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俺が愛した幻想郷

作者:茅島裕
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俺は愛せる? 幻想郷...
甘い香りは理解力を活性化させる
  第二十四話 巷で噂のガンナーさん

 
前書き
あぁ〜日が変わってしまった。
まぁ、いいや… 書いたことには変わりないし。

そんな、適当のうp主妹紅です。

ガルフレ(♪)やりたいんで勘弁してください 

 
正直に言って、魔理沙の弾幕は酷いくらいにパワフルだ。当たったら確実に尻餅をつく。その関スピードがあってどうやって太刀打ちしたらいいかわからない。
でも一つ言えるのは、隙間が多い。
パワフルで飛んでくる弾は速いが、代わりにいっぱいは飛ばせていない。

だから、体力が続く限りは避けられる…!

「琥珀ぅ〜 避けるのはいいけどこれは弾幕ごっこだぜ? お前も飛ばせよ〜!」

言われなくても分かっているさ。
魔理沙の弾幕にはパターンがある、一難去ったらまた一難、ということわざが似合う弾幕だ。
まるでカラフルな弾幕が走りかう高速道路のような弾幕が終わりパーキングエリアで休憩したと思えば今度はカラフルなスター弾幕が高速道路で走り出す。

下手に撃っても避けられ、尚且つ俺は集中を切らして弾幕を食らう。
だから狙う。
"自機エネミー"をっ!




■■■




はく……

こ……く……

くっ………!



なんか、後頭部に柔らかい感触が……
物凄く気持ちが良いというか、なんと言うか…

眩しく、目を開けにくい。
恐る恐る、ゆっくりと目を開けると、同じくゆっくり、光が目に入ってくる。
すると一緒に、何か、顔がボヤけて見えて。

ん…?

ぇあ…?

んぁ!?

霊夢の顔がそこにはあった。

「あ、目が覚めた。早いのね」

「霊夢…今起きたから三行以内で答えて欲しい」

「琥珀、倒れた、膝枕」

「ありがとう」

倒れたのか… 俺…
魔理沙に、負けたのか…?
いや、負けてない… 決して魔理沙の弾幕は当たってない… 一ミリ足りとも…




□□□



昨日、橙とやった擬似弾幕ごっこ… 手鉄砲での撃ち合いで分かった。
弾幕は跳ね返せる…正確にはテレポートさせてるだけだけど。
自分が撃つ弾幕もテレポートさせることができる… だから、ある程度、魔理沙の弾幕をテレポートで退かしたあと、自分の弾幕を魔理沙の鼻っ面にテレポートさせる…

これでいける!

ただ、魔理沙の弾幕を一発一発テレポートさせるような高度な技術は持ち合わせていない… だったらひたすらテレポートを意識していればいいのだ。
だから俺は、力を溜めた。
魔理沙の弾幕が俺に近づく度、俺から離れたところへ飛んで行った。
が、それと同時に、俺の視界が薄くなって…………




■■■




「あ、俺やっぱり倒れたんだ。でもなんで?」

「霊力の使い過ぎよ」

「なるほど。前から聞いてはいたけど、使い過ぎたらこうなるのか…」

膝枕をされ、頭を撫でられているのは、何故だか凄く心地がよかった。
考えてみれば、俺はこんなことされたことなかった。気づいたら一人だったし。ああ、凄く安心する。
ずっとこうしてたい。

っと、危ない危ない。

「霊力って回復するのか?」

「もちろん。回復したからあなたは目を覚ましたのよ」

確か、魔力もあったけど… あれも同じように回復するんだよな?
ん?
俺って魔力は使わないよな… つまり有り余ってる。

それにしても霊力回復が早いわねぇ〜、と感心している霊夢に一つ聞く

「魔力も使い過ぎると倒れるのか」

「えっと、魔力は
「魔力を使った能力とかスペルカードが使えなくなるだけだぜ」

何処かから現れた魔理沙が俺の顔を覗き込見ながらそう言った。

「なんかごめんなぁ〜 楽しくてつい撃ちまくっちゃって」

「いや、俺の諸注意だ。それより、霊力と魔力って性質は同じなのか?」

俺がそう言うと、霊夢と魔理沙は同じように顎に手を当てて唸りだした。
どうやら考えたことがなかったようだ。

「わかんないぜ… 考えたことなかったからなぁ〜 私なんかどっちも使うし」

「そうね… そうだ琥珀、いいこと教えてあげるわ。霊力や魔力は使えば使うほど洗練されてく。つまり使える量が増えてくのよ」

「俺は霊力をあまり使ってこなかったからな…」

「今の私を百とすると、あなたは良くて二十ね。弾幕じゃない弾幕が撃てるレベルの霊力よ」

軽く酷いことを笑顔で言いやがる。でももうそんな霊夢に慣れてきた。
そしてこの位置(膝枕)落ち着く。

「それにしても琥珀さ〜 お前、なんか変なことしてなかったか? 私の弾幕を跳ね返してさ〜」

「あれか? あれは…謂わば俺の能力だ」

興味深く声をあげる魔理沙に対し、もう知っていたと言わんばかりにふふっと笑う霊夢。
なんだこの霊夢、オカンか。

「あ、そう言えば博麗ちゃんは?」

「寺子屋かしら」

かしら、て。まぁ、何処か遊びに行ったってことか。
今日はこれから弾幕ごっこ三昧かな。

さて、霊力と魔力の性質が同じなのはわからないのか… ちょっと怖いけど、試してみるかな。成功したらかなりの戦力になるし、霊夢の言った通り成長していくのなら、霊力も魔力も使った方がいいだろう。
一石二鳥だ。

そしてこれは自己解釈だが… テレポートさせようと集中させてるときにも霊力は消費しているのだと思う。それに加え、テレポートさせるとまた大きく霊力を消費する。
相手の弾幕を跳ね返すのは控えたほうがいいか… タイミング良く使えるようになるまでは…な。

「さて、どうする琥珀。やる?弾幕ごっこ。私はまだまだ元気だぜ!」

そわそわと我慢に耐え尽きたか、身体を大きく揺らして魔理沙はそう言った。
こちらもいつまでも霊夢のお膝にお世話になるわけにはいけない。もうとっくに痺れていてもおかしくないのに、表情一つ変えない霊夢に申し訳ない。
だが流石は巫女だ。

「のった。やろう」

にやり、と嬉しそうな笑みを見せた魔理沙は早々と外へ出て行った。

「琥珀、あなたも弾幕を撃たなきゃ魔理沙には勝てないわよ」

「ああ、わかってる。大丈夫、心配いらない」

俺も俺でにやりと笑みを浮かべ、霊夢の膝から頭を退ける。立ち上がると、多少ふらついて立ち眩みもしたが、大丈夫だ。これくらいなんてことない。

後ろを見ると、先ほどまで笑顔で膝枕をしてくれていた霊夢の表情は変わっていた。何かを見たいが為の鋭い目をしていた。
俺が何を考えているのかわからなかったのだろう。楽しみにしているといい。
あっと言わせてやる。全自動卵割り機を家庭に置いたときみたいに。

魔理沙から少し離れた向かい位置に立ち、準備体操をしていると、

「なぁ〜琥珀〜 普通にやっても面白くないから、条件とかつけようぜ〜」

「あぁ〜、いいよ。どんな条件だ?」

そうだなぁ〜と誰が見てもわかるだろう"考えたフリ"をした魔理沙は低いトーンでこう言った。

「勝った方の言うことを、な・ん・で・も聞く」

「ん?」

今、「ん?」と言ったのは俺ではない。背後にいる霊夢だ。
決して俺ではない。

「わかった。条件を飲もう。ただ、俺は負けないぞ?」

あぁ、楽しい。ワクワクする。なんだろうこの気持ち… まだ始まってもいないのにたまんねぇ…
どう闘ってやろうか… あはは。

「いいぜ霊夢、」「初めてくれ」

俺と魔理沙は互いに同じことを考えているらしく、同じことをお互いに言った。
それに反応して霊夢が手を上げる。

「よぉ〜い、ドンッ!カッ」

カッってなんだよカッって!
うぉっと!? 魔理沙このやろう、俺が動揺してるのをいい事に不意討ちしてきやがった。って言うかこれが普通なのか!?

「本気で行くぜぇ〜!」

また同じく、あの時と同じように避けよう。
そう思ったが束の間、まるで違かった。魔理沙の弾幕が前のパターンとはまるで違う。
何列も何列も作った線に沿って色んな形の弾幕を飛ばしてくる。横に逃げてもそのまた横に弾幕が飛び交う… 線は横の線に繋がれは離れ、繰り返す。それはまるで線路の上の新幹線。

こんなのどう避けろってんだ…

考えた手段として線と線の繋ぎ目の一つ前に空いた空間にジャンプして飛んで避けること。ただ、足を持ってかれたら一網打尽。

ええい、ままよ!

バカみたいに速い弾幕と弾幕の間に飛び込み、一度は回避する。やってみるものである。だが、この弾幕はまだ続く。

くそ… 使うか…?
弾幕…
今朝、ルーミアに教えてもらったことを思い出せ…
弾幕の飛ばし方… 最初は何も考えなくていい、ただ生成することだけを考える… 出てきたのを感じ取ったら……

「願うっ!」

ピュン、と軽い音を出して真っ直ぐに飛んで行った弾幕と呼べない一つの真っ白な弾。軽い音とは裏腹に、魔理沙のパワーある弾幕を掻き分けて魔理沙を一直線に狙った。

「うぉっ!?」

っと魔理沙は自分の弾幕を飛ばすのを止め、俺の弾幕を避ける。

よし、第一段階クリア!
次は… 相手の隙を突く。数あれば当たる、なんて考えはダメ… 最初の集中を忘れてはいけない… これでもかと言うくらい……

「願えっ!!」

ピュンピュンと俺の手から発射される弾は、まだ弾幕とは言えないがそれなりに数を覆って魔理沙を目指して行った。
魔理沙はそれを見て、関心した表情を見せながら慣れた足取りで白い弾を避けて行く。

「やるな〜琥珀ぅ〜♪」

魔理沙ご満悦。
こちとら初弾幕で疲れてんだ。しかも一発も当たんないし。

「焦っちゃだめだよ〜。あなたはまだ全然飛ばせないんだから〜」

また倒れるよ〜と後ろから霊夢。わかってるよと心の中で思いながら魔理沙に目線を合わせる。

「さて、次はどんな弾幕にしようかなぁ〜 ワクワクするぜ」

ああ、こっちもだよ。

口には出さないが顔には出す。歯を見せて笑う無邪気な子供のような高校生は俺である。
だって楽しいんだもの。

それを読み取った魔理沙は、あのときの高速道路のような弾幕を撃ってきたのだ。
だが、それは少し違っていた。避けて行くうち、それを覚るのに時間はかからなかった。

そろそろパーキングエリアに突入するはず…
あれ? むしろ、どんどん弾が大きく速く… おい、まさか…おぉい…

「いっくぜぇ〜! スピード違反だぁぁぁぁぁ!!」

パトカー来るぅぅぅぅ!!!
やめろぉぉぉぉ!!
って言うか全部トラックぅ!!

やばいやばい、どうしよう、そろそろ避けられなくなる。スピードに耐えられない…

そうだ、さっきみたいに弾幕で弾幕を消せばいいんだ。だけど、今回はあれよりも大きく速い。消せるか?

試しに一発、危ない弾に撃ち込んでみると、弾はお互いに消えた。
この弾は一玉しか消せないようだ。

よし…
弾で弾を消して避けながら徐々に近づこう…

考え通り、少しずつではあるが一歩一歩魔理沙に近づく。ただ、やはり霊力の問題で、意識が同じように少しずつ朦朧としてくる。
だが大丈夫。前のようにはいかないさ。この自信が何処から湧いてくるか… 好奇心だろう。

ある程度まで近づけた、魔理沙も魔理沙でラストスパートなのだろう、頬に汗を浮かべながら苦笑いをしている。
増して、弾幕も先ほどよりもっと強力になって、弾幕を消しても避けるのが精一杯になってきた。

では… ここで……
次、生成する弾は一味…いや二味は違う。
手で鉄砲の形を作り… 魔理沙の弾を飛び込みジャンプで避ける直前に…

「飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

俺の人差し指から発射されるはずの弾幕は、発射口を間違えたかのように魔理沙の目の前で魔理沙を目掛けて発射された。
これには魔理沙もかなりびっくりしたらしく、おかしな避け方をし、右腕にヒットした。
弾の生成と同時に能力を使い、弾の発射場所を変えた。
だが、そのことにより、霊力の消費が倍になり… 俺の意識はどんどん薄れて… 倒れる………

「わけ……ねぇじゃん…っ!?」

物凄い衝撃を腹で受け止めるも、俺の意識はまだ健在している。薄れかけていたはずの意識が戻ったのだ。

何故かって?そりゃ……

勢いよく地面に叩きつけられる俺を見て心配した魔理沙は俺の名前を呼びながら走って近づいてきた。
俺の顔を覗き込み、自分の顔を近づける魔理沙は本気で心配しているらしく、かなり動揺している声音だ。

「ごめん、魔理沙」

俺はそうとだけ言い………

近づいた魔理沙のデコに人差し指を突き立て、

「バァン」

空気の抜ける音を立てて倒れたのは、魔理沙だった。
瞳に渦巻きを作って伸びている魔理沙を見て、

「ホント、ごめん」

と再度、謝る。苦笑いをしながら、だ。




■■■




魔理沙を神社の奥の家まで運んで、一息吐く。
水を絞ったタオルを魔理沙のおデコにのせている霊夢は、俺に向けてこう言った、

「あのとき、もう霊力を使ったんじゃなかったの? また気絶したのかと思ったのだけれど」

「ああ、もう使い切る寸前だったよ。でも、魔力は残ってた」

まさか、と言わんばかりのハッとした表情で俺を見直した霊夢に話を続ける。

「多少残ってた霊力で、倒れる寸前に魔力を霊力にテレポートさせた。案の定、霊力と魔力は同じ性質で出来ている力でさ。意識が完全に戻った、ってわけ」

「馬鹿ね… あなた…」

馬鹿と天才は紙一重と言うだろう。こう言うことだよ霊夢。

「ま、初めての弾幕ごっこにしては考えた方じゃない? かっこよかったわよ、ガンナーさん」

あのときの俺のように、手で鉄砲の形を作り、笑いながらそう言ってくる霊夢。

ガンナーさんだなんて言われたこと初めてだよ。
っと言うか、弾幕ごっこすら初めてだったからな。おかげで楽しかった。

あと、俺が中二病だということがわかった。おかげ様で。
確かに昔から、こう言うゲームみたいな感じになると無駄に思いつきが良くて行動力も思い切りも突発的になるのは知っていたけど、ここまでとは…

向いてるな、幻想郷。


「さて、もう夜になるわ」

「ああ、わかった。そろそろ帰るよ」

「え? 泊まって行かないの?」

「え?」

「え?」



急に開催された博麗家お泊まり会に戸惑う俺だった。
横には何も知らず、いつの間にか気持ちよさそうに鼻ちょうちんを作ってる魔理沙がいた。寝てやがる。  
 

 
後書き
「ただいま〜!」

元気な声と共にカラカラと扉が開く音が聞こえた。
博麗ちゃんだろう。

「ん…? なんか、嗅いだことのあるニオイが……」

「あ、ども」

「あ、いえ、こちらこそ、あららg「言わせねぇよ!!」



□□□



「えっ!泊まることになったの!?」

「あ、ああ、そうなった…」

「わーい、わーい♪」

「別になんもしないぞ…」

「は〜い、二人とも、仲が良いのは良いことだけど、その辺にしないと、そこの扉の隙間から覗いてる魔法使いが拗ねるわよ」

と言って霊夢が指さした方向には、ジト目の魔理沙がいた。

「そうだ魔理沙、条件、あったよな」

ギクッっと言う効果音がお似合いだろう。そんな動きをした。

「一緒に遊ぶぞ、魔理沙」

特に聞いて欲しい言うこともないので、俺は笑顔でそう言った。



紫お母様…怒ってないかしら…  
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