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新オズの腹ペコタイガー

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第一幕その三

「一回食べたけれど」
「どうだったの?」
「かなり癖のある味だったわ」
 こうお話しました。
「前にもお話したかしら」
「そういえばそうかな」
「鮒寿司のこともね」
「お寿司のお話した時に」
「そのお寿司のことも」
「あのお寿司みたいな馴れ寿司がね」
 まさにというのです。
「最初のお寿司だってね」
「今の握り寿司みたいなのじゃなくて」
「昔はああしたお寿司なかりで」
「むしろ握り寿司は新しいのね」
「お寿司の中でも」
「奈良県に柿の葉寿司ってあるけれど」 
 恵梨香はこのお寿司のこともお話しました。
「こっちのお寿司も独特なのよ」
「ええと、柿の葉寿司って?」
「詳しいお話はですね」
 恵梨香はトロットにも応えました、皆ここで牧草屋の前に来ました。
「ハンクさんが食べて」
「それでお寿司屋さんの中でなのね」
「一緒に食べながらお話していいですか?」
「ええ、それじゃあね」 
 トロットは恵梨香の言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
 皆はまずはハンクが御飯を食べ終えてです、それからです。
 ハンクは皆にです、こう言いました。
「僕はお店の前で待ってるよ」
「そうするのね」
「寝てると思うから」
「ゆっくり食べていいってことね」
「そうしてね、もうお腹一杯で眠いよ」 
 実際にと言うハンクでした。
「だから僕もゆっくり寝るから」
「私達もね」
「ゆっくりと食べてね」
「わかったわ、それじゃあね」
 トロットはにこりと笑ってハンクの言葉に応えました、そして皆をお寿司屋さんの中に案内しました。そこで皆でお寿司を食べるのでした。
 お寿司は回転寿司でした、皆カウンターのところに座ってです。 
 それぞれ好きなお寿司のお皿を取って食べはじめました、その中で。
 ジョージ達四人はあらためてです、恵梨香に尋ねました。
「それで柿の葉寿司ってどんなお寿司かな」
「奈良県のお寿司っていうけれど」
「柿の葉を食べるの?」
「そうしたお寿司かな」
「まず鮭の。お酢をかなり効かした切り身をネタにしてね」
 恵梨香は四人にです、鮪のお寿司を食べながらお話しました。
「そのお寿司を柿の葉で包むの」
「ふうん、それでなんだ」
「柿の葉寿司っていうんだ」
「柿の葉で包むから」
「だからなんだね」
「こうしたら普通のお寿司より日持ちがいいの」
 お酢を普通のお寿司より沢山使って柿の葉で包んでいるからです。
「そうしたお寿司なの」
「そういえば奈良県ってね」
「山ばかりでね」
「海がないから」
「普通のお寿司は食べられなかったね」
「今は食べられるけれど」
 それでもというのです。
「昔は無理だったから」
「お寿司もだね」
「そうしたお寿司だったんだね」
「お酢を強くして柿の葉で包んだ」
「そうしたお寿司だったんだ」
「そうなの、このお寿司も美味しいから」
 柿の葉寿司もとです、恵梨香は皆にお話しました。 
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