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新オズの腹ペコタイガー

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第八幕その一

                 第八幕  最高に美味しいお米
 ドロシーはかかしと臆病ライオン、それにカルロスと一緒にウィンキーの国に入っていました。その黄色の国に入ってです。
 ドロシーはにこにことしてです、皆に言いました。
「こうしてウィンキーに来たら」
「うん、思う出すね」
「最初の冒険の時をね」 
 かかしと臆病ライオンが応えます、煉瓦の道の左右に広がる奇麗な黄色の草原とその遠くに見える森林を見つつ。
「マンチキンから都に入って」
「それで魔法使いさんにこの国の魔女を退治しろって言われたね」
「そして何とか皆で力を合わせてね」
「魔女の攻撃を退けて」
「最後は私がお水をかけて」
 魔女がお水が弱点とは知らなかったのですがそれでもでした。
「やっつけたのよね」
「それが最初の冒険だったね」
「ドロシーがこの国に来たね」
「そうしたことがあったから」
 だからだというのです。
「この国に来るといつも懐かしさを感じるわ」
「僕は今はこの国に住んでいるしね」
 かかしは右の人差し指を立てて言いました。
「色々な思い出があるよ」
「そうした国よね」
「木樵君とジャック君もいるしね」
「ええ、皆にとって思い入れのある国よね」
「オズの国の中でもね」
「そうですよね、僕も読みました」
 カルロスもお話に入りました、ここで。
「皆さんのこの国での冒険は」
「ええ、王室年代記に書いてあるわね」
「それを読みました」
「あの時は大変だったのよ、けれどね」 
 ドロシーはにこりとした笑顔でカルロスにもお話します。
「今はとてもいい思い出よ」
「そうですよね」
「それからも何度もこの国に来ていて」
 ドロシーは笑顔のまま言います。
「今回もね」
「このウィンキーの国に来ましたね」
「ええ、それでだけれど」
 あらためてです、ドロシーは皆に言いました。
「これからね」
「僕達が手に入れるべき食材を手に入れるんですね」
「そうよ、私達が手に入れるものはお米だけれど」
「お米っていいますと」
 ここでカルロスが言うことはといいますと。
「水田ですよね」
「ええ、水田のお米よ」
「そうですよね」
「オズの国のお米もね」
「そのお米ですけれど」
 ここでカルロスが言うことはといいますと。
「恵梨香はお米は水田で作るものって思ってますよね」
「オズの国でもそうだけれどね」
「けれどお米は水のない田んぼで作る種類もありますよね」
「そう、中にはね」
 かかしがカルロスの今の言葉に応えました。
「そうしたお米もあるよ」
「そうですよね」
「けれど恵梨香そうしたお米は知らないんですよね」
「うん、恵梨香はお米はね」
「絶対に水田で作るものって思っていますね」
「日本ではそうだからね」
「はい、日本でのお米は」 
 まさにとです、カルロスはお話します。
「水田のものですね」
「全部そうだね」
「だから」
 それでとです、カルロスはまた言いました。 
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