたからな」
そう言って黒井は食堂をあとにした。

続く


 
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