| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Another28 ナノモン

 
前書き
行動開始 

 
大輔「皆、出発しますよ。」

アインス「全員荷物を持ってピラミッドに向かうぞ。泉、案内を任せたぞ」

光子郎「任せて下さい。ピラミッドには、普通は見えない隠し通路があるそうです」

光子郎がキーボードを叩くと、ピラミッドの図が出て来る。
基本的な構造は変わっていないようだと大輔は安堵した。


































なるべく音を立てずにゆっくりゆっくりと先に進む子供達。

丈「それにしても驚いたな。エジプトのピラミッドそのまんまだ」

アインス「デジタルワールドは私達の世界を基にしているからな。このピラミッドはエジプトのピラミッドが基になっているのだろう。」

ヤマト「今日は、差出人のナノモンを助けて、空の紋章の在処を聞き出すのが先だ。余計な戦闘は絶対にするな。特に太一…お前だ」

太一「うっせえな!!」

この中でトラブルメーカーでもある太一にヤマトからの鋭い指摘が繰り出された。
全員が笑う。
こういう状況でも笑えるくらいには余裕が出て来たのは多分いいことだろう。
光子郎の案内でエテモン、ガジモン達に見つかることなく、順調に進んでいった。































辿り着いたのは、高圧電流が流れている網が張り巡らされた一室だった。
隠し通路の箇所だけは、唯一、ホログラムで人間もデジモンも安心して通ることが出来るらしい。
もし間違えでもしたら間違いなく、死に至るのは明白である。
幸い、右から5マス目と書かれてあったので、太一が先陣を切り、言う通りに数えて先に向かった。
全員もそれに従って、それに続く。






























辿り着いたのはピラミッドの最深部である。
ここが目的地で間違いないと光子郎は肯定する。
その奥にいたのは、本来なら頑丈な高圧ガラスで閉じ込められているはずの存在と…。

一輝「遅かったな」

大輔「一輝兄ちゃん!遼さんまで…」

一輝と遼までいたのだ。

アインス「何故お前達が此処に?」

遼「ナノモンの修理に来たのさ。ナノモンのデータチップの回収、それから解放」

大輔「そうか…」

テントモン[あれがナノモンや、ごっつ頭のええデジモンや]

ヤマト「お前が俺達にメールを…」

ナノモン[その通りだ選ばれし子供達。私を信じてここまで来てくれたことに感謝する…約束通り紋章を渡そう]

ドルモン[はい、愛情の紋章。これで全部だよ]

空「あ、ありがとう…」

赤い紋章は光に包まれ、タグに吸い込まれた。

大輔「これで全員の紋章が揃ったわけか…」

ナノモン[さて…君達に話がしたい。聞いてくれないか?]

アインス「勿論だ。皆もそれで構わないな」

アインスが問うと、太一達が頷いた。
ナノモンもそれを確認すると、口を開こうとした瞬間。
豪快な音が安堵の溜め息で漏れた子供達を硬直させた。

エテモン[やーっぱり、あんたの差し金ねえ!!ナノモン!!]

現われたのはエテモンだった。
選ばれし子供達は身構える。

ナノモン[ほう?到着が早いな]

エテモン[あーんだけ、分かりやすいくらいにすれ違い続けたら、いくらアチキでも気付くわよっ!!馬っ鹿にすんじゃないわよ、こんのスクラップ!!しかもいつの間にか元通りになってるし!!]

ナノモン[ふん、私がスクラップなら貴様は粗大ゴミだ。ある日、私は意識を取り戻し、貴様に気付かれぬように少しずつ自分の身体を修復していたのだ。それより貴様、今まで貴様が壊したトレーラーと電子機器の修理代をまだ払ってもらっていないぞ!!あれだけでかい口を叩いておきながら客は殆どいない、そしてその八つ当たりで機器を破壊。おまけに私まで破壊しおって。今までの迷惑代を含めて、1000万デジドル払ってもらおうか!!]

エテモン[何よ、その出鱈目な額は!!?もう少し安くしなさいよ!!大体、あんたの態度が悪いからスクラップにされたんでしょ!!?機器にしても壊れないくらい頑丈なの造ればいいだけでしょうが!!誠意ってのを見せなさいよ!!]

エテモンにとってあまりにも出鱈目すぎる額にエテモンが逆ギレ。

光子郎「…最低だ。」

逆ギレするエテモンに呟く光子郎。

エテモン[とにかく!!もう逃げ場はないわよナノモン!!もう一度あんたをスクラップにしてくれるわ!!]

ナノモン[ふん、戦闘力だけの猿の分際で!!貴様ごときに遅れを取るほど落ちぶれてはおらん!!それに元々このピラミッドは私の物だ。このような非常事態に備えた仕掛けの1つや2つくらい用意しているわ!!]

エテモン[何ですって!!?]

カチ。

パカッ☆

全員【え…?う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?】

ナノモンが台座のスイッチを押した瞬間、ナノモンを含めた大輔達、ブイモン達がいきなり開いた床穴に落ちたのであった。

エテモン[え?ええええええ!!?]

予想外すぎる展開に流石のエテモンもついて行けなかったらしく、穴を見つめたまま、しばらく立ち尽くしていた。






























ピラミッドの最深部に落ちた大輔達。
かなりの高さから落ちたが、全員奇跡的に怪我はなかった。

ヤマト「い、痛ててて…せめてやる前に言ってくれよ…」

ナノモン[言ったら言ったでエテモンは妨害してきただろう。多少の怪我くらい我慢してもらう]

丈「多少の怪我!!?下手したら大怪我だったよ!!」

確かにあの高さから落ちて殆ど無傷だったのは奇跡である。

ナノモン[さて、次は時間稼ぎだ]

全員【へ?】

ナノモンが機器を操作すると脱出カプセルのような物が射出された。


































[エテモン様!ピラミッドから脱出カプセルが射出されました!!]

エテモン[何ですって!!?さては逃げる気ね!!追うのよ!!]

笑天門号が脱出カプセルを追いかけて爆走する。
それが時間稼ぎのために射出された空の脱出カプセルであることを知らずに。




































ナノモン[さて、あの馬鹿猿がいなくなったところで話すとしようか…お前達に私の知る全てを]

ナノモンの言葉に子供達は全員沈黙した。
これから語られるナノモンが知る全てとは一体何だろうか。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧