| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

StrikerS編
  101話:湧き上がる不安

 
前書き
 
ああああああああああ、もう! ほんとに進まない!
本当にすいません、こんなに遅くなってしまって。ほんとスランプ気味です、あまり言葉が出てこない。

早く陳述会のところ書きたい、その後書きたい、オリジナルの部分書きたい……
先は書きたいのに、今が書けないこのもどかしさ……辛いです(泣)
  

 
 





 ここは六課の会議室。早朝のそこには、早くも会議をしている三人の男女がいた。


「戦闘機人、ですか…」
「あぁ、この間のレリック捜索で遭遇した敵と、その後のガジェット殲滅の時のエネルギー反応。それらを調べた結果、そいつらが戦闘機人だってわかった」


 一通りの説明が終わった後、説明された単語を漏らすように呟いたのは、この六課の副部隊長―――門寺士二等陸佐。
 それに対し、説明口調で話を続ける陸士106部隊の部隊長―――ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐は、目の前にある緑茶を啜る。


「『人の身体に機械を融合させて、戦闘能力を飛躍的に高める研究』…こんなの、普通の人がやる研究じゃないですよ」


 しかめっ面でそう言うのは、六課の部隊長―――八神はやて一等陸佐だ。
 彼女の言う通り、こんな研究は普通まかり通る訳がないものだ。表だって行おうとすれば人道的な問題で頓挫するし、そうでなくてもコストの面や成功例の少なさから中止せざるを得ない筈のもの。そもそもこう言った関連の研究者達の間では、既に〝タブー〟とされている代物だ。

 ―――だが、


「いかにも、マッドサイエンティストがやりそうなもんだな」
「まぁそうだな。普通の研究者じゃあやろうとも思わないんだ、やるとしたら裏の者達―――犯罪者達だな」


 はやての言葉に士はため息をつき、ゲンヤははやてと同じようにしかめっ面を浮かべて言った。

 そもそも、この三人が何故こんな早朝に会議をしているのかというと……
 昨晩、はやての下へゲンヤより『捜査協力について、より詳しい話をしたい』と言った連絡が来たのだ。取りあえず話は夜より朝に、という事で次の日の朝に執り行うことになった。

 そして、ゲンヤが来た理由は他にもあった。それは……


「スバルの方はどう見ますか?」
「どうって…見りゃあわかるだろう、強くなってる。それにあの教導隊の中のトップエースが教えてるんだ、不満なんてあるか」
「そりゃ、なのはも喜ぶと思いますよ」


 捜査協力の為六課へ出向となったギンガを送る事と、自分の愛娘のスバルの成長ぶりを見に来る事。
 丁度今なのはの計らいで、ギンガとスバルが軽い模擬戦をしているところだ。ややギンガ攻勢だが、スバルもしっかり防壁で防いでいる。なのはやヴィータのおかげであろう。


「それじゃあナカジマ三佐、捜査協力の件についてより詳しい話を」
「あぁ、わかった」
「士君は訓練の方、お願いな」
「りょ~かい」


 はやての言葉にうなずいて意思表示をした士は、そのまま会議室を出ていった。
 その様子を見たゲンヤは、少し驚いた表情ではやての表情を伺いながら口を開いた。


「あんな無敵超人みたいなやつが、鍛錬を怠らないとはな…」
「まぁそうですね。士君はいつも、仕事を始める前に筋トレをしているそうですし」


 はぁ~…、と感心しながら、出ていった士の姿を追う様に扉を眺めるゲンヤ。そんな彼を見て、はやては少し嬉しそうな表情を浮かべた。


「でも最近、盛大に負けまして……結構焦ってるみたいなんですよ」
「負けた!? あの〝陸のエースオブエース〟がねぇ……」


 ゲンヤはさっきと打って変わって、驚いた表情で扉を見た。それに気づいたはやては、くつくつと笑った。


「ではナカジマ三佐、話の続きといきましょう」
「お、おう…そうだな」


 はやての言葉で、ゲンヤは話が若干逸れていたことに気づいた。そして捜査協力の事について話し始めた。
 しかしはやてはその話を聞く傍らで、士の姿を見て焦りとは違う何かを感じていた。


(なんやろうな、この感じ……どっかで感じたことがあるような…なんやろう…?)






















「じゃあ、皆集合~!」


 ギンガとスバルの模擬戦が終わり、なのはが全員を集め始めた。
 シグナムやヴィータから話を聞いていたフォワード四人が、なのは達の下へと向かった。


「折角だから、ギンガを入れたチーム戦…やってみようか」


 そう言い始めたなのはの言葉を聞いて、ギンガを除いた四人は少し顔をしかめる。


「フォワードチーム対―――」
「俺だ」
「ヒャアアアァァァァァ!?」


 その時、突如なのはの後ろに現れた人物が、急に声を発しなのはの言葉を遮った。
 唐突な事で大声を上げてしまったなのは、急いで振り返るとそこには運動着を着こんだ士が立っていた。

 なのはの聞きなれない叫び声に、スバル達五人はかなり驚いた。が、なのはや士の後ろにいたフェイト、シグナム、ヴィータは呆れた表情をしていた。


「な、なんでいきなり現れるの!?」
「別に…今さっき来たばっかなんだが、そんなに驚くか?」
「だっていきなり現れたら―――って、なんでフェイトちゃん達はそんなに驚いてないの!?」
「い、いや…黙っててって頼まれたから…」
「この~~~ッ!!」


 気まずそうに頬を掻きながらのフェイトの言葉を聞いて、なのははむくれながら士をポカポカと殴り始めた。元々驚かそうと画策していた事が気に食わなかったようだ。
 しかしそんな攻撃も気にせずに、五人の前に出る士。フォワード四人は別にいつもの事と思うのだが、今日来たばかりのギンガは、目を見開いて驚いていた。

 ギンガからしてみれば、初対面―――否、過去に一度会ってはいるが、彼女が管理局に入ってからは初めてで、会わなかった間もかなり長い。
 更に言えば、あの〝エースオブエース〟があんな子供染みた行為をするなんて、想像もつかなかったことなのだ。面食らうのも無理はない。

 だがそんな事知る由もない士は、五人の前に手で腰を抑えて仁王立ちをする。
 ―――その後ろでは、未だになのはがポカポカ殴っているが……


「さて、先程も言ったように、今度の相手は俺だ。ギンガはスバルと同じで、デバイス攻撃―――つまり左ナックルと蹴りでいいな?」
「え、え~っと…?」
「あ、これ時々やるの。隊長達や士さんとやって、一撃入れれば勝ち」
「最初は幻術とかで距離を取って、そこから何とかしていく…って感じです」


 士の唐突な説明に驚くギンガに、スバルとティアナが捕捉を入れていく。
 エリオとキャロも、「皆さん結構本気で潰しにきます」とか「でも士さん一人は比較的やりやすい方です」とフォローをする。

 しかし、今回はちょっと違った。


「今日ははやてに許可をもらってな、二段階までいけるから覚悟しろよ?」
「「「「「…?」」」」」


 ニヤリと悪い笑顔を浮かべて言う士に、五人は首を傾げた。しかし士の後ろにいるなのは達は、全員が視線を逸らして冷や汗をかいていた。


「じゃあ全員バリアジャケット展開、戦闘準備」
「「「「「りょ、了解(はい)……」」」」」


 そして士の指示で、スバル達はバリアジャケットを展開し、それぞれが構えた。
 士もトリスをバックル状態へ変え、更に腰に当てベルトへと変えた。腰の横にあるライドブッカーを開き、一枚のカードを引き抜き五人に見せびらかす。


 ―――ここから、五人にとって地獄のような時間が始まった。














 数分後……


「「「「「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……」」」」」


 森の設定をしてある訓練場に、五人が大の字になって転がっていた。
 そしてそのすぐ近くには、白いボディの宇宙服のような、頭部が尖がっている姿―――〝仮面ライダーフォーゼ〟となって、始まる前のように仁王立ちしていた。

 この十数分の間士はフォーゼとなって、五人を相手取り、翻弄し、こうやって地に伏せさせたのだ。


「す、姿消えたり…盾が出てきたり……」
「幻術使ったらカメラみたいなの出てきて、速攻で見破られたりするし……」
「後ろ取ろうとしたら、地面凍って滑ってしまいました…いてて…」
「なんか…色々あり過ぎてどう支援すればよかったのか…」
「こ、これが…〝陸のエースオブエース〟の実力…!」


 地面に倒れている五人がそれぞれ感想を述べる中、士は肩をぐるぐる回した後、自分の手を見つめて握りなおした。
 そんな様子を見たなのはが声を掛けようとするが、その前に五人に話しかける。


「ん、ギンガを入れた初めての模擬戦だったが、悪くない連携だった。指揮官がギンガを知るティアナだったからというのもあるだろうが、急ごしらえにしてはよくできてた」


 ただし、と士は更に続ける。


「急激な状況の変化には、まだついてこれないな。状況に応じて個々で判断し、行動する。例え指揮官からの指示や指令がない状態でも、自分で判断しないと生き残れない状況が必ず来る。そのことも頭の隅に置いておけ」
「「「「「は、はい…」」」」」
「じゃあいつも通り反省レポートを―――」
「あー、それは今日はいい。取りあえず柔軟して昼飯だ」
「What!? Whyだヴィータ!?」
「いや、流石にあれはお前が大人気ないだろ、どう見たって」
「最近の鬱憤を晴らすかのような戦いぶりだったな?」
「だから別にいいんだ。というかお前の方が反省すべきだ」


 ヴィータ、シグナム両名からそう言われ、士は「Why…何故なんだ…」と両手と両膝をついて、いわゆる〝OTL〟状態になった。傍から見ているなのはやフェイトも、これはヴィータ達の方が正論だと口出しはしなかった。













 模擬戦を終え、柔軟をしているスバル達五人と大人五人が小言を話し合う中、そんな光景を眺めている人物が二人いた。
 最も、大人の中に大人と言えるのか定かではない人物がいるのだが―――ッうお、なんだ鉄球が(ry


「いや~、凄いの見ましたね」
「うん、何度見てもでたらめだよね~」


 黒目の長い髪の女性―――シャーリーと、緑ショートの白衣の女性―――マリエル・アテンザだ。
 本当はギンガも含めたフォワード陣の様子とそのデバイスを見に来たのだが、士に翻弄されていた光景を見て、メカニックマイスターの二人はそれぞれ呆けていた。

 その時、後ろから草を踏む足音が。二人が振り向くと、そこにはブロンドの髪をもつ少女―――ヴィヴィオが歩いてきていた。
 ヴィヴィオは二人の前で止まると、深々と頭を下げた。


「おはようございます」
「あぁ、え~っと…おはようございます」
「おはよう、ヴィヴィオ」
「うん! 失礼します」
「あぁどうも、ご丁寧に」


 ヴィヴィオは挨拶を済ませると、颯爽となのは達の方へ走って行く。それに対して「転んじゃダメだよ~」とシャーリーが注意した。
 そのヴィヴィオを追う様に、青い体毛のい……もとい、狼―――ザフィーラがやってきた。獣状態のザフィーラを懐かしむように、マリエルが撫でる。


「シャーリー、あの子は?」
「え~っとですね」


 それを止めるとマリエルは目線の先で走るヴィヴィオを見て、シャーリーに聞いてみる。シャーリーが説明に困っていると、ヴィヴィオの存在に気づいた全員が振り向いた。


「ママ~!」
「ヴィヴィオ~!」
「危ないよ、転ばないでね」
「うん―――あッ」


 なのはやフェイトに向かって走っていたヴィヴィオだが、見事にフラグを回収―――


〈 ATACK RIDE・MAGIC HAND 〉
〈マジックハンド・オン〉
「よっ…と」


 する直前に、士が倒れる体を掴んでなのは達の側まで移動させた。
 転ばずにすんだヴィヴィオは目をパチクリさせ、なのははヴィヴィオを撫でながら「士君、ありがとね」と感謝を述べる。

 それを聞いてフンッと鼻を鳴らすと、士は変身を解き首を鳴らした。


「取りあえずヴィヴィオ、大丈夫? 怪我してない?」
「うん、大丈夫」
「気を付けてね。ヴィヴィオが怪我なんかしちゃうと、なのはママもフェイトママもきっと泣いちゃうよ?」
「うん、気を付ける!」


 元気のいい返事が返ってきて、周りの皆も笑みを浮かべた。そしてヴィヴィオはなのはとフェイトに両手を繋いでもらい、隊舎の方へと向かって歩き出した。
 そんな光景を見ていたシャーリーとマリエルの二人。シャーリーはそれを微笑ましく眺め、マリエルは驚きでズレたメガネを上げて叫んだ。
























 時は過ぎていき、夕暮れ時の部隊長室。そこには分隊長の二人とはやて、それに士がいた。


「ほれ、サーターアンダギー」
「おぉ、おいしそうやなぁ!」
「そうだね―――って、何お菓子作ってきてるの!?」
「脳にお砂糖、ちょっとした栄養補給だ」


 いきなりお菓子を持って現れた士に、ほんの少し前に集まっていたなのは達。はやてはすぐにサーターアンダギーを一個取り口に運び、なのははツッコミを入れた。因みにフェイトは、はやてが取った後でこっそり取って食べていた。


「で、今日教会の方から最新の預言解釈が来たんよ。それによると、やっぱり『公開意見陳述会』が、狙われる可能性が高いそうや」
「そうか、やっぱり…」
「勿論、警備はいつもよりうんと厳重になる。機動六課も各員でそれぞれ、警備に当たってもらう。ほんまは前線丸ごとで警備させてもらえればええんやけど…建物の中に入れるんは、私達四人だけになりそうや」


 はやての説明を聞いた三人は、ほぼ同時に頷く。


「まぁ、四人揃ってれば大抵の事はなんとかなるよ」
「前線メンバーも大丈夫、しっかり鍛えてきてる」
「シグナムやヴィータも、今まで以上にコンディションを整えてきてる。フォワード四人のデバイスも、サードまでリミッターを外すことになるしな」


 フェイトに続きなのは、士も自信満々といった表情でそう言い切った。途中、士は自分の持って来たお菓子を口に放っていたが。


「ここを抑えれば、事態は一気に好転していくと思う」
「「「うん(あぁ)」」」
「きっと…大丈夫」


 そう呟くなのは。しかし一人だけ―――士だけ、何故か身もふたもない不安に駆られていた。
 何かが抜け落ちている、このままでは何かが足りない。きっと別に、何かが起こる。そう確信めいた訴えが、頭の中を反芻していた。

 取りあえず仕事へ戻る為、四人は解散しそれぞれの仕事場へ戻ることに。
 そして士は、この不安の原因を探るべく、仕事をしながらも今までの事案を深く検証することを、決意していた。





  
 

 
後書き
 
取りあえず17話分を細切れで。
この後は多分、このまま18、19話分に行くと思います。ようやく陳述会だ……やっとライダー書ける。

しかしここ最近、戦闘描写をほとんど書いてない。果たして書けるかどうか……
取りあえず次上げるのは、デジモンの方になります。また首を長くして待っててくださいね。







次にドライブ見ての叫びを……

ブレェェェェェェェンッッッ!! お前最後の最後で持っていきやがってぇぇぇぇぇ!
メディック出てきた辺りからのブレッブレのお前はどこへ行ったんだぁぁぁぁぁ!!

そしてチェイスゥゥゥゥ! 進霧をかき乱した挙句、それを最後まで見ずに退場だとぉぉぉ!
ゆるさん、そんなことは断じてゆ゛る゛ざん゛! おのれディケイドォォォォォォォ!!(突然の向かい風



―――と、この間のドライブ見てこんな感じになりました。俺が。

誤字脱字のご指摘、ご感想等ありましたら、感想の方よろしくおねがいします。では(^ ^)ノシ
  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧