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新オズの腹ペコタイガー

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第八幕その二

「そうした畑みたいな田んぼもあるって聞いて驚いていました」
「どうもね」
 ドロシーは考えるお顔になてです、こう言いました。
「日本人の感覚だとね」
「お米は水田ですね」
「そこで作るってイメージがあるわね」
「どうしてもですね」
「そうよね、恵梨香は御飯が大好きだけれど」
「もう水田から作るって完全に思ってますね」
「日本人は皆そうなのかしら」
 考える表情のまま言うドロシーでした。
「お米は水田から作るものって考えているのかしら」
「そうみたいですね、学校の日本人の子皆そう言います」
 それこそというのです。
「お米は水田から作るものだって」
「そのイメージが完全に定着してるのね」
「そうみたいです」
「オズの国も日系人の人いるれど」
 その人達もというのです。
「皆お米は水田よ」
「それでオズの国も」
「ええ、日系や中国系の人が作るお米はね」
 それこそというのです。
「水田よ、そして私達もね」
「皆さんですね」
「水田よ、あとはね」
 さらに言うのでした。
「少しだけ水のない田んぼもあるわよ」
「そうですよね、オズの国のお米も」
「だから恵梨香もこの国に来ても」
「はい、お米は水田って思っています」
「そうよね」
「それでだけれど」 
 ここでまた言って来たかかしでした。
「今回僕達が行く人のお米はね」
「どういったお米ですか?」
「水田で作るお米だよ」
 オズの国でもオーソドックスなそちらだというのです。
「そしてインディカ米だよ」
「細長いお米ですね」
「そうだよ」 
 その通りとです、かかしはカルロスに答えました。
「そのお米はね」
「そうですか、わかりました」
「じゃあ食べやすいですね」
「細長いお米の方がカレーに合うかな」
 臆病ライオンはインディカ米と聞いてこう言いました。かかしは何も食べる必要がないのでこのお話には入りません。
「やっぱりね」
「そうだよね、カレーならね」
「そちらだよね」
「僕もそう思うよ」
「そうだよね。恵梨香もそちらのお米も好きだけれど」
「恵梨香が一番好きなのは日本のお米だね」
「そうなんだ」
 カルロスは臆病ライオンに応えました。
「恵梨香はそのお米が一番好きなんだ」
「そうみたいだね、あの娘は」
「お握りとかお寿司が好きだけれど」
「あと丼とかね」
「そうした時の御飯は」
 それこそというのです。
「ジャポニカ米がいいって言うんだ」
「粘りの強いお米だね」
「そちらの方がなんだ」
「恵梨香の好みはね」
 ドロシーが言うには。
「日本人のものね」
「そうですよね」
「私もあの娘の好みには気付いてたわ」
「恵梨香はお米が大好きで」
 そして、なのです。
「ジャポニカ米派ですね」
「そうよね」
「そこに特徴があるわ」
 大いにというのです。 
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