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ドリトル先生の水族館

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第八幕その四

「生きものの飼育もまた、です」
「不可能と思われていても」
「努力をしていけば」
「可能になりますね」
「必ず、人はそうして進歩してきました」
 それまで不可能だと思われてきたことを可能にしてきて、というのです。
「リュウグウノツカイにしまして」
「その謎は何時か解き明かされますね」
「そう思います、今は無理でもです」
「やがては」
「はい、必ずです」
 こう日笠さんにお話するのでした、そしてです。
 日笠さんは先生にです、こう尋ねました。
「先生は深海に行かれたいと思いますか?」
「はい」
 先生は微笑んで日笠さんに答えました。
「実は」
「そうですか」
「深海生物の研究もしていますので」
「研究にはフィールドワークが欠かせませんし」
「だからです」
 現地即ち深海に自分で行ってというのです。
「調べたいです」
「そうですね」
「何しろ他の場所にはいない生きものが沢山いまして」
「しかもまだ見付かっていない生きものも多い」
「ですから」
 それだけにというのです。
「是非です」
「ご自身で」
「行きたいと思っています」
「そうですか、では深海探査艇が出ましたら」
「八条グループが持っている」
「それに乗られたいですか」
「はい、出来れば」
 すぐにでした、先生は日笠さんに答えました。
「そうしたいです」
「そうですね、では」
「では?」
「理事長さんに希望を出されますか」
「調査への同行を」
「はい、そうされてはどうでしょうか」
 先生にです、日笠さんは提案しました。
「行かれたいのなら」
「そうですね、機会があれば行きたいですから」
「希望をですね」
「出したいです」
「出されればです」
 日笠さんは先生の希望を聞いてでした、笑顔になってです。
 そしてです、こう言いました。
「探査艇が出る時、その時に先生のお時間があれば」
「その時にですね」
「そうです、深海に行けます」
 そうなるというのです。
「ですから」
「では理事長さんに願書を出しておきます」
「それでは」
 こうしたこともお話したのでした、先生は深海調査のお願いも出すことにしました。ですがこのことはここで終わってでした。
 先生はこの日も水族館で診察をしました、今日は日本の淡水生物のコーナーに行って診察をしました。そこで、です。
 先生は鯉さん達を診察しました、鯉さん達への診察をしてです。
 そこで、です。先生は言うのでした。
「うん、皆健康で何よりだよ」
「そう、じゃあね」
「これからもここで楽しく暮らすわね」
「いや、この水槽は快適でね」
「食べものも美味しいし」
「幾らでも大きくなれるよ」
「そんな気がするわ」
 こう先生に言うのでした。 
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