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新オズの腹ペコタイガー

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第一幕その二

「船長さんと一緒にさっき魔法使いさんのところに行ったわよ」
「あれっ、そうなんだ」
「だから今はこの国にないわよ」
「そういえば昨日言ってたよ」
 ハンクはここで思い出しました。
「魔法使いさんからお薬貰うって」
「魔法のね」
「姿を消せるお薬をね」
「そうでしょ、だからね」
「ベッツイは今はだね」
「王宮じゃなくて魔法使いさんのお家にいるわ」
「魔法使いさんのお家だと」
 魔法使いさんは王宮にいますがエメラルドの都の外にお家も持っているのです。今日はそこにいるというのです。
「ここからちょっと遠いね」
「そうでしょ、だからね」
「今はだね」
「先に牧草屋さんに行って」
 そしてというのです。
「貴方が食べてね」
「それからだね」
「私達に付き合ってくれるかしら」 
 こうハンクに言うのでした。
「そうしましょう」
「それじゃね、それからだね」
「うん、お寿司をね」
 まさにそれをというのです。
「食べましょう」
「確かオズの国のお寿司は」
 恵梨香はお寿司のことを言いました。
「お魚は外の世界では海のものでも」
「ええ、オズの国では川や湖に鮪や鯛がいるから」
「海にもいますけれど」
「川魚のお寿司も食べられるわよ」
「それで都でもですね」
「川魚のお寿司になるわ」
「川や湖にいる鮪や鯛のお寿司をですね」
「それになるわ、ではね」
「はい、まずは牧草屋さんに行って」
「それからですね」
「一緒に食べましょう」
 そのお寿司をというのです。
「そうしましょうね」
「わかりました、それじゃあ」
「お寿司っていいわよね」
 トロットも笑顔で言うのでした。
「不思議なお料理よね」
「不思議ですか」
「だってお酢を効かせた御飯の上にお魚と乗せるでしょ」
「ネタをですね」
「一見何でもないようで」
 それでもというのです。
「凄く美味しいから」
「だから不思議ですか」
「私から見ればね」
「そうなんですね」
「そう思うの日本人だけよ」
 ナターシャが恵梨香に言ってきました。
「お寿司が普通に思うのは」
「そうかしら」
「あんな不思議な食べものはないわ」
 こうも言うナターシャでした。
「御飯の上にお刺身」
「それがなの」
「他にはないお料理よ」
「寿司は中国にもあるけれど」
 中国人の神宝が言います。
「馴れ寿司でそれもポピュラーじゃないからね」
「あれ作るのに時間かかるんだったね」
 ジョージも馴れ寿司について言います。
「それもかなり」
「そうらしいわね」
 恵梨香も馴れ寿司について答えました。
「滋賀の鮒寿司とかね」
「鮒が食べられることがね」 
 カルロスはこのことについて言いました。
「僕不思議だよ」
「ええ、私も鮒はね」
「恵梨香も食べられるとはだね」
「思っていなかったわ」
「けれど滋賀では」
「そう、ああして食べるのよ」
 鮒寿司にしてというのです。 
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